ベリーダンスとは?基本の動きやダイエット効果、衣装、歴史を解説
更新日:2023.03.31
投稿日:2022.02.07
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艶やかなダンサーたちによるベリーダンスショーは、トルコでも人気のアクティビティの一つ。優雅な舞に魅了され、一度は生で見てみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、日本ではあまりなじみがないため、「そもそもどんな踊りなの?」と疑問に思う方もいるでしょう。実は、ベリーダンスは世界最古と呼ばれるほど歴史の深い踊りです。
今回は、そんなベリーダンスについて「どんな歴史があるの?」「どこで見られるの?」といった情報を紹介していきます。奥深いベリーダンスの世界を、少しだけのぞいてみましょう!
Contents
ベリーダンスとは
ベリーダンスは、エジプト発祥のダンスです。「ベリーダンス(Belly dance)」は英語名で、お腹を揺らしながら踊る特徴的な動きから「お腹(belly)の踊り」という意味で呼ばれるようになりました。本場エジプトでは「バラディ(国・故郷の意)」という名で親しまれています。
おもに中東・アラブ地域でメジャーなダンスですが、その美しさは多くの人を魅了し、世界中にダンサーがいます。そのためエリアごとにいくつか流派が存在し、それぞれで異なるダンスを楽しむことができます。
ベリーダンスの効果|女性の身体に効く!
ベリーダンスは、女性のダイエットに効果的とされています。ゆっくり見える動きでも実は運動量が多く、インナーマッスルが鍛えられるためです。気になるお腹や腰のラインも美しくシェイプアップできますよ。
ベリーダンスは外見を美しく保つだけでなく、健康面でも効果的といわれています。ベリーダンス特有の体の細かい動きは、日々の生活で固まった筋肉をほぐし、血行を改善してくれます。ベリーダンスを習っている人のなかには、腰痛や肩こりが改善した方も少なくありません。
加えて、胴体を回したりゆすったりする動きが多く、内蔵を刺激してくれるため、便秘解消にも効果的といわれています。
妊娠中の方や、産後の悩みへの効果も見逃せません。妊娠前後は、便秘や骨盤のゆがみ、尿漏れといった症状に悩まされる方も多いもの。下半身の血流を促進する効果があるベリーダンスを実践すると、こういった体のトラブルに対する改善も期待できます。
ベリーダンスのキホンの動き
ベリーダンスは、ゆったりとした動きが多いため簡単そうに見えますが、やってみると意外に難しいもの。まずは基本の動きを知り、ひとつずつ練習するのが大切です。ベースとなる動作を紹介します。
アンジュレーション
上半身の動きのひとつ。胴体を前方向にせり出し、回すように波打たせます。胸からお腹にかけて、前・上・後ろ・下と動かします。
スネークアームス
その名のとおり、ヘビが動くように腕を動かす動作です。両腕を床と並行に伸ばし、肩からひじ、指先の順に、波がたつように動かします。両腕を交互に使ってウェーブさせることで、美しく舞うような動作になります。
ヒップサークル
腰からお尻にかけて、床と並行方向に円を描くように回す動きです。円の大きさで強弱をつけることで動きにバリエーションが生まれます。
チェストサークル
胸を床と並行方向に回す動きです。床に対して角度をつけたり、上下に動かしたりと応用の動きもあります。
ヒップドロップ
お尻を上下に動かす動作です。両足を開き、どちらかを軸足にします。軸足でないほうの膝は軽く曲げてつま先立ちのような形にし、軸足で体重を支えましょう。この状態で足を曲げた方の腰を下に落とします。ベリーダンスのアクセントとして使われる動きです。
フィギュアエイト
骨盤を、おへそを中心にして8の字を描くように動かします。床と水平方向に動かすパターンと、垂直方向に動かすパターンの二種類があります。
ベリーダンスの歴史
~紀元前5世紀頃 | ベリーダンス発祥(詳細な年代は不明) |
---|---|
10世紀頃 | ジプシーによりインドから西方へ伝来 |
13世紀頃 | オスマン帝国のハレムにて定着・発展 |
1960年代 | アメリカ女性解放運動で注目され世界に広がる |
1980年代~現代 | 習い事やエンターテイメントとして定着し、日本でも普及 |
ベリーダンスの起源ベリーダンスの歴史は古く、口承によって伝わってきた部分も大きいため、厳密にはどこで発祥したのか定かではありません。紀元前5世紀のエジプトの壁画にベリーダンスを踊る女性の姿が描かれているので、かなり古くから存在していることがわかっています。
起源については諸説あります。
- 女神に捧げる巫女の踊りだった
- 豊穣祈願の舞だった
- 婚礼や出産の準備のためのものだった
などさまざまな説がありますが、いずれにせよ、生活に深く根ざしたものであったようです。
10世紀ごろになると、歌や踊りを生業とするジプシー(ロマ)たちにより、ベリーダンスはインドから西へと伝えられていきます。彼らが世界中を移動するなかでさまざまな踊り・文化の要素を取り入れ、現在のベリーダンスの原型ができたといわれています。
オスマン帝国でのベリーダンスの発展
13世紀末には現在のトルコの前身にあたるオスマン帝国が誕生し、600年以上に渡りその栄華を極めます。オスマン帝国には、スルタン(王)のために集められた女性たちが生活する場である「ハレム」がありました。ベリーダンスはハレムでの女性たちの教養であり、スルタンの寵愛を得るための、美しさを競う武器としてその技術が磨かれました。
ハレム(ハーレム)とは?知られざる意味とオスマン帝国宮廷の女性たちの生活
ベリーダンスは、女性解放運動をきっかけに現代化し、世界中に広まります。1960年代のアメリカの女性解放運動では、女性の魅力を強調するベリーダンスは社会的に評価され、脚光を浴びました。
世界に広がったベリーダンスは日本でも人気!
アメリカから世界へ広がったベリーダンスは、現代の日本でも愛されています。1980年代ごろから広がりを見せ、日本舞踊と融合して生まれた独自のスタイルもあります。現在でも、日本国内の教室の発表会や、トルコ料理店の一部でベリーダンスを見ることができます。
ベリーダンスのスタイル
ベリーダンスは、世界の国々をめぐりながら進化・発展してきた踊りです。そのためいくつかの異なる特徴を持つスタイルが存在します。
エジプシャンスタイル
エジプト発祥のスタイルで、ベリーダンスの正統派とも呼ばれる「オリエンタルスタイル」のひとつ。優雅でエレガントな動きが多く、細かな動作をベースとします。エジプトの民族舞踊の動きが取り入れられており、ソロで踊ることが多いです。
他のスタイルに比べてショーの時間が長いことが特徴で、ときには1時間以上に及ぶこともあります。音楽は打楽器が中心で、変化のある大音量の生演奏が好まれます。
ターキッシュスタイル
トルコ発祥のスタイルで、こちらもオリエンタルスタイルの一種です。ダイナミックな動きが魅力であり、床に寝転がる、ベールを大きく振るなど、大きなパフォーマンスもあります。
音楽は弦楽器が強く、高音を生かした美しい演奏が特徴です。
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ジプシースタイル
ジプシーの踊りが源流となったスタイルです。家事や生活にもとづく動きが多いのが特徴的で、8分の9拍子など、他にはない独特の音楽とともに楽しまれています。
打楽器がよく登場し、オリエンタルスタイルでおなじみのジルのほか、タンバリンに似たドフやレクなどを手に持ち、打ち鳴らしながら踊るのも特徴です。
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トライバルスタイル
アメリカ西海岸発祥で、女性の力強さを表現した振り付けが魅力です。同レベルのメンバーで作られた2人以上のグループでの即興が基本です。基本の動きはオリエンタルスタイルをベースとしていますが独特の動きも多く、難易度は高めといわれています。
音楽はオリエンタルスタイルをベースとしますが、アラブの伝統楽器を始めとしたさまざまな楽器が登場します。
フュージョンスタイル(トライバルフュージョン)
アメリカ発祥の現代的なスタイルです。トライバルスタイルの動きに、ジャズやヒップホップ、アフリカンなどなどさまざまなジャンルの動きを取り入れた独特のダンスです。
音楽も非常に多様であり、ヒップホップやラテン音楽、クラブミュージックなどさまざま。型にとらわれず多くの音楽で自由に楽しめるスタイルです。
美しく艶やかなベリーダンスの衣装
ベリーダンスの衣装も、スタイルによって違いがあります。
エジプシャン
エジプシャンスタイルの衣装は、優雅でエレガントなデザインが特徴です。透ける素材やビーズなど光物を多用し、女性らしさを強調した衣装となっています。靴は履かないのが一般的です。ベールやジル(指に装着して使う小型のシンバルのような打楽器)のほか、アサヤ(ダンス用のステッキ)など小物もよく登場します。
ターキッシュ
透ける布地にスパンコールやビーズをあしらうのはエジプシャンスタイルと共通ですが、ターキッシュスタイルはエジプシャンスタイルより露出が多いのが特徴です。衣装にスリットが入り、脚をすべて見せるセクシーなデザインのものも多く、ブラとベルトの分かれたセパレートタイプで袖のないものが一般的です。
裸足で踊ることもありますが、ハイヒールなど靴を履くこともあります。エジプシャンスタイルと同じくジルを使うほか、動きを大きく見せるためのベールも欠かせない小物です。
ジプシー
動きに合わせてふわりと広がる袖やロングスカート、フリンジなど、動きを魅せるデザインが特徴です。衣装は複数色使いの華やかなものが一般的。トップスはブラタイプより、袖付きのシャツタイプでお腹が露出する丈のものが好まれます。
トライバル
トライバルスタイルは、民族衣装を思わせる独特のデザインです。コインやタッセルなどの飾りを多用し、ボリュームのあるスカートを着用します。ターバンなど頭の衣装を着用することも。飾り物が多く華やかなのが特徴です。
小物としてダンス用のシミター(曲剣)が登場することがありますが、相応の大きさと重量があるためやや上級者向きです。
日本でベリーダンスの衣装を買うならココ!
日本でも、ベリーダンスの衣装を取り扱っているお店はあります。実店舗と通販で購入できるお店をいくつか紹介します。
【関東エリア】
店名 | エジプト屋ベリーダンス |
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住所 | 東京都新宿区四谷三栄町1 堀内ビル 2F |
公式サイト | http://egypt-ya.com/ |
店名 | ガラムガラム 八王子店 |
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住所 | 東京都八王子市明神町3丁目6−8 1F |
公式サイト | https://garam2.com/ |
【関西エリア】
店名 | 4M |
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住所 | 大阪府大阪市生野区新今里3丁目6−7 |
公式サイト | https://www.egypt-4m.com/ |
店名 | 衣装専門店 HARUI -ハルイ- |
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住所 | 兵庫県宝塚市小林5丁目5−32−106 |
公式サイト | https://store.shopping.yahoo.co.jp/harui |
【通販サイト】
店名 | 衣装専門店 HARUI -ハルイ- |
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公式サイト | https://store.shopping.yahoo.co.jp/harui |
店名 | ベリーダンス衣装専門店エリフ |
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公式サイト | https://www.elif.jp/ |
店名 | TOLCORE |
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公式サイト | https://www.tolcore.com/ |
トルコでベリーダンスに酔いしれよう
せっかくなら、本場トルコでベリーダンスを見たい!こんなときはどうすればよいのでしょうか。トルコでベリーダンスを見る方法と、注意点を紹介します。
トルコ旅行でベリーダンスを鑑賞する方法、費用、注意点
トルコ旅行でベリーダンスを鑑賞したいのであれば、ベリーダンスのショーが行程に組み込まれているツアーや旅行に申し込むのがもっとも簡単です。トルコ旅行を扱っている会社に問い合わせてみましょう。
ただし、ベリーダンスのショーの鑑賞はオプショナルツアー(別料金の現地ツアー)となっていることも多いため、あらかじめ料金を確認しておくことをおすすめします。
なお、トルコのイスタンブールやカッパドキアでは、夕食時に民族舞踊やベリーダンスのショーを見られるレストランも多いです。ツアーではなく個人で楽しみたい場合、こういったレストランを訪ねてみるのもよいでしょう。
【2022年最新】トルコ観光人気ランキング!スポット・食事・モデルコースを徹底紹介
ベリーダンスを鑑賞できるおすすめのお店
現地でベリーダンスを鑑賞したい方向けに、おいしい食事とベリーダンスを楽しめるお店を紹介します。
店名 | Sultana’s Istanbul Dinner and Belly Dancing |
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所在地 | 40-D Cumhuriyet Caddesi Elmadağ, Harbiyeイスタンブール |
公式WEBサイト | https://www.sultanas-nights.com/(海外サイトに移動します |
店名 | Hodjapasha Cultural Center |
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所在地 | Hoca Pasa Mh. Hocapasa Hamami Sokak No: 3/B Sirkeci イスタンブール |
公式WEBサイト | https://www.hodjapasha.com/(海外サイトに移動します) |
伝説のベリーダンサー
せっかくベリーダンスを見るのであれば、実力派ダンサーの見ごたえある踊りを楽しみたいもの。実は、ベリーダンス界にもレジェンドと呼ばれる人物がいて、その生徒だった人が世界中で活躍しています。
ここでは、ベリーダンス界の著名人を3名紹介します。教室選びやショーを鑑賞するときの参考にしてくださいね。
ネスリン・トプカプ
ベリーダンスの本場、トルコで大人気だったベリーダンサーです。トルコのマニサ出身で、ダンスは女優であった母から習いました。17歳でイギリスに渡り、ロンドンでもその名を知らしめています。
トルコでは大晦日の特番に毎年出演していたほどの国民的ダンサーで、近代のターキッシュスタイルの基礎を築いた大御所の一人です。現在はダンサーとしては引退していますが、振付師やインストラクターとして活動しています。
セマ・ユルドゥズ
トルコ、イスタンブール出身のベリーダンサーです。地元のジプシーたちとともに育ち、本場のベリーダンスを吸収しながらダンサーとして大成しました。
現在のターキッシュスタイルとジプシースタイルの大御所とも呼べるダンサーで、ベリーダンスを本格的にやっている人ならだれでも知っているほどの著名人です。
日本でも指導や公演を精力的に行っており、2016年にはダンサー活動50周年記念公演を行っています。世界中に生徒がおり、ベリーダンス界の第一線で活躍している人も少なくありません。
アフメット・オーレン
イスタンブール出身の男性ベリーダンサーです。アンタルヤを拠点にダンサーとして現役で活動しています。
ベリーダンスというと女性の踊りというイメージがありますが、彼のように活躍している男性ダンサーもいます。ベリーダンスの美しさと男性ならではの力強さが融合した踊りが持ち味です。
自身もダンサーとして現役で活動を続けるかたわら指導にも力を入れており、日本人の生徒も多いです。
ベリーダンスの本場の衣装を買えるお店
せっかくトルコに行くのであれば、本場の衣装を買って帰るのもおすすめです。習っている方はショーでも使えますし、現地での衣装選びは思い出に残ること間違いなし!本場の衣装店を紹介します。
店名 | Doğan Gök Costumes(ドーガンゴックコスチューム) |
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所在地 | Aksaray, İnkılap Cd. Oto İş Hanı 43/80, 34096 Fatih/İstanbul |
WEBサイト | http://www.dogancostumes.com/(海外サイトに移動します) |
店名 | Gülseren Giyim(グーセランギーム) |
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所在地 | Yağlıkçılar Cd. Çukur Han No: 63/11 Kapalıçarşı, 34126 Fatih/İstanbul |
WEBサイト | http://www.gulserengiyim.com/(海外サイトに移動します) |
日本でも、トルコでも、ベリーダンスを楽しもう
ベリーダンスは、紀元前から存在する歴史の長い踊りです。時を重ねるなかで多くのスタイルが生まれ、今なお世界中で愛されています。
日本もベリーダンス人口は多く、習い事としても人気です。衣装を取り扱っているお店やスクールもあちこちにありますので、興味があれば覗いてみるのも楽しいですよ。
本場のベリーダンスを見たい方は、旅行でトルコやエジプトに行ってみるのもおすすめです。トルコ旅行のツアーにはベリーダンスのショーが組み込まれているものもありますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
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