世界が愛する万能野菜・トマトの魅力は?健康効果から絶品レシピまで
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.10.28
Views: 1438
トマトは、日本はもちろんトルコやフランス、イタリアなど世界中で愛される野菜です。生でも加熱してもおいしく、栄養価が高いトマトは歴史も深く、品種やブランドも多彩。知れば知るほど好きになるのも納得の万能野菜です。この記事では、食卓のレベルをグッと上げるトマトについての知識と、トマトを使ったトルコ料理の絶品レシピを紹介します。
Contents
トマトとは?栄養価から特徴、歴史まで
トマトが登場する有名なことわざに「トマトが赤くなると医者が青くなる」というものがあります。トマトは、食べれば医者いらずとされるほど栄養たっぷりで、健康維持に役立つ食品です。
さらに歴史も古く生産国も幅広いなど、知れば知るほど奥が深い食材です。ここでは、栄養価や特徴、歴史などトマトの基礎知識をお伝えします。
トマトの栄養価と健康への効果や効能
トマトに含まれる名高い栄養素といえば「リコピン」。リコピンは抗酸化作用が高い色素「カロテノイド」の一つです。トマトのリコピンはカロテノイドのなかでも強力で、活性酸素を抑えてくれる働きがあります。
また、食事の最初にトマトを食べると満足感があるので、食べ過ぎを抑えられ、ダイエットにも役立つでしょう。
リコピンは「油と一緒に摂る」「加熱して摂る」ことでより吸収率が良くなります。特に朝に摂取するのがおすすめ。オムレツにケチャップをかけたり、サンドイッチに焼きトマトを挟んだりすると、朝食で効率よくリコピンを摂れますね。
そのほかトマトはβ-カロテンや、ビタミンCなどの抗酸化成分も豊富です。β-カロテンは体に入ると必要なだけビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。ビタミンCは人が体内で合成できないビタミンなので、定期的に摂取する必要があります。朝からトマトを食べれば、体にしっかりビタミンCを補給できますよ。
トマトの特徴や旬
トマトはナス科ナス属の緑黄色野菜。つまりナスの仲間です。日本では一年草とされますが本来は多年生植物で、熱帯地方では何年も実がつきます。
ナス科の野菜であるためかトマトとナスは相性が良く、世界にはこの二つを合わせた料理がたくさんあります。トルコ料理では「お坊さんの気絶」を意味する定番料理「パトゥルジャン・イマム・バユルドゥ」があり、これはナスにトマトなどの具材を詰めたもの。ギリシャ料理の「ムサカ」やフランス料理の「ラタトゥイユ」もナスとトマトを合わせた人気料理です。
夏野菜のイメージが強いトマトですが、本当の旬は春から初夏と秋。トマトは夏の高温多湿が苦手です。日本では10月10日が「トマトの日」とされているので、この頃がおいしいと覚えるといいですね。
ちなみに10月10日を「トマトの日」としたのは、一般社団法人全国トマト工業会。「ト(10)マト(10)」の語呂合わせにちなみ、「トマト料理の普及と、トマトが人々の健康増進に役立つこと」を目的として2005年に制定されたそうですよ。
参照:全国トマト工業会概要/全国トマト工業会について:一般社団法人 全国トマト工業会
トマトの名前の由来
トマトの語源は、メキシコ先住民族の古い言語「ナワトル語」の「tomatl(トマトゥル)」だとされています。これは「膨らむ果実」という意味で、もとはホオズキの実を指す言葉でした。そのホオズキにトマトが似ていることから、同じ呼び名がついたそうです。
現在のメキシコの共通語であるスペイン語では、緑のトマトを「tomate(トマテ)」、赤いトマトを「jitomate(ヒトマテ)」と呼びます。語源のナワトル語の影響がしっかり残っていますね。この「tomate」が英語の「tomato」になりました。
トルコ語でトマトは「domates(ドマテス)」と呼ばれます。古くは、トマトのような野菜が「kavata(カヴァタ)」と呼ばれていたこともあったとか……。歴史の深いトマトは、さまざまな呼び名の変化を経て現在に至っているようです。
トマトの歴史
トマトの原産地は南米のペルー・エクアドルで、アンデス山脈の高原地帯に原種があったとされています。原種の実はいまのミニトマトのように小粒で、大きくても直径2cm程度だったとか。その後、トマトの原種は北へ分布を広げ、10世紀の初めにはメキシコで作物として栽培され始めました。
トマトがヨーロッパに伝わったのは、スペイン軍がメキシコを征服したことがきっかけ。1523年頃には、スペイン人によりヨーロッパへとトマトが持ち込まれたそうです。しかし、毒性植物に似ていたことから「毒がある」と思われ、当初は観賞用として扱われていました。
日本にトマトが伝わったのは江戸時代初期の17世紀頃で、ヨーロッパから中国を経由し長崎に伝来したとされています。その頃トマトは「唐柿(とうがき)」と呼ばれ、観賞用や薬用として扱われました。
トマトが食用になったのは18世紀以降、イタリア人が飢饉のときにやむを得ず食べたことが始まりだそうです。その後19世紀にはヨーロッパ各地に広く食物として普及し、現在に至ります。
トマトの主な生産国や生産地
2020年のデータでは世界のトマト生産国第1位は中国で、生産量は6,400万トン以上となっています。生産量第2位はインドで約2,000万トン、第3位はトルコで約1,300万トンです。トマトの生育は日照量が多く雨が少なく、昼夜の温度差がある気候が適しています。主な生産国には、そういった気候の地域が多いのかもしれませんね。
参考:FAOSTAT
日本国内のトマト生産量第1位は熊本県で、全国のおよそ19%を占めています。生産量第2位は北海道、第3位は愛知県です。熊本県は地形が多彩であること、北海道は冷涼な気候であることが安定した生産量につながっています。
トマトの主な種類や品種、ブランドまで
スーパーの野菜売り場では、いろいろな形や色のトマトが売られていますよね!トマトの品種は驚くほど多く、味わいにもそれぞれ違いがあります。トマトの分類や特徴を知っておくと、自分好みのトマトが選べますよ。ここでは、トマトの主な品種や人気のブランドを紹介します。
トマトの種類や品種
トマトの品種は日本で登録されているものだけで300種以上、なんと世界では1万種以上のトマトがあります。これは原種のトマトが世界に広まるにつれ、その土地の需要に合わせて品種改良が繰り返されてきたからです。
日本のトマトも生食用・調理用合わせてさまざまな品種やブランドがあります。ちょっと選ぶのが大変に感じますが、日本のトマトはおおむね「大きさ(重さ)」3種類、「色」3種類に分類できるのでわかりやすいです。
重さの分類は、ひと玉約100g以上のものが「大玉トマト」、約30~60gのものが「中玉トマト(ミディトマト)」、約10~30gのものが「ミニトマト」となります。
色は、皮が透明なため色が薄く見える「桃色系」、皮が厚く赤い「赤色系」、黄色やオレンジなどの「その他」という分類です。桃色系トマトは甘くて臭みが少なく、生で食べることが多い品種。赤色系トマトは酸味・甘み・香りが強く、多くの場合加工用に使われます。
また品種にかかわらず、糖度が8度以上になるよう栽培したトマトを「フルーツトマト」と呼びます。8度以上は苺と同じくらいの糖度なので、とても甘くて人気のあるトマトです。
また、剥いたみかんのような凸凹があるイタリア発祥「フィオレンティーノ」や、赤と黄色のまだら模様が綺麗な「スペックルド・ロマン」など、海外品種も個性的で魅力的なトマトがたくさんあります。こういった分類を知っておくと、好みに合わせたトマトを楽しく選びやすくなりますよ。
トマトの有名ブランド
野菜売り場でよく見かけるトマトの有名ブランドを紹介します。
大玉トマトの有名ブランドといえば「桃太郎」です。桃太郎は傷みにくく、肉厚で糖度とアミノ酸含有量が高い桃色系トマトです。1985年に発表されてからも品種改良が繰り返され、30品種以上もの桃太郎系トマトが誕生しています。なかでも注目なのは珍しいオレンジ色の「桃太郎ゴールド」です。リコピンより吸収率の良い「シスリコピン」を含み、高機能性とおいしさを両立しています。
中玉トマトでは静岡県農業試験場で開発された、糖度の高い「アメーラ」が有名。アメーラは外国語ではなく、静岡弁で「甘いでしょ」という意味だそうです。与える水の量を抑えることで、トマトの甘み・旨み・酸味がギュッと濃縮されています。
また、糖度が高く果肉が滑らかな中玉トマト「フルティカ」も人気があります。実が破れにくいので育てやすく、家庭菜園にもおすすめです。
ミニトマトで近年注目されているのは、細長い楕円形が特徴の「アイコ」です。赤色、黄色、オレンジ色などがあり、甘みと旨みが強いのが特徴。そのままでも、加熱調理してもおいしく食べられます。
トマト栽培のポイント
夏野菜の代表格であるトマト。日本の気候では1年で枯れてしまいますが、一般的にトマトの栽培難易度は低く、家庭菜園向けの野菜でもあります。特にミニトマトは初心者向けで、小学2年生が授業で育てることも多い野菜です。
トマトは庭への地植えや、日当たりが良ければベランダでも室内でも育てられます。ガーデニング初心者には、ポットや培養土、肥料がセットになった栽培キットも人気です。
トマトを地植えするメリットは、基本的に水やりがいらず、たくさん収穫できること。雨除けをし、連作障害に気を付けるのがポイントです。鉢やプランターで栽培するメリットは、日当たりの良い場所に移動でき、毎年土を替えれば連作障害や病害虫の心配が少ないこと。夏は土の温度が上がりすぎないよう気を付けましょう。地植えでも鉢やプランター栽培でも、完熟してから収穫するのがおすすめです。
トマトの選び方・保存方法・食べ方
トマトを食べると、たまに酸っぱかったり青臭く感じたりしますよね。売り場でのトマト選びや保存方法のポイントを押さえれば、いつもおいしいトマトを食べられます。ここでは、トマトの選び方や保存方法、栄養効率を上げるおすすめの食べ方を紹介します。
おいしいトマトの選び方
野菜売り場で見てほしい「おいしいトマト」のサインは、色や艶がピカピカしていて実がパンと張っており、デコボコしておらず、斑点や傷のないものです。張りや色艶の良さは、しっかり成長して熟しているしるしです。デコボコが少なく丸いのは、果肉がギュッと詰まっているサインです。
斑点や傷のあるものは、水分が抜け気味なことがあるので避けましょう。
また、トマトのヘタが枯れずにピンとしていて、綺麗な緑色であることもポイントで、新鮮なトマトである証拠です。ヘタが枯れているトマトは、鮮度が落ちている可能性があります。
追熟から冷凍までトマトの保存方法
もしまだ青っぽいトマトを買ってしまっても大丈夫。トマトは家庭でも追熟できるので、ポリ袋や食品保存袋に入れて常温の場所に置けば赤くなります。
赤く熟したトマトを長くおいしいまま保存したいなら、トマト同士がくっつかないようにキッチンペーパーなどで包んでポリ袋や食品保存袋に入れ、ヘタ側を下にして冷蔵保存しましょう。
トマトは10℃前後での保存が適しており、2~5℃の冷蔵室では傷みやすいので野菜室に入れてください。また、トマトには野菜や果物の成熟を進める「エチレンガス」が含まれるため、ほかの食材を傷めることがあります。エチレンガスが漏れないよう、トマトを入れた袋はしっかり密閉しましょう。
トマトをすぐ使わないなら、冷凍するとおいしさや栄養を損なわずに約一カ月間保存できます。丸ごと保存する場合はヘタを包丁でえぐってからラップで包み、冷凍可能な食品保存袋に入れて冷凍してください。料理で使いやすいよう刻んでから冷凍してもOKです。
冷凍したトマトは、解凍せずそのまま料理に使えます。冷凍すると細胞組織が壊れるのでトマトの旨みが濃くなり、料理の味も馴染みやすくなりますよ。丸ごと冷凍したトマトは水に浸けるだけで皮が剥けるので、湯むきの手間を省けます。
おすすめのトマトの食べ方
抗酸化成分「リコピン」を効果的に摂取するためにトマトに合わせる油としておすすめなのが、オリーブオイルです。オリーブオイルにもビタミンEなどの抗酸化成分が豊富に含まれており、トマトのリコピンとの相乗効果を期待できます。
また、トマトとオリーブオイルを一緒に摂ると、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やし、中性脂肪の増加防止に役立つという研究結果もあります。
トマトとオリーブオイルを使った加熱料理といえば、トマトソースや焼きトマトがあります。近年流行しているトマト鍋にオリーブオイルをかけて食べるのもおすすめですよ。
トマトとトルコ料理
トマトを豊富に使う料理といえば、イタリア料理やスペイン料理を思いつく方も多いかもしれませんが、トルコ料理も忘れてはいけません。トマト生産量世界第3位のトルコでは、トマトは料理に欠かせないほど身近な食材です。ここでは、トマトを使うおすすめのトルコ料理を紹介します。
トマトを使った代表的なトルコ料理とは
トルコ料理に欠かせないトマトメニューといえば「サルチャ」です。サルチャはトマトと塩を混ぜて発酵させたトマトペーストで、日本でいう味噌のような存在です。サルチャの用途は多く、煮込み料理やケバブなどあらゆる料理にコク出しとして使われます。
トルコの西海岸「イズミール」の名物料理「イズミル・キョフテ」もトマトを使う代表的なメニュー。「キョフテ」とはハンバーグや肉団子のような料理です。イズミル・キョフテはキョフテやトマト、その他の野菜にサルチャのソースをかけオーブンで焼いたもので、トマトがたっぷり使われています。
「ドマテス・ドルマ」はその名の通りトマト(ドマテス)が主役の定番料理です。「ドルマ」とは詰め物料理のこと。ドマテス・ドルマはトマトをくりぬいて肉やお米などの詰め物をし、煮込んだ料理です。肉を詰めたものは温めて、お米を詰めたものは冷たくして食べるのが一般的です。トマトのジューシーさとコクが引き立つ、一度は食べてほしい逸品です。
トルコ料理は世界三大料理!ケバブなど定番有名メニューを徹底紹介
トルコ産トマトの特徴
トルコのトマトの旬は7月から9月。夏になると、さまざまな色や大きさのトマトが市場に並びます。トルコの家庭では旬のうちに何十kgもトマトを買い、冬用の作り置きとしてソース作りに励む習慣があります。トルコのトマトは酸味と甘みのバランスが良く、さらっとしている品種が多いのでソースやペーストなどの加工品に向いています。
トルコのトマトのうち30%は加工用に生産されており、特にトマトペーストはトルコの農産物加工品のなかでも主力の食品です。トマトペーストの日本への輸出量は非常に多く、大手食品メーカーのトマトペーストにもトルコ産トマトのものがあります。トルコ料理を作るときはトルコ産のトマトペーストを使うと、より本場の味を楽しめておすすめです。
トマトを使ったおすすめレシピ
トマトの健康成分を摂るためには、毎日トマトを食べたいもの。ですが、いつも似たメニューでは飽きてしまいますよね。ここでは、トマトを使ったトルコ料理の簡単レシピを紹介します。サラダやご飯もの、野菜料理やメイン料理などバリエーション豊かで、飽きずにトマトを食べられますよ。
トマトとヨーグルトのペンネのレシピ
ヨーグルトをかけたパスタのレシピです。さっぱりしたヨーグルトソースで、ひと味違った味わいを楽しめます。
【材料】(2人分)
- ペンネ 160g
- 塩 適量
- パセリ(みじん切り) チリパウダー 適量
ヨーグルトソース
- 無糖ヨーグルト 100g
- おろしにんにく 少々
トマトソース
- トマト(ホール)水煮缶 400g
- 玉ねぎ(みじん切り) 1/2個
- オリーブオイル 大さじ1
- 砂糖 大さじ1/2
- 塩 こしょう 適量
【作り方】
- 無糖ヨーグルトにおろしにんにくを加えて混ぜ、ソースにする
- フライパンにオリーブオイルを熱して玉ねぎと塩ひとつまみを入れ、しんなりするまで炒める
- ホールトマトをつぶしながら加え、砂糖も加えてトロっとするまで煮詰める
- 塩、こしょうで味を調える
- 鍋に湯を沸かして塩を入れ、ペンネを袋の表示どおり茹でる
- 茹で上がったら温めたトマトソースと和え、器に入れてヨーグルトソースをかける
- パセリを散らし、好みでチリパウダーを振って完成
トルコの定番トマトサラダのレシピ
トルコ料理はもちろん、イタリアンなどの洋風料理にも合う、トマトを使った簡単サラダを紹介します。
羊飼いのサラダ
【材料】(2~3人分)
- トマト 2個
- きゅうり 2本
- ピーマン 2個
- 玉ねぎ 1/4個
- レモン汁 1/4個分
- エクストラバージンオリーブオイル 適量
- 塩 適量
- パセリ(みじん切り) 適量
【作り方】
- トマト、きゅうり、ピーマンは1cm程度のさいの目に切る
- 玉ねぎは粗みじん切りにする
- 切った野菜をボウルに入れて塩で味を調え、レモン汁とエクストラバージンオリーブオイルで和える
- 器に盛ってパセリを振る
白いんげん豆とトマトのサラダ
【材料】(2人分)
- 乾燥白いんげん豆 100g
- トマト 1個
- 卵 1個
- 玉ねぎ(みじん切り) 1/2個
- レモン汁 1/4個分
- 塩 2つまみ
- こしょう 適量
- エクストラバージンオリーブオイル 大さじ2
- パセリ(みじん切り) 適量
【作り方】
- 乾燥白いんげん豆はたっぷりの水に一晩浸ける
- 【1】の白いんげん豆の水を切って新しい水と一緒に鍋に入れ、やわらかくなるまで茹でてから冷ます
- トマトは湯剥きしてざく切り、卵は固茹で卵にしてざく切りする
- みじん切りにした玉ねぎは水にさらして水気を切る
- ボウルに汁を切った白いんげん豆、トマト、玉ねぎを入れ軽く和える
- 別の器にレモン汁、塩、こしょうを入れて混ぜ、エクストラバージンオリーブオイルを加えながら混ぜてドレッシングを作る
- 【5】のボウルにドレッシングを入れて和え、ゆで卵を入れて優しく和える
- 器に盛ってパセリを散らす
トマトサラダはバリエーション豊富!定番レシピから世界のレシピまで一挙紹介
トマトペースト「サルチャ」のレシピ
サルチャはトルコ料理に欠かせない発酵トマトペースト。コク出しとして煮込み料理や炒め物などいろいろなメニューに使えます。サルチャ作りのポイントはしっかり煮詰めることです。辛みを加えたい場合は唐辛子を少量入れてください。
【材料】(作りやすい分量)
- トマト(フルーツトマトなど糖度の高いもの) 1kg
- 塩 小さじ1
- 一味唐辛子 少々
【作り方】
- トマトはざく切りにし、塩(辛くしたい場合は一味唐辛子も)を入れて混ぜる
- 1日常温の場所に置く
- ミキサー(フードプロセッサーでも)にかけてピューレ状にする
- 鍋に入れて弱火で煮詰め、水分が飛んでペースト状になったら完成
参考:トマトサルチャ レシピ コウ ケンテツさん|【みんなのきょうの料理】おいしいレシピや献立を探そう
トマト入りトルコライス「ピラフ」のレシピ
ピラフは、パエリア、リゾットと並ぶ「世界三大米料理」のひとつです。トルコのピラフには、細いパスタの入ったものや松の実の入ったものなどいろいろな種類があります。
ピラフ(ピラウ)はトルコ料理だった!レシピからおすすめ料理まで大紹介
ここでは、さっぱりと食べやすいトマトのピラフを紹介します。
【材料】(4人分※料理の付け合わせの量)
- 米 1カップ
- トマト 1個
- バター 90g
- サルチャ(あれば) 大さじ1
- 塩 小さじ1(サルチャを入れる場合は少し減らす)
- こしょう 小さじ2
- 乾燥バジル(タイムでも) 適量
【作り方】
- トマトは粗みじんに切っておく
- 米は洗って浸水させ、水を切る
- 鍋を熱してバターを溶かし、米を入れて粘りが出るまで炒める
- トマト(と、あればサルチャ)を入れてさっと炒め、こしょうと乾燥バジルを加える
- 米が透き通ってきたらひたひたの水と塩を入れ、蓋をして弱めの火加減で約15分炊く
参考:トマトのピラフ ★トマトの酸味がきいてて肉料理によく合います。 | 日本・トルコ協会 | The Japan-Turkey Society
トルコのシャクシュカの簡単レシピ
「シャクシュカ」はトマトソースに卵を割り入れたイスラエル料理で、トルコなどの周辺国でもアレンジされ、親しまれています。トルコのシャクシュカは、素揚げした野菜にトマトソースをかけたシンプルなもの。
シャクシュカの簡単レシピ!イスラエル以外の各国の作り方も紹介
ここでは「トルコ版ラタトゥイユ」ともいえるトルコのシャクシュカレシピを紹介します。
【材料】(2~3人分)
素揚げ用野菜
- にんじん 1/2本
- じゃがいも 1個
- ナス 1本
- ズッキーニ 1/2~1本
- 揚げ油 適量
トマトソース
- トマト 400g
- 玉ねぎ 1個
- ししとう 1~2本
- にんにく 1片
- オリーブオイル 適量
- 塩 こしょう 適量
- チリペッパー(カイエンペッパーでも) 少々
【作り方】
- 素揚げ用野菜を1cm程度の角切りにし、やわらかくなるまで揚げる
- トマトソース用のトマトは湯剥きして角切りにする
- 玉ねぎとししとうをみじん切りにし、にんにくは薄切りにする
- フライパンにオリーブオイルを入れてにんにくを焦がさないように炒め、香りが出てきたら玉ねぎを炒め、ししとうも加えて炒める
- トマトを加えてソース状になるまで煮込む
- 塩、こしょう、チリペッパーで味を調える
- 器に素揚げした野菜を入れ、トマトソースをかける
ナスとトマトのトルコ料理のレシピ
「トマトの特徴や旬」でもお伝えしましたが、ナスとトマトは本当に相性抜群。トルコにもナスにトマトなどの具材を詰めた「パトゥルジャン・イマム・バユルドゥ」、ひき肉とナスやトマトを合わせて焼く「ムサカ」など、ナスとトマトの料理がたくさんあります。
ムサカはギリシャやトルコの人気料理!レシピや国ごとの違い、食べ方
ここでは、家庭でも簡単にできるトルコ風ムサカのレシピを紹介します。
【材料】(2~3人分)
- ひき肉 150g
- ナス 2本
- トマト 2個
- 玉ねぎ(みじん切り) 1個
- 黄パプリカ 1/2個
- ししとう 4~5本
- にんにく(みじん切り) 1片
- クミンシード 小さじ1/2~1(好みで)
- トマトペースト(あればサルチャ) 大さじ5
- オリーブオイル 大さじ2
- 塩 小さじ1程度(サルチャを使う場合は減らす)
- こしょう 少々
- 水 100ml
【作り方】
- ナスは輪切りにしてあく抜きし、水気を拭く。ししとうは数カ所穴をあける
- ナスとししとうを素揚げする
- トマトは5個をざく切りし、残りはくし切りにする。黄パプリカもざく切りする
- フライパンにオリーブオイルを引き、にんにくとクミンシードを炒め、玉ねぎも加えて炒める
- ひき肉を加え、油が透明になるまでよく炒める
- トマトペーストを加えて軽く炒め、黄パプリカ、ざく切りのトマト、ナスを加え、水を入れてナスがトロトロになるまで煮る
- 塩こしょうで味を調える
- 耐熱容器に入れてくし切りのトマトと素揚げしたししとうを上に並べ、200℃に熱したオーブンで肉の表面がこんがりするまで焼く
インゲンとトマトのトルコ料理のレシピ
ここで紹介する「ターゼファスリエ」は、インゲンとトマトを合わせたトルコの伝統料理。インゲンとトマトをオリーブオイルでやわらかく煮込んだ食べやすいメニューです。冷たくして食べてもおいしいので、常備菜にもおすすめですよ。
【材料】(2人分)
- インゲン 1パック(100g程度)
- トマト 1/2個
- 玉ねぎ(粗みじん切り) 1/2個
- にんにく(粗みじん切り) 1片
- オリーブオイル 50ml
- 水 100ml
- 塩 適量
【作り方】
- インゲンの筋を取り、食べやすい大きさに切る
- トマトはざく切りにする
- フライパンにオリーブオイルを熱してにんにくと玉ねぎを炒め、しんなりしたらインゲンとトマトを加えて軽く炒める
- 水と塩を加えて蓋をし、時々かき混ぜながら、中火でインゲンがやわらかくなるまで煮る
カリフラワーとトマトのトルコ料理のレシピ
トルコ風「カリフラワーのトマト煮込み」は、トマトのコクが馴染んだホロホロのカリフラワーを味わう料理。淡泊なカリフラワーがビックリするほどおいしくなるので、「カリフラワーが少し苦手」という人にこそ食べてほしい料理です。
参考:カリフラワーの煮込み | 日本・トルコ協会 | The Japan-Turkey Society
【材料】(2~3人分)
- カリフラワー 1/2個
- 玉ねぎ(みじん切り) 1/2個
- にんにく(みじん切り) 1/2片
- オリーブオイル 大さじ2
- トマトペースト(あればサルチャ) 小さじ2
- 塩 こしょう 適量
- 水 適量
- イタリアンパセリ 適量
【作り方】
- カリフラワーは食べやすい大きさに分ける
- 鍋にオリーブオイルを引き、にんにくと玉ねぎを炒める
- トマトペーストを加えて軽く炒め、カリフラワーを加えて全体を混ぜる
- カリフラワーの頭が少し出る程度の水を加え、やわらかくなるまで煮る
- 塩、こしょうで味を調え、器に盛ってイタリアンパセリを飾る
トマトソースや缶、ジュースを使ったおすすめレシピ
手軽にトマトを使うトルコ料理を楽しむなら、市販のトマトジュースやトマト缶などの活用がおすすめ。ここでは市販のトマト加工品を使った簡単レシピを紹介します。
簡単レシピを本場風の味にするなら、トルコの発酵トマトペースト「サルチャ」を使うのがコツ。サルチャは手作りもできますし、Amazonなどの通販サイトで入手することも可能。ぜひ料理の幅を広げる調味料として活用してください。
トマトジュースで作るトマトスープのレシピ
ここで紹介する「ドマテスチョルバ」はトルコ風本格トマトスープ。トルコでは手軽な朝食としてパンとスープをとることが多いですが、程よい酸味で目が覚めるドマテスチョルバは人気のメニューです。食べるときにチーズを入れるとコクと食べ応えがアップします。
【材料】(3~4人分)
- トマトジュース 190ml(ひと缶)
- 玉ねぎ(みじん切り) 1/2個
- オリーブオイル 100ml
- 小麦粉 大さじ5
- トマトペースト(あればサルチャ) 大さじ1
- 牛乳 300ml
- 水 200~300ml
- 塩 こしょう 適量
- 一味唐辛子 適量
【作り方】
- 玉ねぎに塩を加え、オリーブオイルを引いた鍋で強火で炒める
- 小麦粉を振り入れて手早く炒め、牛乳を少しずつ入れて伸ばす
- トマトペースト、トマトジュースを入れ、適量の水を加えて軽く煮る
- 塩、こしょうと好みで一味唐辛子を加えて味を調える
- 口当たりをなめらかにしたいときはざるで漉す
トマトスープは栄養満点のヘルシー食!おすすめの調理法やレシピを紹介
トマトソースを使った絶品レシピ
ナスにトマトなどの具材を詰めた「パトゥルジャン・イマム・バユルドゥ」は直訳すると「お坊さんの気絶」。お坊さんが気絶するほどおいしい料理といわれています。ここでは、トマトの水煮缶を使って手軽に作るレシピを紹介します。
【材料】(2人前)
- ナス 4本
- 玉ねぎ(薄切り) 1/4個
- ししとう 3本
- にんにく(薄切り) 1片
- ホールトマト水煮缶 100g
- オリーブオイル 大さじ2
- 鶏ガラスープ 50ml
- 塩 2~3つまみ
- こしょう 少々
- 砂糖 2つまみ
- パセリ 適量
【作り方】
- ナスは縞目に皮を剝いて縦に一本深めの切れ目を入れ、塩を振って出てきた水分を拭く
- ししとうの種を除き、ざく切りにする
- フライパンにオリーブオイルを引いてにんにくと玉ねぎを炒め、透き通ったらホールトマトをつぶしながら加え、塩、こしょう、砂糖を入れて炒め合わせる
- 温めた鶏ガラスープとししとうを加え、ナスを入れて蓋をし、ナスがやわらかくなるまで蒸し煮する。途中で水分が足りなくなればお湯を足す
- ナスを器に取り出し、それぞれの切れ目にフライパンの具材を詰める
- パセリを散らす
参考:気絶するほどおいしい!?ナスのトマトソース挟み|お役立ち よかよーごはん|マルっと!|KTNテレビ長崎
トマト缶を使った温かい煮込みレシピ
キョフテはトルコ風ハンバーグや肉団子のようなメニューで、丸めて焼く、串にさして焼くなど食べ方もさまざまです。
「キョフテ」はスパイスが癖になるトルコ風ハンバーグ!レシピやおすすめのお店を紹介
ここでは、キョフテを野菜と一緒にトマト缶で煮込む、温かいメニューを紹介します。冬のおもてなしレシピとしてもおすすめですよ。
【材料】(5~6人分)
キョフテ
- 牛ひき肉 500g
- 玉ねぎ(すりおろす) 1個
- おろしにんにく 小さじ1
- 卵 1個
- イタリアンパセリ(みじん切り) 5本程度
- オリーブオイル 小さじ1
- クミンパウダー 小さじ1
- パン粉 大さじ2
- 塩 小さじ1
- こしょう 小さじ1
煮込み用材料
- ナス 3本
- ピーマン 2個
- ホールトマト水煮缶 400g
- 砂糖 大さじ1/2
- オリーブオイル 適量
- 塩 こしょう 少々
【作り方】
- キョフテを作る。キョフテの材料すべてをボウルに入れ、粘りが出るまでよくこねてラップをし、冷蔵庫で30分程度寝かせる
- タネを直径3cm程度の大きさに丸め、1cm程度の厚みのミニハンバーグ状につぶして成形する
- ナスは輪切りにしてあく抜きし、水気を拭いて両面をオリーブオイルで軽く焼いておく。ピーマンはひと口大に切る
- 鍋にオリーブオイルを熱し、キョフテのタネを両面焼く
- ホールトマトをつぶしながら加え、ナスとピーマン、砂糖を入れて15~20分程度煮込む。水分が足りなくなれば適宜お湯を加える
トマトをよりおいしく食べよう
トルコ料理はもちろん、世界の料理に欠かせないトマト。抗酸化作用が高く歴史が深く、いろいろな料理に使える素晴らしい野菜ですよね。トマトを上手に選んだり、好みの品種を見つけたりすれば、よりおいしく食べられるでしょう。
トルコ料理でも、トマトは野菜料理にコクを加え、肉料理のくさみを消してくれる万能ぶりなので、ぜひ積極的に使ってくださいね。世界が愛する万能食材のトマトで、食卓をより豊かにしていきましょう。
【参考文献】
トマトまるごと まるわかり!:農林水産省:農林水産省
トルコ料理大全(誠文堂新光社)
トルコ料理の誘惑(現代企画室)
おいしくできる!トマト(NHK出版)
関連記事
更新日:2023.04.05
Views: 3493
更新日:2023.04.05
Views: 1287
更新日:2023.02.28
Views: 1152
更新日:2023.02.28
Views: 5284
更新日:2023.04.05
Views: 3071
更新日:2023.04.05
Views: 2595