トランジットとは?トランスファーとの違いや荷物や入国など乗り継ぎを紹介
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.06.29
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海外へ旅行するとき、飛行機が航路途中の空港に降り立つことがあります。これは、トランジットやトランスファーなどと呼ばれますが、トランジットとトランスファーは意味の異なる言葉です。
この記事では、トランジットについての解説やトランスファーなどとの違い、またトランジット、トランスファーの際の手続き・空港での過ごし方などを紹介します。
Contents
トランジットとは
トランジットとは、海外へのフライトで目的地の空港に着陸する前に、航路途中の中継空港でいったん着陸することを指します。トランジットの目的は燃料や食料の補充、もしくは乗務員の入れ替えなどです。
この間、乗客はおよそ1時間前後空港で待機し、準備が整い次第同じ飛行機に乗って再度フライトすることになります。
トランジットが行われるのは、フライトが長距離の場合です。ただし、途中で着陸する空港での滞在時間は比較的短く、乗客はしばらくの間空港で待機し、すぐに飛行機に乗り込むのが一般的です。また、トランジットの目的によってはそのまま飛行機内で待機することもあります。
いったん降機するときは、トランジットカードの発行を受けてから、基本的にはトランジットルームで待機します。ここで待機すれば出発のアナウンスを受けて、スムーズに行動できます。
また、降機する前の待機の方法が飛行機内で案内されることもあるので、きちんとアナウンスを聞いておくことが大切です。
トランスファーとの違い
トランスファーは、トランジットと同義に扱われることも多いのですが、実際には目的が乗り継ぎ、乗り換えである場合を指します。つまり、飛行機の都合によるものではなく、乗客が航路の関係で目的地までに異なる飛行機を利用する必要がある場合に使われるのが、トランスファーという言葉です。
トランスファーは、航空会社が同じかどうかは問わず、乗り継ぎ・乗り換えそのものを指します。なので、飛行機から乗り継ぎターミナルへ電車・バスを使って移動するなどの場合にも、トランスファーと呼ばれることがあります。日本でも電車の中などで英語のアナウンスを聴いていると、「トランスファー」の言葉が使われていますよね。
トランスファーでは、いったん中継空港で降りた後に、入国・出国審査を再度受け直して乗り継ぎをするパターンも多くあります。また、航空券も別で必要となることもあるので、日本から出発する前にしっかり確認しておきましょう。
ストップオーバーとは
一方、トランジットやトランスファーと並べて用いられる言葉に、ストップオーバーがあります。ストップオーバーとは、中継空港に着陸した際に24時間前後の長時間滞在をすることです。しかしながら、24時間を越えない場合でもストップオーバーと呼ばれることもあるので、定義はあいまいといえるでしょう。
旅程の出発地と最終目的地の間の任意の地点で 24 時間未満のストップオーバーをしてから乗り継ぎ便に搭乗することを「トランスファー」といいます。
TURKISH AIRLINESより引用
ストップオーバーでは、基本的に中継空港での滞在時間が長いので、その間に現地で観光して旅を満喫したり、ホテルに宿泊して身体を休めたりといった時間の使い方ができます。
ただし、ストップオーバーの場合でも航空会社によって追加料金が発生するなど対応が違うことがあるので、確認することが大切です。
ちなみに、レイオーバーもよく使われる言葉ですが、レイオーバーとは中継空港で別の機材に乗り換えることです。このときの荷物は次の機材に移動してもらえるので、搭乗者が運ぶ必要はありません。
いずれのケースでも予約が完了した時点で、ストップオーバーやレイオーバーがあるのか、旅行の工程表で確認しておきましょう。
乗り継ぎを「トランジット」と一律で表現することが多い
これまで説明したような、中継空港での滞在・乗り継ぎ・乗り換えは似た部分が多いので、これらをまとめて「トランジット」と呼ぶケースがほとんどです。つまり、トランジットやトランスファーなどの言葉の使い分けがないので、長時間のフライトを利用する際には注意が必要です。
もともと、トランジットとは「通過」を意味する言葉なので、この条件に当てはめるとトランジットもトランスファーも、またそこに含まれるストップオーバーもほぼ同じ意味と取ることができるのです。
乗り継ぎに必要な英単語を覚えておこう!
乗り継ぎに関して用いられる単語には、以下のようなものがあります。だいたいどの空港でも使われる言葉なので、覚えておくと便利です。
<乗り継ぎ>
英語 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
Flight Connection | フライトコネクション | 乗り継ぎ=transfer |
Domestic Transfer | ドメスティックトランスファー | 国内線への乗り継ぎ |
International Transfer | インターナショナルトランスファー | 国際線への乗り継ぎ |
Transfer Desk | トランスファーデスク | 乗り継ぎ手続きカウンター |
Transit Visa | トランジットビザ | 経由地で一時的に入国するために発行される査証 |
Transit Area | トランジットエリア | 乗り継ぎ客が経由空港で入国せずに滞在できるエリア |
Transit Lounge | トランジットラウンジ | 乗り継ぎ客用の待合室 |
<その他>
英語 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
Immigration | イミグレーション | 入国審査 |
Departure Time | ディパーチャータイム | 出発時刻 |
Boarding Gate | ボーディングゲート | 搭乗口 |
Baggage Claim | バゲージクレーム | 荷物受け取り |
Security Check | セキュリティーチェック | 手荷物検査 |
トランジットの手続き
トランジットとトランスファーの区別はあいまいではあるものの、ここでは短時間滞在かつ、同じ機材に乗るトランジットの手続きを紹介します。
トランジットの場合は、中継空港から同じ飛行機に搭乗するので、入国や出国の手続きはありません。あくまで飛行機内での燃料や食料補充、乗務員の引き継ぎだけが目的の短時間の滞在なので、特に手続きは発生しないのです。
ただし、いったん降機するときにはトランジットカードを必ず受け取るようにしてください。航空券と同様の扱いになるので、なくしてしまうと飛行機に再搭乗できない恐れがあります。
トランジットのときの荷物の注意点
トランジットでは、同じ飛行機に乗ることから、荷物はそのまま飛行機に預けられています。なので、中継空港でいったん荷物を受け取る必要もなく、ロストバゲージ(預けた荷物の紛失)の心配もほぼないといえるでしょう。
ただ、いったん降機して同じ飛行機に搭乗するといっても、機内に貴重品をそのまま置いておくのは危険です。なので、手荷物は必ず持って出るようにしましょう。また、機内清掃を行う場合は、座席周りの貴重品以外の荷物は上に設置されている荷物入れにしまっておきます。
その他、降機するときに受け取るトランジットカードは、なくさないように必ず手元の荷物に入れておいてください。パスポートや貴重品と同じ扱いで持っておくようにしましょう。
トランスファーの手続き
24時間未満で別の飛行機に乗り換える、トランスファーの流れや注意点を紹介します。
日本から目的地までの直行便がなく、目的地と同じ国の中継空港に降り立つ場合、中継空港内の「Domestic Transfer」(ドメスティックトランスファー)の表記に従い、ターミナルまで進みます。
目的地の空港と中継空港が違う国の場合は、「International Transfer」(インターナショナルトランスファー)の表記に従ってターミナルまで進んでください。
トランスファーの入国手続き
ターミナルの前には、海外からの乗客のための入国審査があり、そこを通過してターミナルで乗り継ぎ機を待ちます。
トランスファーの入国審査では、国によってトランスファービザが必要になることがあります。トランスファービザが必要な場合は、事前に取得しておかなければなりません。
そして、目的地と中継空港が別の国である場合は、いったん中継空港で入国審査を受け、乗り継ぎの際に出国審査を受けるケースもあります。
また基本的なことですが、中継する2機の飛行機の予約にも注意してください。同じ航空会社もしくは提携会社の飛行機に乗り継ぐ場合は、予約の時点で2機とも座席の予約ができることが多いのですが、別の航空会社への乗り継ぎの場合は、それぞれの飛行機に座席の予約が必要です。
つまり、どちらかの座席が確保できない場合は、乗り継ぎができないことになるので、注意しましょう。
トランスファーのときの荷物の注意点
トランスファーのときの荷物は、同じ航空会社の飛行機である場合はそのまま次の飛行機に引き継がれることがほとんどです。しかしながら、国際線で乗り継ぎを行う場合、中継空港でいったん荷物を引き取り、再び検査を受けて預けるケースも見られます。
ここで注意したいのは、飛行機からの荷物の積み替えミスなどのヒューマンエラーで、ロストバゲージが起きやすいことです。日本で飛行機に乗る際には、目的地までの「Baggage Claim」タグを荷物に付けられます。このタグに目的地の記載があり、本来は乗り継ぎ時点で荷物の引き渡しが行われるとしても、受け取りレーンで荷物が流れてこないケースがよく見られます。
ロストバゲージに遭遇した場合は、空港の「Baggage Lost」(バゲージロスト)カウンターで、航空券と「Baggage Claim」(バゲージクレーム)タグの半券をスタッフに見せて報告します。このとき、紛失証明書に必要事項を記入して提出すれば、荷物が追跡されほとんどの場合は戻ってきます。
多くの場合は、ロストバゲージから2日以内に見つかり、空港か滞在先の宿泊地で荷物を受け取ることができます。万が一荷物が戻ってこない場合は、海外旅行保険で保険金の給付を受けられます。
とはいえ、すぐに使用するものや2日分程度の着替えなどは、あらかじめ手荷物の中に入れておくのがいいでしょう。
トランジット、トランスファーのときの空港での過ごし方
トランジットやトランスファーのとき、時間に余裕がある場合の空港や現地で過ごす方法について紹介します。
空港内の免税店でショッピング
中継空港内で、免税店のショッピングを楽しんでみましょう。免税店には多くの商品が並んでいて、現地でしか売られていないものもたくさんあります。免税店は見て回るだけでも楽しいので、お土産選びにも役立ってくれるはず。
ただし、免税店で購入したものは手荷物として機内に持ち込むことになるので、持ち込み禁止になっているものは事前に確認して、購入は控えるようにしてください。
観光を楽しむ
トランスファーのときなどは、中継空港での滞在時間が長いため、いったん入国審査を受けて現地に出向き、観光をするのもおすすめです。降機から再搭乗までの手続きの時間を考えると、中継空港の滞在時間がおよそ5~6時間程度あれば、近くの観光地を巡ることは十分可能ですよ。なお、国際線のチェックインは「出発の2時間前まで」が基本なので、時間には余裕を持って行動しましょう。
乗り継ぎ時間でツアーに参加できることも
航空会社によっては、乗り継ぎ時間を見越して観光ツアーを実施していることもあります。例えば、ターキッシュエアラインズでは、日本からトルコまでの中継空港であるイスタンブール空港で6時間から24時間程度滞在する場合に、無料で観光ツアーを提供しています。イスタンブール空港の国際線ターミナルで申込みができるので、利用するといいでしょう。史跡や美味しいレストランへ案内してもらえるため、ぜひ時間を有効活用してくださいね。
ターキッシュエアラインズの評判は?荷物の取扱い・機内食・マイルについて
シャワー室やトランジットルームを利用する
中継空港では、くつろぐためのシャワー室や待機用のトランジットルームが設置されています。長旅による時差が発生しているので、空き時間を利用してリラックスし、目的地到着後のためにコンディションを整えておきましょう。
乗り継ぎに失敗してしまったら
機材や航空会社に責任がある場合
飛行機にうまく乗り継げなかった原因には、例えば飛行機の機材トラブルや到着の遅延などが考えられます。このような場合でも、乗り継ぎする飛行機の出発時間を遅らせることはできません。
こうしたケースは、航空会社に責任が生じます。空港内の「Transfer Desk」(トランスファーデスク)に申し出れば、飛行機の振り替え手続き、もしくは現地でのホテル手配などを行ってくれます。ただし、乗り継ぎ予定の飛行機が別の航空会社の場合、必ずしも補償が受けられるわけではないため、事前によく確認しておくことをおすすめします。
搭乗者に責任がある場合
自分自身が搭乗時間に遅れてしまった場合にも、「Transfer Desk」(トランスファーデスク)に申し出を行います。運が良ければ振り替え便の手配をしてもらえることもありますが、もしできなかった場合はもう一度航空券を購入して、別の飛行機に乗り換えることになります。
また、帰りの航空券が使えなくなるケースもあり、痛い出費となってしまうでしょう。そのため、時間に余裕を持って行動することが大切です。自分自身が乗り遅れたときには、旅行会社にも連絡を入れておきましょう。旅行会社の方から、乗り継ぎの方法をアドバイスしてくれることもあります。同じ航空会社の飛行機が手配できず、他の航空会社の飛行機を利用する場合は、補償の対象外となることが多いので、事前に旅行会社に確認しておくのが無難です。
国内線へと乗り継ぐには
例えばターキッシュエアラインズを利用して、トルコのカッパドキアに行く場合、イスタンブール空港が中継空港となります。カッパドキアとイスタンブールは同じトルコ国内のため、到着後は国内線へ乗り継ぎます。
国内線への乗り継ぎの方法は、「トランスファーの手続き」の項目で説明した手順と同じ方法です。イスタンブール空港で「Domestic Transfer」(ドメスティックトランスファー)の表示に従ってターミナルまで進み、手前で入国審査を受けてから、カッパドキア空港行きの飛行機に乗り継ぎます。
イメージとして日本国内で例えると、国外から札幌まで行きたいときに、いったん成田空港を中継空港として、そこから新千歳空港へトランスファーする感じです。
トルコ国内での移動のとき、荷物はイスタンブール空港で税関検査を通らなければならないこともあるので、荷物の管理はしっかり行うようにします。
なお復路でカッパドキアから日本の空港に戻るときは、イスタンブール空港で「International Transfer」(インターナショナルトランスファー)の表示に従って進み、出国審査を受けてから乗り継ぎの飛行機に搭乗します。
トルコのイスタンブール空港、乗り継ぎからホテル、お土産まで全解説
トランジットも旅の思い出!
トランジットやトランスファーを行う場合には、自分が目的とするルートをしっかり覚えておき、入国審査のカウンターにまっすぐ向かうようにしましょう。さっきまで同じ飛行機に乗っていた人でも、トランジットやトランスファーをする人の目的地は異なる場合も多いため、安易に人の流れに乗ってついていくことはNGです。
トランジットやトランスファーの手順をよく覚えておけば、現地での観光ができることもあり、楽しい旅の思い出となるでしょう。現地で慌てて残念な思い出にならないように、事前にしっかり準備しておくことをおすすめします。
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