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円形劇場とは?古代ギリシャ・ローマ時代の遺跡が今も息づくトルコ

更新日:2023.04.05

投稿日:2022.09.08

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エフェソス遺跡 円形劇場 大劇場

現在のトルコ共和国が位置する場所は、古代から複数の民族によってさまざまな文化が栄えてきました。その文化の変遷を象徴的に見ることのできるのが古代遺跡です。

古代ギリシャ時代から古代ローマ時代の遺跡でよく見られる円形劇場は、そうした遺跡観光の見どころの一つ。そこで今回は、トルコとその周囲の国の歴史とともに、円形劇場についてご紹介します。

円形劇場とは?

ヒエラポリス 円形劇場

円形劇場とは、文字通り円形に作られた屋外の劇場です。そのほとんどは中央にステージがあり、ステージを取り囲むように、周囲に円形で階段状の観客席が作られています。大きさは数百人から、数万人まで収容できる大規模なものまであります。

多くの円形劇場は、古代ギリシャ・古代ローマ時代に作られ、歴史の変遷によりさまざまな用途で利用されてきました。

円形劇場は地中海周辺の地域で多く見られ、現存する最古の円形劇場は、イタリア・ナポリ近郊にあるポンペイの大劇場です。現在のトルコ国内にも、古代ギリシャ時代から存在する多くの円形劇場の遺跡があります。

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トルコの地理的事情と歴史

エフェソス遺跡 エフェス トルコ

現在のトルコの地では、古代より多くの民族が興亡し、特にアナトリア(トルコのアジア側の半島)の地は、「文明のゆりかご」と呼ばれています。ヨーロッパの古代文明を築いた古代ギリシャ・ローマの領土は、現在のトルコの地にまで及びました。

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紀元前1000年頃から、アナトリアの西のエーゲ海沿岸にギリシャ人たちが居住するようになり、紀元前133年からは西アナトリアが古代ローマの一部になりました。そのため、古代ギリシャ・ローマの文化が現在のトルコの地に根付いており、歴史的遺跡や建造物も多く見られるのです。

円形劇場の歴史~古代ギリシャと古代ローマ

円形劇場は、時代の変遷によって用途を変えてきました。文化や民族の特徴、その時代の政治や人々の要請を反映してきたのです。

大きな変化としては、古代ギリシャ時代の円形劇場が神事や民主主義政治の中心の場として使われたのに対し、古代ローマ時代には人々のエンターテイメントの場所となったことです。このような時代ごとの変化や特徴をご紹介します。

古代ギリシャ時代の円形劇場

ペルガモン

古代ギリシャ時代は、ヨーロッパ古代の文化が花開いた時代と言えます。哲学や医学、数学などの学問や芸術が発達し、現代の文明の基礎が作られたのが、古代ギリシャ時代です。古代ギリシャの円形劇場は、こうした古代ギリシャの都市と文化の特徴を反映しています。

古代ギリシャでは、直接民主制がとられており、国民(ギリシャ人の成人男性)が直接政治に参加する形でした。その象徴が「アクロポリス」と「アゴラ」です。

古代ギリシャでは、都市ごとに小さな国家(=「ポリス」)が成立しており、その国家の主要地域をアクロポリスと呼びました。現代国家の「首都」のようなものですが、アクロポリスは周囲を見渡せる小高い丘の上に作られました。

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また、ポリスを守る守護神を祀った神殿が設けられ、当時の人々の心の拠り所としていたのも特徴です。ギリシャにおける守護神とは、古代ギリシャ神話の神々です。神殿が宗教的な意味でポリスを守ったとされています。一方で、軍事的にはポリスを守るための設備が設けられました。

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アクロポリスでは、文化がますます発展し、民主化が進み、人々が集う広場(=「アゴラ」)が成立します。政治・経済・文化において、人々はアゴラに集い議論を交わしました。有名な古代ギリシャの哲学者、ソクラテスやプラトン、アリストテレスも、アゴラでの集いの中でその哲学を発展させました。

古代ギリシャの民主政治の場所であった円形劇場

ペルガモン遺跡 円形劇場

古代ギリシャの政治は共和制で、市民たちが直接政治に参加する、世界で初めての民主主義国家でした。そのため、多くの人々の声を直接発信できる広い場所が必要だったのです。広場全体に声が響く必要もあったため、音響効果も高く作られています。

神事を行う場所としての円形劇場

神殿を要するアクロポリスにおいて、円形劇場は神事を行う場所でもありました。神事はギリシャ神話を伝える演劇として行われました。また、神事は都市国家の公的行事で、ギリシャ人である市民は全員その演劇に出席しなければなりませんでした。当時のギリシャの都市国家には、外国人や奴隷も居住していましたが、ギリシャ人以外はこの神事には参加することができません。ギリシャ人たちが民主的に公共事業へかかわっていたことは、この時代の都市国家の特徴とも言えます。

古代ギリシャ時代に作られた円形劇場には、舞台の背景となる「スケーネー」と呼ばれる空間があり、その背後には神殿や境内が作られていました。古代ギリシャの演劇が神事であったことを考えると、そこに神殿が作られたのも納得できるでしょう。

古代ギリシャ時代に演劇が頻繁に行われていた円形劇場は、当時のギリシャの中心都市であったアテネのアクロポリスのふもとに作られたディオニュソス劇場です。ディオニュソス劇場では、豊穣と酒(ワイン)の神であるディオニュソスを讃える演劇が上演されていました。

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古代ローマ時代の円形劇場

ヒエラポリス 円形劇場

古代ローマ時代になると、都市や文化の傾向が古代ギリシャ時代とは異なってきます。古代ローマも共和制の国家でしたが、人々の関心はより娯楽的なものへと移っていきます。人々は哲学や神話の信仰よりも、日々の娯楽に気持ちを傾け、時には危険な闘技や処刑でさえも、エンターテイメントと感じるようになりました。

人々がより気軽に劇場に集えるよう、円形劇場は街の中心地に作られるようになります。丘の上にある神殿の近くに作られていた古代ギリシャ時代と異なり、円形劇場はより日常的な生活の場に近くなったのです。

古代ローマ時代の演劇

古代ローマ時代の円形劇場でも演劇は行われていました。しかし、その内容は古代ギリシャ時代のような神事ではなくなっています。犯罪者や奴隷と剣闘士に見立てた猛獣を戦闘させるなど、処刑を演劇化して見世物としていました。時には、劇場に水を張って海戦を演劇化し、犯罪者や奴隷が殺し合いをするのをエンターテイメントとして楽しんでいました。

こうした見世物を演劇にして娯楽としていたのが、古代ローマ時代の特徴です。古代ギリシャ時代と古代ローマ時代では、円形劇場で行われる演劇の意味合いや参加する人々が異なっており、人々が求めるものが大きく変わっているのがわかります。

古代ローマの政治と円形劇場

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円形劇場の催しになるほど、残虐的な娯楽を人々が楽しむようになったのは、政治的な背景があります。

当時、ローマ帝国はヨーロッパの地以外にも広大な領域を属州として持つようになり、拡大した領土では富裕層と奴隷が現れ、貧富の差が拡大しました。その過程で、中間層である市民たちの中にも、土地を失い没落していく層が広がります。この市民層は「無産市民(プロレタリア)」と呼ばれ、経済的な力はないものの選挙権を持つ人々でした。数が増えていくプロレタリアからの支持を得るため、政治家や貴族たちは彼らに食糧と娯楽を提供しました。

このプロレタリアからの要求は、「パンと見世物」と呼ばれています。「パンと見世物」とは、古代ローマの風刺詩人ユウェナリスの表現で、パンは食料、見世物は娯楽の意味です(「パンとサーカス」と表現される場合もあります)。パンや小麦を彼らに提供するとともに、円形劇場での娯楽を無料で与えていました。

娯楽を頻繁にプロレタリアたちに与えるため、大衆化されていき円形劇場はますます増えていきます。経済的には貧富の差がますます広がり、富を持たない彼らの不満は募る一方、そのはけ口としてますます娯楽への欲求を強めていきました。

古代ローマは広大な領域を誇る大帝国になりましたが、末期の頃にはこうした市民たちの堕落が激しくなり、円形劇場はまさにその堕落を象徴するものになっていきました。「ローマの平和」とも呼ばれた時代でしたが、実際には「パンと見世物」を無料で与えたことが財政を圧迫し、ローマは没落を早めたとも言われます。

円形劇場 剣闘士

処刑場にされ、破壊され…時代に翻弄された円形劇場

財政難によって没落しているローマ末期の時代、円形劇場はかつてのように華やかに利用することができなくなります。富裕層や政治家による資金援助がなくなると、劇場を維持する資金も少なくなり、ついには公の処刑と処罰の場所になりました。こうした円形劇場の用途の変化によって、円形劇場自体も少しずつその形態・造りを変えられることになります。

ローマ帝国は周辺との闘いを重ね、領土を広げて発展してきましたが、末期にはその戦いによって多くの歴史的建造物、円形劇場が破壊されてしまいます。劇場として利用できないほどに破壊された場所では、資材の石のみが利用価値のあるものとなり、円形劇場の石は他の場所に作られる建築物の材料となっていきました。持ち出された石が要塞や要塞化された集落のために使われたり、中にはキリスト教の教会になったりと劇場が再利用されました。ローマ帝国全体の円形劇場が、このように衰退の道をたどっていきます。

ローマ帝国の象徴であった円形劇場

コロッセオ 円形劇場

このようなローマ帝国の歴史を振り返ると、円形劇場や円形闘技場(アンフィテアトルム)は、帝政ローマの象徴だったことが分かります。

「コロッセオが崩れる時、ローマが滅びる。そして、ローマが滅びる時、世界が滅びる」とは、12世紀に表現された古代ローマ帝国を伝える有名な言葉です。この言葉通り、古代ギリシャ・ローマ時代を通して栄華を極めた円形劇場は活躍を終えていきます。

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円形劇場のさまざまな形と用途

古代ギリシャから古代ローマ時代に作られた円形劇場には、いくつかの特徴的な建造形態があります。大きく分けると、自然の土地の形態を生かしたものと、平地に石を積み上げて作られたものです。各時代それぞれの劇場の様子をご紹介します。

自然の地形・斜面を生かした円形/半円形の劇場

古代ギリシャ時代から作られた円形劇場は、元々は自然の地形である斜面を利用して作られたものでした。この形には、さまざまな利点があります。

自然の地形を生かしたことで、観客席を階段状に作るのが楽になり、壊れにくい造りになりました。そのため遺跡として現在まで残っているものが多いです。斜面に作られた円形劇場は、古代ギリシャ時代、古代ローマ時代ともに存在します。

古代ギリシャの円形劇場

ペルガモン遺跡 世界遺産 アクロポリス

古代ギリシャ時代に作られた円形劇場は、舞台である中心が最も低く、その周囲が斜面状に徐々に高くなっている形です。すり鉢のような形で、周囲が円形の斜面になっており、こうした地形の場所が、円形劇場として利用されました。逆に言うと、すり鉢型の地形を選んで円形劇場を作る必要があったため、劇場はどこにでも作れるわけではなく、地形から作る場所を選ぶ必要がありました。こうした円家劇場には、いくつかの特徴があります。

高い音響効果

斜面の観客席は階段状に作られています。全体を見るとすり鉢型で、この構造は音響効果が非常に高いです。舞台から最も遠い最上段でも、音が反響しよく届きます。この形態の円形劇場は半円形に姿を変えていきますが、現在でも野外劇場として利用されるほど優れた音響効果を持っています。

半円形の舞台に

古代ギリシャの終焉期(ヘレニズム期以後)には、舞台は半円の形になり、残りの半円は、位の高い人々のための観客席である「アリーナ席」になっていきました。

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古代ローマの半円形の劇場(ローマ劇場)

トルコ ヒエラポリス パムッカレ

別名「ローマ劇場」と呼ばれる半円形の劇場は、円形の劇場「アンフィテアトルム」と古代ローマの円形劇場を二分する形態でした。

舞台の前に半円形で観客席が作られる形状は、舞台の前面から見ることが適しているため、競技や闘技ではなく、演劇や合唱に利用されることが多かったようです。元々はすべて円形で作られた劇場でしたが、演劇や歌唱の用途のために半円形で作られることが多くなりました。

建築する地形が探しやすい

円形の劇場はすり鉢状の地形を生かして作られるため、作る場所を探すのが困難でした。一方で半円形の劇場は、適した地形が見つけやすく、場所をあまり選びませんでした。地面の斜面をそのまま利用できるため、壊れることも少なく、当時の姿を残した遺跡も多いのです。現存している古代ローマ時代の「円形劇場」は、そのほとんどが「半円形劇場」です。

円形と変わらない音響効果

また、古代ギリシャの劇場と同じように音響効果が高いため、現代でもそのままコンサート場として利用できる遺跡があるほどです。どんなに小さなステージの音でも、観客席の最後尾まで届くように確認し作られたと言われています。

石を積み上げ平地に作られた劇場

アスペンドス遺跡 劇場

古代ローマ時代になると、斜面の地形を生かす必要なく、平地に石を積み上げて劇場を作る技術が出てきます。平地に作れるため、適した斜面を持つ場所を選定する必要はありません。

橋を作る際に利用される「架構」の技術を応用し、建物自体が地上に飛び出すかのように建築されています。こうした技術が助けとなり、古代ギリシャ時代の円形劇場は、ローマ式の劇場に作り替えられていきました。

取り外された祭壇

ローマ帝国は広範囲に拡大し、かつてギリシャの地であった場所も領土としていきます。領土とされた場所にあった古代ギリシャ時代からの円形劇場は、ローマ帝国の支配下になり、ローマ式に改造され祭壇が取り壊されてしまいます。

古代ローマの円形闘技場(アンフィテアトルム)

古代ローマの円形闘技場は石を積み上げて作った建築物で、現代にも残る円形劇場です。観客席はステージの周囲360度にめぐり、どの角度からもステージが見れるようになっています。高度な音響よりも、360度の視界が優先されたような造りが特徴です。

古代ローマ時代では、半円形の劇場よりも、完全な円形の「アンフィテアトルム」のほうが、はるかに数が多かったと言われます。

石を積み上げて作るため、戦いで破壊されやすく、石材は再利用されていきました。アンフィテアトルムの多くは時代と共に失われ、現存するものも少なくなっています。

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現代の円形劇場と、古代円形劇場の利用

アスペンドス遺跡 円形劇場

ローマ帝国の滅亡により、円形劇場は歴史の舞台から徐々に姿を消していきます。破壊を免れ、遺跡として残っていた円形劇場は、ルネッサンス期に劇場として利用されることもありましたが、演劇やコンサートなどの会場としては、利用される場所ではなくなりました。

ルネッサンス期に演劇やコンサートに使われたのは、現代の舞台の形に近い額縁型のもので、プロセニアムアーチによって舞台と客席は完全に仕切られた形のものになりました。プロセニアムアーチ(額縁舞台)とは、観客席からみて舞台を額縁のように区切る構造物です。

この頃主流になった劇場の形が、現代に引き継がれてきています。一方で、円形の舞台こそ舞台演出をより柔軟かつ斬新に行えるという認識が増えつつあり、円形劇場の形が見直されてきています。20世紀後半頃からさまざまな場所で、円形劇場が現代の劇場として建設されてきています。

​​現代の円形劇場

いくつかの例として、各国初となった現代的な円形劇場をご紹介します。

ペントハウスシアター(アメリカ)

1940年にアメリカ・シアトルのワシントン大学構内に作られた劇場で、アメリカ国内初となる円形劇場です。以後アメリカ国内では、1947年ダラスに完成した円形劇場、1951年ニューヨークに完成したサークル・イン・ザ・スクエア、1961年にワシントンに完成したアリーナ・ステージなど、多くの円形劇場が作られていきます。それまでの額縁型の舞台を否定し、空間を解放して俳優の演技を重視していく動きの中で作られていきました。

スティーブンジョセフシアター(イギリス)

演出家スティーブン・ジョセフ(Stephen Joseph)氏により、イギリス・ノースヨークシャー州スカボローに設立された円形劇場です。厳密にいえば、客席は完全な円形には並んでおらず、座席は4方向にまっすぐ並んでいますが、観客席が舞台を四方から囲んで見る造りになっています。

1996年に設立されたこの劇場は、客席数が404席と規模は小さいものの、イギリス初の円形劇場であり、劇作家として高い評価のあるアラン・エイクボーン卿の作品を80以上初演した実績のある劇場です。コヴェントリー大学によるプロの俳優養成プログラムもこの劇場で行われています。

公式サイト:https://www.sjt.uk.com/

青山円形劇場(日本)

日本でも近年、円形劇場が作られました。日本初の円形劇場は、1985年渋谷区神宮前の「こどもの城」内に作られた青山円形劇場です。室内の劇場ですが、円形の舞台は360度の周囲から眺められ、観客席は完全に円形になっています。

観客席数は最大376席と大きくはありませんが、舞台を360度から見れる貴重な場所で、多くの芸術作品が上演されてきました。

青山円形劇場の特徴は、44基の迫り(舞台下より迫り上がってくる床の装置)に分割された段床可変型の機能を備えていることです。各迫りは0〜1.08mの範囲で昇降が可能で、客席と舞台を自在に造形できます。

公益財団法人児童育成協会の運営でしたが、2012年9月28日に厚生労働省が2015年3月末を目途にこどもの城を閉館すると発表したことを受け、青山円形劇場は2015年3月末に閉館されました。

こどもの城はもともと、1979年の国際児童年を記念して国が設置した国立の児童厚生施設で、子供の遊びのプログラムを開発し、全国の地方の児童館へ情報発信していました。
子供を取り巻く環境の変化や、地方自治体の児童館などの普及、こどもの城の建物老朽化などを理由に閉鎖されました。

公式サイト:http://www.aoyama.org/

古代円形劇場の利用

現代に新たに作られた円形劇場とは別に、古代遺跡である円形劇場で演劇やコンサートを行う動きもあります。観光される遺跡としてだけでなく、古代の利用方法を生かした試みで、観客は遺跡と古代の音響を体験しながら、現代の舞台も観覧できる醍醐味があります。そうした催しのいくつかをご紹介します。

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古代ラオディキア劇場:オープニングセレモニー

ラオディキア遺跡 デニズリ トルコ

トルコ南西部のデニズリ県ヒサール村にある古代ラオディキア劇場では、2022年に1690年ぶりの公演がイズミル国立交響楽団によって行われました。

紀元前2世紀に建設され2200年の歴史を持つ古代ラオディキア劇場は、トルコで最大かつ最も重要な考古学的遺跡のひとつとされるラオディキア古代都市にあります。ラオディキア古代都市は、2013年にユネスコの世界遺産暫定リストに登録されています。

古代都市の中にある古代ラオディキア劇場は、発掘・修復作業が行われていましたが、その作業が完了し、一般公開に向けてのオープニングコンサートの公演が行われました。一般公開のオープニングセレモニーには約1万5千人もの人々が参加する大規模なものでした。

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●イズミル国立交響楽団(İzmir State Symphony Orchestra)について

1975年に室内楽アンサンブルとして設立された後、短期間で目覚しい成長を遂げ、交響楽団に発展しました。トルコ共和国最大の芸術機関のひとつで、世界の交響楽団とも張り合える高い水準を誇っています。特に多声音楽(ポリフォニー)の分野で大きな成功を収めています。
地元であるイズミルやエーゲ海地域での活動が多い中、全国的にも活動の幅を広げています。

公式サイト:https://izmirsenfoni.gov.tr/en/

アスペンドス国際オペラ・バレエ・フェスティバル(古代アスペンドス劇場)

アスペンドス遺跡 円形劇場 アンタルヤ

アスペンドス国際オペラ・バレエ・フェスティバルは、地中海に面したアンタルヤ近郊の古代遺跡にある2000年の歴史を持つ古代アスペンドス劇場で、毎年行われているフェスティバルです。アンタルヤは地中海随一のリゾート地で、ヨーロッパからの観光客にも人気です。リゾートの旅と同時に、国際フェスティバルを楽しみにしている旅行者たちも多いでしょう。

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フェスティバルは開始後13年間で、世界的に有名な団体が出演を希望するまでに成長し、2003年には、ヨーロッパで権威ある欧州フェスティバル協会(EFA)のメンバーとなり、国際的に成功した重要な芸術フェスティバルとして認められました。

これまでに出演した国外の団体としては、チューリッヒ・バレエ団、ベルリン・オペラ、ロンドン王立バレエ団などがあり、さまざまなオペラやバレエが上演されてきました。

古代アスペンドス劇場は、2世紀に建造された半円形の劇場で、15,000人の観客を収容できる大きな劇場です。すばらしい音響効果を持つことで知られており、観客席の最上部には、外部と隔てる高い壁を作ることで、音響効果はさらに高くなっています。

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●アスペンドス国際オペラ・バレエ・フェスティバルについて

トルコ初のオペラとバレエのフェスティバルとして開始した後、1994年からはトルコ国立オペラ・バレエ局によって、毎年6月と7月に開催され、1998年からは国際規模での開催となっています。開催当初より観客の7割は外国人観光客で、外国人への人気が高く、毎年観客数が増加していっています。欧州フェスティバル協会に加盟しています。

過去の開催では、アンカラ国立歌劇場バレエ団による人気オペラ「アイーダ」、メルシン国立歌劇場バレエ団によるレオン・ミンカス作「ラ・バヤデール」、ジョルジュ・ビゼー作「カルメン」、カール・オルフ作「カルミナ・ブラーナ」、イズミル国立歌劇場バレエ団によるアレクサンドル・ボロディン作「ジバゴ/ジバゴ」、ベルリン・ドイツ・オペラによる「魔笛」などが上演されました。

2010年6月には、東京バレエ団による「ギリシャの踊り」「ドン・ジョヴァンニ」「ボレロ」の公演も行われ、その様子はNHKでも報道されました。

公式サイト:https://www.operabale.gov.tr/en-us/Pages/HomePage.aspx (トルコ共和国 文化観光省 国立オペラ・バレエ総局)

イズミル国際フェスティバル(エフェソス古代劇場など)

エフェソス遺跡 コンサート

2007年に第21回を重ねたイズミル国際フェスティバルは、エフェソス古代劇場、セルシウス(ケルスス)図書館、エフェソス・オデオンなど、エフェソス古代遺跡の中の複数の場所で行われてきています。

毎年行われているフェスティバルでは、オーケストラ、室内楽、 バレエ、演劇、ジャズ、ポップスなど幅広い分野の公演が行われ、国際的な芸術家・芸術団体が参加しています。また、イズミル市内ではクラシックコンサートが無料で行われるなど、市民にも人気のイベントとなっています。

●イズミル国際フェスティバルについて

1987年から毎年開催されている国際的な芸術フェスティバル。欧州フェスティバル協会に加盟しており、毎年約数週間から1か月以上の開催中、音楽、バレエ、演劇、オペラの古典、伝統&現代作品を幅広く上演しています。地元トルコの人々だけでなく、トルコを訪れる外国人旅行者にも人気があります。

フェスティバルは、開始当時から、歴史的な遺跡で行うよう特別に配慮されてきました。
2022年6~7月の開催では、イズミル州立交響楽団によるオープニングコンサート、テッケンフィルハーモニー管弦楽団による公演、マーサ・グラハム・ダンス・カンパニーによる公演とワークショップ、カメリアリ・カディンSiBiUバレエシアターによる公演などが行われました。

公式サイト:http://www.iksev.org/en/izmir-festivali/

トルコに残る古代円形劇場

トルコ国内にある円形劇場の遺跡には、現在もコンサートホールとして利用され、生きた遺跡として時代を超えて人々に感動を与えているものもあります。

保存状態が良いものほど、演劇や音楽の上演に利用されますが、遺跡として観光客を楽しませている円形劇場も多数あります。それらの円形劇場のうち、重要なものや特徴のあるものをご紹介します。

ヒエラポリス遺跡:白い石灰棚の温泉地の遺跡

ヒエラポリス遺跡

トルコ有数の温泉地パムッカレの有名な石灰棚を最上部まで登ると、ヒエラポリスの古代都市遺跡があります。紀元前2世紀に作られた古代都市ヒエラポリスは、3世紀頃に最も繁栄しました。ヒエラポリスという名称は、「聖なる都市」という意味です。

最盛期の頃、紀元206年に作られたのが、ヒエラポリス遺跡の中にある円形劇場です。傾斜した斜面にそって作られており、現在まで保存状態がとても良い半円形の劇場として有名です。直径100mある半円形の客席には、1万5,000人もの観客が収容できます。かつては劇場の向かいに、ギリシャ神話の太陽神アポロンを祀った神殿がありました。ユネスコ世界文化遺産として登録されている遺跡ですが、現在でも主に演劇や合唱の公演に利用されています。

白い石灰棚が連なる風景で有名なパムッカレは、古代ローマ帝国時代の最大の温泉保養地でした。1354年の大地震で、パムッカレの都市は一度廃墟となりますが、円形劇場やローマ浴場は、遺跡として残ってます。観客席の上部は、遺跡全体を見渡すことができる絶景ポイントです。トルコに行ったら、ぜひ訪れてもらいたい遺跡です。

名称 ヒエラポリス(Hierapolis)遺跡群
住所 20280 Pamukkale/Denizli, Turkey
営業時間 (3~5月/10月)8:00~20:00, (6~9月)8:00~21:00, (11~2月)8:00~18:00 *南門は6:30にオープン
アクセス パムッカレより遺跡の南門へ(車道で4.6km、歩道で4km)
公式サイト https://muze.gov.tr/muze-detay?SectionId=PMK01&DistId=PMK
https://whc.unesco.org/en/list/485 (UNESCO)

パムッカレ-ヒエラポリスはがっかり世界遺産じゃない!観光の見どころ解説

ペルガモン遺跡:急斜面の半円形劇場

ペルガモン 劇場

現在のベルガマにかつてあった古代ペルガモン王国。その地にあるアテナ神殿の西に作られた有名な半円形の劇場です。ローマ帝国の属州時代に改修されて、現在の形になっています。

ペルガモンの円形劇場は、急な斜面で有名です。観覧席の写真を見るだけで足がすくみそうになるほどの急な斜面は、実際にその場に立つと転がり落ちてしまう恐怖感を感じるほどです。高所恐怖症の方には、訪れるのに少し勇気がいるかもしれません。

それでもこの斜面に立って見える風景は圧巻です。目の前にはベルガマの豊かな田園風景と街並みが広がり、古代の人々の気分に思いをはせることができるでしょう。

観覧席は32段で出来ており、約1万人を収容できるように作られた大きな劇場です。「ローマ劇場」の一種ですが、他の半円形の劇場に比べ、左右の端の斜面の傾斜が激しく、観覧席は半円よりも扇形に近い形状です。

かつて公演が行われる際には、最下段部に木造の舞台が設置され、公演が終わるたびにその舞台は解体されていたそうです。北側に建つディオニソス宮殿への眺望を妨げない配慮のためでした。

名称 ペルガモン遺跡(Pergamon Ancient City)
住所 Hamzalısüleymaniye, 35700 Bergama/İzmir, Turkey
営業時間 8:00~19:00(冬は時間変更の可能性あり)
アクセス イズミール(Izmir)から北へ115km(バスで2時間)
公式サイト https://muze.gov.tr/muze-detay?sectionId=AKR01&distId=AKR
https://whc.unesco.org/en/list/1457/ (UNESCO)

世界遺産ペルガモン(ベルガマ)の古代遺跡とは?トルコの人気観光スポット紹介

ラオディキア遺跡 ~ 広大な敷地に残る多くの遺跡群

ラオディキア遺跡 円形劇場

古代都市ラオディキアは紀元前3世紀に作られ、ヘレニズム時代の紀元1世紀から5世紀にかけて黄金期となった古代都市です。当時のアナトリアの重要なメトロポリスで、川沿いに位置し、主要な道路の交わる場所であったため交易が盛んでした。初期東ローマ時代にはキリスト教の重要な中心地・巡礼地でもありました。

ラオディキア古代都市は約5平方kmの広さを持ち、トルコの古代遺跡の重要なものが多く存在します。アナトリアで最大の古代スタジアム、西と北の2つの劇場(このうち西のものが古代ラオディキア劇場)、4つの浴場施設、多数の教会、5つのアゴラ(集会広場)などが集まっています。

名称 ラオディキア(ラオデキヤ)古代都市(The ancient city of Laodicea (Laodikeia) )
住所 Goncalı, 20000 Merkez/Pamukkale/Denizli
営業時間 8時~18時45分(10月から3月は17時まで)
アクセス パムッカレより南へ約15km(パムッカレからデニズリ行きバスで10数分)
公式サイト https://denizli.ktb.gov.tr/EN-251394/laodikeia-ancient-city.html
https://whc.unesco.org/en/tentativelists/5823/ (UNESCO)

エフェソス古代遺跡:巨大な半円形劇場で有名な遺跡

エフェソス 円形劇場

エフェソス古代遺跡は、トルコ西部、エーゲ海沿岸のセルチュク郊外にある古代ローマ時代の遺跡です。古代のエフェソスは、紀元前11世紀頃から栄えた港湾都市で、2015年には世界遺産にも登録されました。遺跡の中には、世界三大図書館のひとつセルシウス(ケルスス)図書館、円形劇場、市場、アルテミス神殿、聖母マリアの家など、貴重な遺跡が多く残っています。

紀元前3世紀に建てられた円形劇場も他の円形劇場と同様に、古代ギリシャ時代に作られた後、何度か再建・拡張されました。現在目にできるのは古代ローマのヘレニズム期のものです。2万5,000人収容できる圧巻のスケールを誇る半円形の劇場で、66列もある観客席は大理石で出来ており、舞台も3階まであるというスケールの大きさです。

エフェソスの円形劇場は保存状態も良く、毎年、イズミル国際フェスティバルが行われる会場となっています。セルシウス図書館は知識などを象徴する4体の像(レプリカ)や、精緻な装飾を持ち、圧倒的な美しさで有名です。当時の蔵書数は1万冊を超え、有名なアレキサンドリアやペルガモンの図書館に匹敵する規模でした。豊穣の女神を祀るアルテミス神殿は、世界の七不思議の一つとされています。

名称 エフェス(エフェソス)遺跡(Efes(Ephesus) Harabeleri)
住所 Acarlar, Efes Harabeleri, 35920 Selcuk, İzmir, Turky
営業時間 (4~10月)8:00~19:00 (10~4月)8:30~18:00 (*施設により異なる)
アクセス セルチュク中心にあるオトガル(バスターミナル)からバスで約5分
公式サイト https://muze.gov.tr/muze-detay?DistId=EFS&SectionId=EFS01
https://whc.unesco.org/en/list/1018(UNESCO)

世界遺産エフェソスの歴史を徹底解説!ヘレニズムからローマ時代に栄えた謎多き古代都市

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アスペンドス遺跡:ほぼ完璧な保存状態の古代ローマ遺跡

アスペンドス 大劇場 アンタルヤ

アスペンドス遺跡は、地中海岸のリゾート地アンタルヤから東へ47kmに位置します。ヘレニズム様式の円形劇場は地中海岸から内陸に10km程度の丘にあり、丘の斜面を利用して観客席の一部が作られています。世界で最も保存状態の良い円形劇場のひとつで、当時の姿をほぼ完璧に残しています。音響効果に優れており、現在でも世界的に有名なイベント、アスペンドス国際オペラ・バレエ・フェスティバルの会場として利用されています。

直径95mの半円形の観客席や、高さ30mの舞台壁がほぼ完ぺきに残っているのは圧巻です。客席だけでなく、柱廊や壁なども残り、壁にはイオニア式とコリント式両方の装飾も残っています。まるで古代の遺跡を模して、近代に作られたのかとさえ思えるほどです。

アスペンドスの遺跡は、古代ローマ帝国の分裂後、大規模な地震により7世紀頃にはさびれてしまいます。その後13世紀になり、セルジューク朝トルコのスルタン、カイクバート1世がこの地を復元しました。カイクバート1世は、セルジューク朝式の美しいコバルトブルーのタイルを施し、夏の住居としていたそうです。セルジューク朝時代の手入れの恩恵で、現在まで当時の特徴をそのまま残しています。

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名称 アスペンドス遺跡(Aspendos Harabeleri)
住所 Sarıabalı, Aspendos Yolu, 07500 Serik, Antalya
営業時間 (4~10月)8:00~19:00 (11~3月)8:00~18:00
*砂糖祭り及び犠牲祭の初日は13:00より開館
アクセス アンタルヤから東へ約44km、キョプリュチャイ川の傍ベルクシュ村へ(アンタルヤからバスで30分)
公式サイト https://muze.gov.tr/muze-detay?SectionId=ASP01&DistId=ASP

テルメッソス遺跡:岩山奥の秘境の遺跡

テルメッソス遺跡 円形劇場

テルメッソス遺跡は、アンタルヤの北西30km、標高1,665mのギュルルック山の斜面にある台地に作られた古代都市です。手つかずの自然の中、岩山を奥深くまで歩いて遺跡へ到達します。この周囲は、遺跡の周囲を含めギュルルック山・テルメソス国立公園に指定されています。

円形劇場が作られた古代ギリシャ・ローマ時代のほとんどの遺跡は交通の便のよい場所にありますが、テルメッソス遺跡は訪れるのが容易でない谷の奥深くにあるのが特徴です。地元に詳しいガイドさんがいないと訪れるのが難しい場所ではありますが、トレッキングと遺跡見学が同時にでき、山歩きの好きな方なら他では経験できないツアーになるでしょう。

山歩きは大変ではありますが、街の喧騒を離れ、周囲から隔離された自然の中を歩くのは、古代の赴きを味わうには悪くありません。山の上の遺跡にたどり着くと、目の前には大きな岩山がそびえるすばらしい絶景で、この立地と眺めは「マチュピチュ」に比較されるほど。「天空の遺跡」「天空の劇場」と称されることもあります。

テルメッソス遺跡がこのような隔離された場所にあるのは、古代ギリシャ人たちがこの地に移住する前に居住していたピシティア人(ピシデス人)が、外来者からの防衛の地に選んだためと考えられています。奥まった場所にあるため、アレクサンダー大王も、古代ローマ帝国も、この地を攻めることを諦めたと言い伝えられています。結果、テルメッソス遺跡は戦争では破壊されませんでしたが、地震により崩壊してしまいました。

遺跡は石材も多く残っており保存状態は良いと言われますが、発掘や修復作業はほとんど進んでいないのは、観光地としては少し残念な点です。

テルメッソス遺跡一番の見どころである円形劇場跡は、2世紀頃のヘレニズム期に作られたローマ劇場で、上下合わせて24段、半円形の観客席を持ちます。大きなアーチ型の入口や、舞台の建物、豊かな装飾が施されたファサード(前庭)などが残されています。

また、この場所は標高1,150mの山の崖っぷちにあり、アンタルヤの街が眼下に広がります。遺跡の壁ひとつ隔てて、崖の下になるため、風が強い日には吹き飛ばされそうな恐怖感を感じることもあるそうです。円形劇場以外には、アルテミス神殿や浴場、円形劇場から100mほどの場所にあるオデオン座(小劇場)なども残っているため、併せて見学したい場所です。

名称 テルメッソス古代遺跡(Termessos Archaeological Site)
住所 Bayatbademleri, Güllük dağı, Termessos Milli Parkı
営業時間 8:00~20:00
アクセス アンタルヤから北西へ30km(アンタルヤから22kmのコルクテリにある入場ゲートを超えてさらに9km進む)
公式サイト https://muze.gov.tr/muze-detay?sectionId=TRM01&distId=TRM

クニドス遺跡:2つの海に面した美しい眺めの古代ギリシャ遺跡

Annahme der Existenz, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons

ダッチャ半島西端部に位置する古代都市クニドスは、ヘレニズム時代に栄えた古代ギリシャの遺跡です。紀元前900年頃、ドーリア人によるスパルタの植民地として建設され、ヘクサポリス(六都市連合)のひとつでした。紀元前5世紀頃に最も栄えた貿易都市で、北側のエーゲ海と南側の地中海が交わる美しい眺めの場所です。

古代には、芸術、数学、医学、建築、自然科学が発展した都市でした。当時のクニドスは現在のダッチャで、紀元前360年頃、現在の場所に拠点が移されました。現在でも、古代ギリシャ時代の考古学的遺跡を目にできる貴重な場所です。同時期に作られたエフェソス遺跡と似た外観に見えます。

2つの海に面した半円形の円形劇場にはコリント様式の柱が並びます。劇場はアフロディーテ神殿と共にあり、かつて史上初の裸体像と言われたアフロディーテ像が祀られていたことで有名です。

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また、かつてはディオニュソス神殿もありましたが、どちらの神殿も、現在はその台座のみが残されています。他には、円形劇場、ストア、教会、アゴラ、オデオン座などの遺跡も見られます。

現在のクニドス遺跡周辺はクリオ岬とトリオピオン島が地峡でつながっていますが、かつては船で渡っており、現在も多くの船が入ってくる港です。そのためクニドスへは、半島からの道と同時に、海から船で渡ることもできます。

海の目の前、丘の斜面にある円形劇場は、他の建物同様に石材が残る廃墟のような状態ですが、残存している円柱には柱の美しいレリーフが見られます。劇場の下の舞台で手を叩くと観客席までよく響き、古代の音響環境も再現できます。

観客席から目の前に広がる紺碧の海が非常に美しく、海水浴もできます。エーゲ海側はリゾート地のような海岸ではありませんが、古代の遺跡を前に、海底には沈む遺跡の壺なども見られ、手つかずの自然と遺跡を堪能できます。お土産物屋などもなくレストランが一軒あるのみですが、海の美しさと遺跡を純粋に楽しむことができますよ。

名称 クニドス古代遺跡(Knidos Archaeological Site)
住所 Yazı Köyü Tekirburun Mevkii, Datça
営業時間 8:30~19:00
アクセス ダッチャから西へ34.8 km(ツアーあり)、バスで約2時間弱/タクシーで約40分/海側からヨットでもアクセスできる(マルマリスから観光ボートあり)
公式サイト https://kvmgm.ktb.gov.tr/TR-103136/knidos-antik-tiyatrosu-sahneye-cikmak-icin-gun-sayiyor.html

ミレトス遺跡:古代ギリシャの文化都市に作られた遺跡

ミレトス遺跡 大劇場 トルコ

ミレトスは、アナトリア半島西海岸(現在のトルコ・アイドゥン県バラト近郊)のメンデレス川河口付近にあった港町で、古代ギリシア人による植民都市でした。メンデレス川の堆積によって湾が埋まっていったことで、現在では海岸から5km内陸に位置しています。

古代ギリシャ時代には、幾何学や科学で有名なタレスなどを含むミレトス学派を生んだ学術・文化都市で、その後紀元前200年にローマ帝国の領土になりました。アジア最大級の古代劇場や典型的なローマ浴場などがあり、遺跡観光も堪能できる土地で、その中でも最も見ごたえがあるのが円形劇場です。

紀元前300〜133年頃に建設されていったミレトス遺跡の中にあるミレトスの円形劇場は、紀元前300年から紀元2世紀後半まで、主に4回の改装を重ねて建設されていきます。中でも古代ローマ時代にはローマ式劇場に改造され、色とりどりの大理石でできた豪華な正面(scaenae frons)が作られ、建築や彫刻の装飾が豊かになっていきます。さらにオーケストラ部は剣闘士が戦う闘技場に改造されていきます。

円形劇場は、54段の観客席に15,000人を収容できる大きなものでした。観客席や、ロイヤルボックスの支柱などは良い状態に修復されていますが、劇場の上方に作られた城など、荒廃している部分もあります。

ミレトス遺跡には他にも多くの遺跡が残されていますが、そのうち議事堂は、円形劇場と同じように半円形の劇場風の造りになっています。かつては議事堂のホールに接した場所にアルテミスの祭壇があるなど、まさに劇場のような造りでした。

その他には、アポロン神殿、ディオニソス神殿、浴場、演武場、アゴラ、イオニア式柱廊(ストア)、大教会、市場の門など、多くの遺跡が残されています。また、セルジューク・トルコの領土であった1404年に建てられたイスラム教のモスクもあります。大理石造りで、こちらも見ごたえがありますよ。

ミレトス遺跡とは?歴史的背景や見どころ・ミトレス学派から生まれた偉人などを詳しく解説!

名称 ミレトス古代遺跡(Ancient site of Miletus)
住所 Balat, Hacılar Sk No:9, 09290 Didim/Aydın, Turkey
営業時間 8:30~19:00
アクセス クシャダスから南へ61km(タクシーで55分)
公式サイト https://turkishmuseums.com/museum/detail/1986-aydin-miletus-archeological-site/1986/4
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円形劇場で古代の息吹と音響を感じよう

競技場

現在のトルコの土地の歴史や観光名所の遺跡を振り返ると、古代ギリシャ・ローマ時代に大きな発展があったことが分かります。現在のギリシャの土地から、トルコの国土であるアナトリアの地域まで、古代ギリシャ・ローマの文化が浸透し、現在まで保存されています。

円形劇場は古代ギリシャ・ローマ時代に発展したものですが、その後長らく忘れられていたものの、近年、発掘・修復作業が進み現代のコンサート会場として利用されているものも増えてきました。

古代の息吹を感じる古代劇場で、当時のすばらしい音響をそのままに、生のコンサートやオペラを観覧できるフェスティバルも開催されています。トルコに旅行をする際は、大自然の中の遺跡と同時に、当時の空気を感じられる円形劇場での上演もぜひ味わってみてください。

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