ピラフ(ピラウ)はトルコ料理だった!レシピからおすすめ料理まで大紹介
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.06.29
Views: 4309
世界三大米料理のひとつともいわれるピラフは、日本でもよく食べられているポピュラーな料理。じつはこのピラフ、トルコ料理だってことをご存じですか?トルコではピラウと呼ばれ、長い歴史を持つ伝統料理でもあるのです。今回は、ポピュラーで奥深いトルコのピラフ(ピラウ)について、作り方から料理の種類はもちろん、現地の名店やネットショップでの購入情報まで詳しく解説していきます。
Contents
ピラフ(ピラウ)は実はトルコ料理!
日本でもよく食べられる米料理「ピラフ」は、実はトルコ料理です。トルコ語ではピラフのことをピラウと呼び、トルコ人がアナトリアに移り住む前から食されてきました。トルコでは、長い歴史を持つ伝統料理でもあるのです。
日本ではメインの料理としていただくイメージのピラフですが、トルコでは付け合わせとして食すのが一般的。また、トルコではパンが主食なので、パンと一緒にピラフを食べるなんていうこともよくあります。
ちなみに、日本ではなじみがある洋食メニューのひとつ「トルコライス」はトルコ料理ではありません。
トルコライスは日本発祥!由来からおすすめ店、基本レシピまでご紹介
トルコのピラウが名前の由来という説もありますが、はっきりしたことはわかっていません。
家で簡単に作れる!トルコのピラフ(ピラウ)のレシピを伝授
ここでは、トルコのピラフのレシピをご紹介します。家で簡単に作れるので、トライしてみてくださいね。トルコでは、お米の粒がつぶれていなくてくっつかないというのが、良いピラウの基準だといわれます。ぜひ、このポイントに注意してふっくらおいしいトルコのピラウを作ってみてください。
【作り方】
- 洗った米を塩水に数分浸して水を切る
- 深めのフライパンや鍋でバターを1欠け溶かして①を入れる。具を入れる場合はここで加える
- 米が少し透明になるまで炒める
- ③の米が浸るくらいまで熱湯、またはチキンスープと塩を少々加える
- 蓋をして炊く
- 炊き上がったら20分ほど蒸らす
トルコのおすすめピラフ(ピラウ)料理
トルコの伝統的な米料理ピラウには、さまざまな種類があります。ここでは、トルコの代表的なピラウをご紹介していきます。
シンプルな「サーデ・ピラウ」
トルコ語で「サーデ」とはシンプルという意味。その名の通りシンプルなピラウです。バター風味で具材などは入っておらず、付け合わせとして出されることがほとんど。肉料理のソースとも相性が良いのが特徴です。
トルコの定番「シェフリエリ・ピラウ」
トルコでは定番のピラウで、料理の付け合せとして出されることがほとんど。「シェフリエ」とう小さなパスタと一緒にバターで炒めながら炊きあげます。
挽き割り小麦を使う「ブルグル・ピラウ」
ブルグルとは、挽き割り小麦のことで、トルコではお米のように使われていて、ピラウの材料にもなります。すりおろしたトマトやタマネギ、ピーマンなどの野菜類をみじん切りにしたものと一緒にトマトペーストなどを少し加え、炒めながら炊き上げます。こちらは、ケバブの付け合わせの定番です。
チキンのピラフ「ダブックル・ピラウ」
鶏肉を茹で、そのチキンストックでピラフを炊いたもの。茹でたチキンは裂いてお米と一緒に炊くか、炊きあがったピラウに添えるかして使います。
トルコ人に愛される、安くておいしいダブックル・ピラウは、専門の食堂がたくさんあります。また、人生の節目の日などに親や親戚とお祈りをする宗教的な集まり「メヴリト」でもこのピラウが振る舞われます。
肉の旨みが染みこむ「イチュ・ピラウ」
トルコ語で「イチュ」とは中身という意味。イチュ・ピラウは、小羊などの丸焼きを作るときに中身として入れるピラウです。お米にレバーの細切や刻んだタマネギ、小粒のレーズンやハーブ、シナモンなどを加えて炊き上げます。食べるときは、肉に中身のピラウを添えてサーブされます。
ピラフのパイ包み焼き「ペルデ・ピラウ」
トルコ語で「ペルデ」はカーテンという意味。ペルデ・ピラウは、小麦粉のパイ生地を容器に貼り付け、そこにピラウを入れて蓋をし、蒸し焼きにした料理。パイ生地がカーテンのように見えることから、この名前がついたのだとか。東方アナトリアの郷土料理でもあります。
アナトリアが小アジアと呼ばれる理由とは?歴史・文明・遺跡を紹介
カタクチイワシのピラフ「ハムシ・ピラウ」
トルコ語で「ハムシ」とはカタクチイワシのこと。ハムシは黒海地方でよくとれる魚で、ピチピチはねるその姿が民俗舞踊のモチーフにもなるほど。ハムシ・ピラフも黒海地方の郷土料理です。
黒海の魅力!トルコなど沿岸国のグルメや観光地、日本との関係は?
作り方は、まずタマネギや松の実を加えたお米をバターで炒め、ここに干しブドウや砂糖、乾燥ミントなどを混ぜて炊き上げます。次に、ハムシの骨を取り除き耐熱皿の上に並べ、その上に炊き上げたピラウをのせ、さらにその上にハムシを重ね、オーブンで焼きます。
一見生臭そうに思えますが、ハムシの旨みがお米に染みて絶品。お好みで、レモンやハーブなどを添えてもおいしいですよ。魚を食べ慣れている日本人の口に合う、優しい味わいなのでせひトルコで食べてみてくださいね。
業務スーパーやネットショップでトルコのピラフ(ピラウ)は買える?
業務スーパーやネットショップで、トルコのピラウが購入できるかどうか探してみたところ、2022年6月現在、業務スーパーで「ブルグル・ピラウ」のレトルト食品が販売されていました。しかしながら、それ以外の主なネットショップでトルコのピラウそのものが販売されているところは見つかりませんでした。
それでも、トルコのピラウを日本で食べたいという方は、家で手作りしてみてはいかがでしょうか。トルコで米と同じように使用している粗挽き小麦の「ブルグル」はカルディやアマゾン、楽天などのネットショップで販売されていましたので、購入してプルグル・ピラウにトライしてみるのもおすすめです。
ブルグルピラフ/業務スーパー
トルコ直輸入のブルグル・ピラウのレトルト食品。電子レンジで温めたり、フライパンで炒めたりするだけで、本格的なブルグル・ピラウが味わえます。
https://www.gyomusuper.jp/item/detail.php?go_id=4756
丸粒ブルグル/カルディ コーヒーファーム
デュラム小麦100%の挽き割り小麦。炊飯器で炊いたり、ピラウにしたりとお米と同じようなアレンジができるので便利。ブルグル・ピラウを作るのに欠かせない材料です。
https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/8691440305606?sFlg=2
トルコでピラフ(ピラウ)を食べるなら?おすすめ店をご紹介
安くておいしい庶民の味、ピラウはトルコ国民が愛する定番料理のひとつです。町角には、立ち食いでササッと食べられる屋台がたくさんありますが、ここでは観光客でも利用しやすい有名店をご紹介します。イスタンブールに旅行に行かれた際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
Tarihi Unkapani Pilavcisi
トルコの庶民料理の代表格、鶏肉で作る「ダブックル・ピラウ」がおいしいピラウ専門店で、トルコでは誰もが知っているという有名店。トルコ国内だけでなく、海外にも支店があります。
店舗名 | Tarihi Unkapani Pilavcisi(タリーヒ・ウンカパニ・ピラウジシ) |
---|---|
住所 | Sinanpaşa, Hasfırın Cd. No:4 D:B, 34353 Beşiktaş/İstanbul, トルコ |
公式サイト | http://tarihiunkapanipilavcisi.com/ |
Baruthane Pilavcisi
さまざまなトルコのピラウがオーダーできるピラウ専門店。イスタンブールでは、シシュリとベシクタクに支店がある。
店舗名 | Baruthane Pilavcisi(バルトゥハーネ・ピラウジシ) |
---|---|
住所 | Feriköy, Baruthane Cd. 51/B, 34377 Şişli/İstanbul, トルコ |
公式サイト | http://www.baruthanepilavcisi.com/ |
知ればもっとおいしい!トルコのピラフ(ピラウ)の歴史と文化
トルコでピラウと呼ばれるピラフは、長い歴史を持つトルコの伝統料理です。また、トルコはピラフの材料になる米や小麦の優良な産地でもあります。ここでは、そんなトルコのピラウの歴史や文化について解説していきます。知れば知るほど、ピラウが食べたくなる!
ピラウに欠かせないトルコの米「ピリンチ」
トルコ語で米は「ピリンチ」と呼ばれています。ピリンチは日本の米にも似ている丸いモチモチした米で、マルマラ地方や黒海地方、エーゲ海地方などで作られています。また、日本のお米と同じくピリンチにも品種があり、トルコで最も消費されているのはバルドという品種です。
トルコ料理は世界三大料理!ケバブなど定番有名メニューを徹底紹介
オスマン帝国でのピラウの振る舞い方
ピラウは、トルコ人がアナトリアに移り住む前から食されていたという長い歴史を持つ料理です。オスマン帝国のスルタンの慶事の祝宴で、重臣たちにピラウが振る舞われていたという記録も残っていて、宮殿料理の中でも儀式的な性質をもつ料理だったようです。また、食事の〆を意味する料理でもあったようで、デザートまで終えたあとの食事の最後にピラウが出されていたようです。
現在のように、さまざまな種類のピラウが食べられるようになったのは16世紀以降。種類豊富なピラウを用意することで、饗宴の料理の豊かさを表していたともいわれています。文化歴史学者のマリアンナ・イェラスイモスの『オスマン帝国料理』という著書の中でも、18世紀には無水ピラウや魚入りピラウなどの変わったピラウがあったと述べられています。
オスマン帝国はなぜ600年以上も続いたのか?栄光と滅亡の歴史と強さの秘密
世界無形文化遺産の米料理「ケシケキ」
トルコには、ユネスコの世界無形文化遺産になった米料理があります。宗教行事や祝日、結婚などの特別な日に食べる「ケシケキ」という伝統料理で、ヤルマという硬い麦や肉、タマネギなどを牛乳で一晩に込んで作る、おかゆのような米料理です。
ケシケキは、親族や近所の人が一緒に協力して作る料理で、共同作業をすることで地域のつながりを強めるツールにもなっています。トルコ政府では、このケシケキの文化を保存するために、ケシケキの習熟過程の設定や関連工芸品の生産推奨、ケシケキ・マイスターの人間国宝への登録などの取り組みを行っています。
トルコ料理のピラフ(ピラウ)を味わおう!
今回はピラフについて紹介してきました。日本でもよく食されるピラフは実はトルコ料理で、トルコではピラウと呼ばれる歴史ある料理のひとつです。現在でもトルコ人が日常で食している料理で、種類もさまざまありおもしろい!紹介したレシピを参考に、ぜひ家で作ってトルコに思いをはせてくださいね。
現地のピラウの名店情報も紹介していますので、次のトルコ旅行では本場のピラウ味わってみてはいかがでしょうか。
関連記事
更新日:2023.04.05
Views: 3492
更新日:2023.04.05
Views: 1437
更新日:2023.04.05
Views: 1287
更新日:2023.02.28
Views: 1152
更新日:2023.02.28
Views: 5284
更新日:2023.04.05
Views: 3071