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トロイアの木馬とは?マルウェアの由来になった珍作戦の全貌と神話の真実

更新日:2023.04.05

投稿日:2022.10.14

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トロイの木馬 チャナッカレ トルコ

「トロイアの木馬(トロイの木馬)」といえば、現代ではコンピュータに害を与える不正プログラムをイメージする方が多いかもしれません。

この名称の由来になっているのは、紀元前の古代ギリシア時代に起こったとされるトロイア戦争で使われた巨大な木馬を使った伝説の作戦です。しかし、トロイアの木馬の名前を聞いたことはあっても、詳しい内容までは知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、トロイア戦争やトロイアの木馬とはどのようなものであったかを詳しく解説していきます。

トロイアの木馬とは?

トロイアの木馬

トロイアの木馬は、古代ギリシアで発生したトロイア戦争で、難攻不落だったトロイアの城塞を破り、膠着状態に陥っていた戦況を打破するため、ギリシア軍の智将オデュッセウスが考案した作戦とそれに用いられた装置です。

巨大木馬の内部に隠した兵士を敵に気づかれず城へ侵入させたギリシア軍は、内部からの手引きにより、トロイア城砦を陥落させて戦争に勝利をおさめました。

この有名な逸話から転じて、現在では、砦など安全な場所にいる標的が自ら敵を内部に招き入れてしまうような策略やトリックなどを意味する言葉としても使われています。

現代では、一見すると無害または有益そうなソフトウェアやアプリケーションを装い、ユーザーに気づかれないようコンピュータ内部に侵入するマルウェアの名前としても有名です。

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トロイアの木馬のサイズ

トロイの木馬

大勢の兵士が隠れていたとされる木馬ですが、実際にはどれくらいのサイズだったのでしょうか。トロイア戦争自体、もともとは神話だと考えられていたくらいなので、トロイアの木馬に関して、明確な大きさの記録は残されていません。

しかし伝承によると、木馬にはギリシア軍の精鋭約40~50人が乗り込んだとされており、内部には相当広い空間が必要だったと考えられます。

また、トロイア王国があったとされるトロイ遺跡から発掘された最も大きな門のサイズから推測すると、木馬の幅は3メートル。さらに、神話ではその大きさから城内に入れるために門の上の壁を壊さなければならなかったとされているため、高さは7.6mにもおよぶと推測されています。

トロイアの木馬が描かれた作品

トロイア戦争

トロイア戦争を描いた作品として有名なのは古代ギリシアの詩人ホメロスの叙事詩『イリアス』ですが、実はイリアスは10年におよんだとされるトロイア戦争のうち10年目の約50日間しか描かれておらず、トロイア陥落前に物語が終わるため木馬は登場しません。

トロイアの陥落およびトロイアの木馬に関して語られるのは、ホメロス以外の人物が書いたといわれる『小イリアス』および『イリオスの陥落』です。この2つはどちらも正確な作者はわかっていません。

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さらに、トロイアの木馬について今日最もよく知られている物語は、古代ギリシアからしばらく経ったローマ時代の詩人ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』に書かれているものです。

『アエネーイス』は、『イリアス』や『オデュッセイア』などギリシア時代の作品に大きな影響を受けており、『小イリアス』と『イリオスの陥落』を参考に、トロイア側の視点から戦争の結末が語られており、そのなかに木馬の伝説も登場します。

なぜトロイアの木馬が作られたのか?

トロイアの木馬のトロイア戦争での活躍や果たした役割などは有名です。しかし、なぜこのような巨大な木馬が建造され、どう使われたかなど、細かい点についてはよく知らない方も多いかもしれません。戦争の概要やトロイアの木馬とはどのような作戦だったのかを解説します。

トロイア戦争の始まり

トロイ 戦争 絵画

トロイア戦争は、紀元前13世紀頃、現在のトルコ北西部に存在していたトロイア王国と都市国家ミケーネを中心とするギリシア遠征軍との間で起こったとされる戦争です。

この戦争は、オリンポスの最高神ゼウスによる、増加した人類を削減するために大きな戦争を起こすという計略だったとされます。

戦争の原因とするべく選ばれたのは、トロイアの王子パリスでした。ゼウスは女神3人をパリスのもとへ連れていき、最も美しいのは誰かを選ばせます。そのうちの1人、アフロディーテを選んだパリスに対し、彼女は見返りとして、スパルタ王メネラーオスの妻ヘレネーが彼に恋するよう仕向けました。

パリスは王が不在の間にスパルタを訪れ、王妃をトロイアへ連れ帰ります。激怒したスパルタ王は、妻を取り戻すため、ギリシア連合軍を結成し、トロイア王国へと攻め込みました。

ミケーネの王アガメムノンを総指揮官とするギリシア遠征軍は、1200隻におよぶ大艦隊にで、兵力は総数13万ともいわれます。戦いには、オリンポスの神々もギリシア、トロイアそれぞれに分かれて参戦しました。

エーゲ海を越えてトロイアへと攻め入ったギリシア軍ですが、堅牢な城砦をもつトロイアは大軍勢の攻撃にも屈せず、戦いは10年におよぶ膠着状態に陥ります。

長期化する戦争に、ギリシア軍では食糧や軍資金の不足が問題となりました。さらに、兵士たちも帰郷への望みが強くなっていき、なかには、上官への不満から反乱を起こす者も出てきます。こうした状況から、ギリシア軍では現状を打開するための新たな作戦が求められていました。

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トロイア陥落の切り札として木馬作戦が考案される

トロイアの木馬

膠着した戦況を打破し、城塞を陥落させる切り札として考え出されたのがトロイアの木馬です。

木馬作戦の提案者は、ギリシアの知将オデュッセウス。その内容は、巨大木馬を作って中に精鋭の兵士たちを潜ませ、トロイア兵が戦利品として城内へ運び込むのを見計らい、内部から味方を引き入れさせるというものです。奇想天外なこの作戦は、一説にはオデュッセウスが夢の中で預言を受けたとされます。

巨大木馬は、戦と知恵の女神アテーナーの助言を受けて、ギリシアの武将エペイオスを中心に3日間で完成させました。建造に使用する大量の木材は艦隊の船を解体したものといわれます。

木馬の内部にオデュッセウスをはじめ30~50人の精鋭ギリシア兵らが乗り込むと、残りのギリシア軍は野営地を焼き払って撤退。敵に怪しまれないよう、木馬には「無事祖国に帰れるよう女神アテーナーに木馬を捧げる」と刻まれ、オデュッセウスのいとこであるシノン1人が置き去りにされたふりをしてその場に残りました。

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なぜトロイア軍は騙されたのか?

トロイアの木馬

一方、トロイア軍はギリシア軍がいなくなったのを見て、敵が撤退していったと歓喜しました。そして、シノンの「木馬は帰路の無事を祈るための女神アテーナーへの捧げもの」という言葉を信じ、まんまと城内に木馬を運び入れてしまいます。

女神アテーナーはゼウスが連れてきた3人の女神の1人ですが、パリスから選ばれず、戦争ではギリシア軍の味方をしていました。しかし、もともとトロイア人はアテーナーを信奉しており、木馬は城塞内のアテーナー神殿へと捧げられます。

トロイア側にも、これがギリシア軍の罠ではないかと疑う者がいて、なかでも神官であったラオコーンは木馬を持ち帰るのに反対し、槍を投げつけようとしました。しかし、ギリシアの味方であった海と地震の神ポセイドンによって召喚された2匹の大蛇に食われてしまいます(この話には、蛇に食われる以前にアテーナーに両目をつぶされた、蛇を呼んだのはアテーナーまたはアポロンなど諸説あります)。

また、未来予知の力をもつトロイアの王女カッサンドラも疑義を唱えたものの、彼女は太陽神アポロンの愛を拒絶したために誰も彼女の言葉を相手にしないという呪いを受けており、従う者はありませんでした。

木馬作戦によってトロイアが陥落

トロイの陥落 トロイア戦争

木馬を運び入れたトロイア軍は、勝利を祝う宴会を開き、やがて酔いつぶれてみな眠り込んでしまいました。兵士らが寝静まったのを見計らい、ギリシア兵は木馬から出てくると、門番を倒して城門を開け放ち、近くに待機していたギリシア軍を呼び込みます。

ギリシア軍は城内へ押し寄せると、眠っているトロイア兵を次々に倒していったのです。トロイアの城と街は一晩で焼き尽くされ、戦争はギリシアの勝利に終わりました。

ちなみに、木馬作戦で活躍したギリシア軍のオデュッセウスは故郷に帰る旅に出て20年の歳月を費やし、その様子はホメロスの『オデュッセイア』に描かれています。

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また、ウェルギリウスの『アエネーイス』の主人公であるトロイア軍の武将アイネイアースは、陥落する城から脱出するとイタリア半島へと逃れて、ローマ建国の祖になったといわれています。

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トロイアの木馬は本当は「馬」ではなかった?

トロイ博物館 トルコ

ギリシャ神話の神々も登場するトロイア戦争は長らく伝説と考えられ、本当に存在したとは思われていませんでした。しかし現在では、1870年にドイツ人考古学者シュリーマンが発掘したトロイ遺跡やヒッタイトの文献などにより、ある程度は史実であった可能性が高いとわかっています。

ただ、木馬(作戦)に関しては、その姿を描いた古代ギリシア時代の装飾品などがあることから実在を否定はできないものの、確実な証拠は見つかっておらず、存在したとしても神話で語られているように巨大な木馬ではなかった可能性が指摘されています。

また、木馬といっても、本当に木材でできていたかも定かではなく、2世紀には、ギリシアの学者パウサニアスが著作の中で、木馬は木製ではなく、青銅製だったと記しています。

トロイ遺跡は、発見者シュリーマンの知識不足を原因とするずさんな発掘のため、一部が削り取られてしまっており、今後も木馬の痕跡を発見するのは難しいと考えられます。

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トロイアの木馬の真実

トロイアの木馬

完全にフィクションではないにしろ、実在したとも断定できない木馬とは、本当はどのようなものだったのでしょうか。

現在では、ギリシア軍による何らかの作戦は行われたものの、その正体は物語にあるような巨大木馬ではなく、別のものだったという説が出されています。トロイアの木馬の真実に関するいくつかの説をみていきましょう。

攻城兵器説

木馬の正体は、ギリシア軍がトロイア城を攻撃するために用いた攻城槌や破壊槌といわれる攻城兵器で、火が燃え移るのを防ぐために湿らせた馬の皮を被せたり、兵器自体が動物の形を模したものであったりしたため、木馬と呼ばれるようになったとする説です。

木馬ではなく船だったとする説

トロイアの木馬 船

神話で「馬」とされた贈り物は実は船のことで、その内部に兵士が隠れていたという説です。当時、ギリシアでは船首部分に馬の飾りをつけた船が普及していて、「馬」の名称で貴金属の売買や国同士の貢ぎ物に使用されていました。紀元前8世紀のアッシリアの遺跡から発掘されたレリーフには、馬頭の付いた船が描かれています。

このため、実際にはギリシア軍は船に兵士を隠れさせていたのではないかといわれており、これが後世に木製の馬と勘違いされ、トロイアの木馬伝説が生まれた可能性があります。

大地震説

トロイ遺跡 トルコ 世界遺産

木馬とは、この時期にトロイアを襲った大地震の暗喩だという説です。実際、考古学的調査により、トロイ遺跡からは過去に地震による被害を受けた形跡が発見されており、地震で壊れた外壁からギリシア人が城内に侵入し、このような伝説が生まれたという見方もできます。

トルコにはトロイアの木馬のレプリカがある!

現在のトルコには、トロイアの木馬のレプリカがあり、観光名所として人気があります。レプリカが置かれているのはトロイ遺跡とチャナッカレの2か所です。

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トロイ遺跡

トロイの木馬 トルコ アナトリア

トロイ遺跡の入口にはトロイアの木馬のレプリカがあり、物語と同様、胴体の中に入れるようになっています。背中に小屋を乗せたような外観の木馬は、内部には階段もあり、2階建てになっています。窓もついているので、内側から外を眺めれば、ギリシア兵になった気分を体験できるでしょう。

名称 トロイ遺跡(Troya Antik Kenti)
住所 17100 Kalafat/Çanakkale Merkez/Çanakkale, トルコ
営業時間 4月1日~10月31日(夏季)8:00~19:00
11月1日~3月31日(冬季)8:30~17:30
※チケット売り場は30分早く閉まります。
休館日 なし
※砂糖祭と犠牲祭の祝日初日は13:00より開館
入場料 60トルコリラ
※8歳未満の子供は無料です。
トロイ博物館とのセット券:100 トルコリラ
所要時間 2時間程度
公式サイト https://muze.gov.tr/muze-detay?SectionId=TRV01&DistId=TRV

※2022年4月時点の情報となります。

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チャナッカレ

トロイの木馬

トルコ北西の街チャナッカレの港に面した広場には、2004年に公開されたブラッド・ピット主演の映画「TROY(トロイ)」で使われた撮影用大道具の木馬が展示されており、大人気の観光スポットになっています。映画の撮影自体はトルコ以外で行われましたが、撮影後、この街に木馬が寄贈されました。

トロイ遺跡の木馬と違って内部には入れませんが、映画で使われたため、私たちがイメージする神話の木馬に近いデザインで、下から見上げた姿には圧倒的な迫力があります。

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