トルコの豆知識・お役立ち情報

Turkey(ターキー)の意味とは?トルコの国名の由来や七面鳥との不思議な関係を解説

更新日:2023.04.05

投稿日:2022.08.03

Views: 4255

トルコ国旗

トルコ共和国と七面鳥は、英語ではいずれもターキー(Turkey)と呼ばれます。なぜまったく関係のない二つのものが同じ名前で呼ばれるのでしょうか。また、日本ではターキー共和国ではなくトルコ共和国と呼びますよね。

本記事では、トルコの名称に関係するさまざまな不思議をご紹介します。

なぜトルコは英語でターキー(Turkey)なのか?語源・由来を紹介

オスマン帝国 イェニチェリ

ここでは、トルコの英語名「ターキー(Turkey)」の語源や由来に加え、日本語名が「トルコ」となった歴史的背景を紹介します。

イスタンブール
  • 人気ランキング【第1位】
  • 特別全額キャンセルサポートで安心
  • 4名から19名限定・バスは1人2席
  • ビジネスクラスも格安プランでご用意
トルコツアーキャンペーン!
燃油サーチャージ込み!全観光・全食事付
旅行代金 339,800円~
羽田発・イスタンブール海峡クルーズと世界遺産歴訪トルコ9日間
直行便トルコ航空指定!
 
  
 
10th year

トルコ共和国が英語でターキー(Turkey)と呼ばれる理由

トルコ共和国は、英語ではRepublic of Turkey(通称ターキー)と呼ばれますが、これは「テュルク系民族」が由来となっています。

紀元前よりモンゴル高原で遊牧生活を送っていたテュルク系民族は、ペルシャ語やアラビア語で力強さを意味するTurksと呼ばれていました。テュルク系民族がモンゴル高原より西の中東地域やアナトリア半島に進出するにつれ、東ローマ帝国で話されるギリシャ語ではTourkos、中世のラテン語ではTurcusと呼ばれるようになりました。

アナトリアが小アジアと呼ばれる理由とは?歴史・文明・遺跡を紹介

1299年にオスマン帝国がアナトリアの北西部に建国されると、英語で書かれた書物には「Turksによって支配された国」という表記が残されました。オスマン帝国は英語では「Ottoman Empire」となりますが、当時の諸外国からは、「Ottoman Turks」などテュルク系民族を表す言葉で呼ばれることもあったのです。

第一次世界大戦後にオスマン帝国が崩壊し、1923年に新しい国が建国されると、国名にはテュルク系民族を表すTurkeyが正式名称として採用されました。なおRepublic of Turkey(トルコ共和国)はトルコ語ではTürkiye Cumhuriyetiとなり、ターキーではなくテュルキエと発音されます。

オスマン帝国はなぜ600年以上も続いたのか?栄光と滅亡の歴史と強さの秘密

トルコの正式国名は「Tukey」から「Türkiye(テュルキエ)」に変更

2022年5月、トルコ政府は、国名の表記を従来の「Tukey(ターキー)」から「Türkiye(テュルキエ)」に変更することを国連に対して要請し、間もなく正式に承認されました。これに伴い、英語の公式表記も「Republic of Türkiye」となっています。

トルコのチャヴシュオール外務大臣は、今回の国名の表記変更が、エルドアン大統領の進めてきたトルコのブランド力を高めるプロセスの一環であるとしています。

トルコ国内では、2021年の12月時点で国名表記を「Türkiye(テュルキエ)」に統一することが発表されており、2022年3月には輸出製品について「Made in Turkey」ではなく、「Made in Türkiye」と表記が変更されました。

日本語名「トルコ」の由来

トルコ 日本 旗

英語のTurkeyはカタカナ表記で「ターキー」ですが、日本では「トルコ」と呼ばれています。これは、イタリア語やスペイン語でテュルク系民族を意味するTurcoが由来といわれています。

英語のTurkeyが国名として採用されたのは1923年であり、比較的新しい名前だといえるでしょう。それよりはるか昔から行われていたシルクロード貿易を通じ、中国から日本に「トルコ」という発音に近い呼び名が先に伝わっていた可能性があるといわれています。

また、大航海時代にはポルトガル人宣教師などにより、テュルク系民族(Turco)の情報が日本に入ってきていました。そのため、昔から知られていたトルコの呼び名をそのまま日本語での国名として採用したと考えられています。

意外と読めない?トルコの漢字表記

ウイグル

テュルク系民族は、モンゴル高原において遊牧民として国家を築いていたため、地理的に近い中国では古くから漢字で表されていました。

ウイグル族の歴史や文化、グルメも解説!祖先はトルコ人で美人が多い?

紀元前4~1世紀ごろに存在したテュルク系民族の国家は、テュルクを由来として中国語で「丁零(ていれい)」と呼ばれていました。また、6~8世紀ごろに中央ユーラシアを支配した国家も、同じくテュルクを由来として「突厥(とっけつ)」と記述されています。

なお、突厥(とっけつ)が建国された552年をトルコ共和国では国家建国の年としており、1952年にはトルコで建国1400年記念の祝典が盛大に行われました。

14~17世紀の明の時代には中国語で「土耳其」と書かれており、現代でもトルコの中国語表記として使用されています。なお中国語では、「耳」はルに近い「アール」と発音されます。

日本では江戸時代中期に国名を記載した世界地図の作成が行われました。その際、国名の漢字は中国語を参考にし、日本語の発音に合う漢字を当てはめるという作業を行ったのです。そして、日本ではトルコの漢字として「土耳古」が定着しました。

現在、日本では国名をカタカナ表記しますが、新聞など紙面の文字数やスペースが限られる場合には漢字で書かれます。「土耳古」は簡単な漢字にもかかわらず読むのが難しいため、クイズなどで出題されることもあります。覚えておいて損はないかもしれません。

七面鳥とトルコの関係|なぜともに英語で「ターキー」なのか

ターキー

トルコ共和国と同じく、英語で「ターキー」と呼ばれるものに七面鳥があります。ここでは、トルコと七面鳥の関係について解説します。

七面鳥はなぜ英語でターキーと名付けられた?

アメリカのクリスマスや感謝祭の食卓で、オーブンで焼かれた七面鳥が出される光景をテレビで見たことがある人は多いでしょう。七面鳥は英語ではTurkey(ターキー)と呼ばれ、スペルも発音も国名のトルコと同じです。では、なぜ七面鳥にトルコと同じ名前がつけられたのでしょうか。

クリスマスは何をする日?あまり知られていない意味や起源を解説

16世紀に栄えたオスマン帝国は広大な領土を持ち、ヨーロッパやアジア、アフリカをつなぐ交易の要衝として栄えていました。同じ時代、イギリスは北アフリカ地域からホロホロ鳥をトルコ経由で輸入していました。

当時ヨーロッパに輸入される品物のほとんどがトルコ経由となっていたことから、ペルシャ絨毯はトルコ絨毯、インド産小麦粉はトルコ小麦粉といったように、輸入品にトルコと付けて呼ばれることが多かったのです。

憧れのトルコ絨毯の基礎知識!賢く購入するために知っておきたい情報を伝授

そのためイギリスに輸入されていたホロホロ鳥も、北アフリカ産のホロホロ鳥ではなく、トルコ鶏(ターキーコック)と呼ばれました。なお、イギリスでは16世紀にはトルコ鶏をクリスマスに食べる習慣があったといわれています。

そしてコロンブスによるアメリカ大陸発見により、16世紀にはアメリカ大陸原種の動物や植物などが、スペイン船団によってヨーロッパにもたらされることになりました。その中に家畜として含まれていた七面鳥がホロホロ鳥に似ていたことから、トルコ鶏(ターキーコック)、やがて省略されてターキーと呼ばれるようになったのです。

その後、イギリスからの移民がアメリカへ渡り、野生の七面鳥を見たイギリス人はホロホロ鳥より大きい別の鳥であると気づきます。しかし、自国での呼び名はそのまま使い続けられ、アメリカでもターキーという名前が定着しました。

現在ではこの呼び名が世界中で広がり、トルコと関係がないアメリカ原産の七面鳥がターキーと呼ばれるようになったのです。

七面鳥はトルコでもターキーと呼ぶ?

ターキー ロースト

イスラム教徒が多いトルコでも、七面鳥は食べられています。トルコでは12月31日に開かれる家族や友人などとのパーティーにおいて、ローストした七面鳥が出されます。

普段の食卓に七面鳥は並びませんが、特別な機会に食べるのはアメリカに似ているかもしれません。それでは、トルコでも七面鳥はターキーと呼ばれているのでしょうか。

実はトルコでは、七面鳥は「ヒンディ(hindi)」と呼ばれています。ヒンディとは「インドの」という意味であり、ロシア語やフランス語でも七面鳥の呼び名は同じくヒンディです。

1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した際、目指していたインドに到着したと誤って認識していました。そのため、アメリカ大陸より持ち帰った七面鳥に「インド」の名前が付いたのだといわれています。

なお、ヒンディ語とポルトガル語では、七面鳥は「ペルー」と呼ばれており、南米のペルーからやってきたことに由来していると考えられています。また、マレー半島で使われているマレー語では「オランダの鶏」、ギリシャ語では「フランスの鶏」と呼ばれています。もともと南アメリカ大陸から輸出された七面鳥は、さまざまな勘違いなどを経て各国で多様な名前で呼ばれているのです。

ちなみに日本語の「七面鳥」という名前は、首から頭にかけて露出している肌の色が赤や紫、青などに変化する様子から名付けられました。七面鳥は明治時代前半にオランダから入ってきましたが、日本では「オランダの鶏」と呼ばれることはなく、見た目の特徴を表した名前が付けられています。

トルコの宗教事情まとめ!イスラム教徒の割合や食事・お酒などの生活面も解説

イスタンブール
  • 人気ランキング【第1位】
  • 特別全額キャンセルサポートで安心
  • 4名から19名限定・バスは1人2席
  • ビジネスクラスも格安プランでご用意
トルコツアーキャンペーン!
燃油サーチャージ込み!全観光・全食事付
旅行代金 339,800円~
羽田発・イスタンブール海峡クルーズと世界遺産歴訪トルコ9日間
直行便トルコ航空指定!
 
  
 
10th year

トルコや七面鳥が由来となったものを紹介

ターキー

ここでは、トルコ共和国または七面鳥のターキーが由来となったものをご紹介します。

ワイルドターキー

ワイルドターキーは、アメリカのオースティン・ニコルズ社が製造するバーボンウィスキーの銘柄です。ウイスキーにターキーと名付けられたのは、七面鳥が由来となっているからです。

1940年、当時のオースティン・ニコルズ社社長が、七面鳥狩りに際して仲間にバーボンをふるまいました。そのバーボンがおいしいと評判になり、仲間の一人がワイルドターキーと名付けたのです。現在もウィスキーボトルのラベルには七面鳥が描かれています。

ボーリングの3連続ストライク

ボウリング場

ボーリングのピンをすべて倒す「ストライク」を3回連続で達成することを「ターキー」と呼びます。昔アメリカのボーリング場で、3回連続ストライクを出したお客さんに七面鳥の料理を提供するキャンペーンが実施されたことに由来するといわれています。

当時のボーリング場はレーンのコンディションが悪く、ストライクを1回出すだけでも簡単ではありませんでした。現代では七面鳥のサービスはありませんが、3回連続ストライクは引き続きターキーと呼ばれています。

ハワイアンターキーフィッシュ

ハワイアンターキーフィッシュとは、ハワイ近海に生息するフサカサゴの一種です。ハワイアンライオンフィッシュという別名も持っています。

七面鳥が羽を広げた姿や、ライオンのたてがみに似ていることが名前の由来です。日本人にとってはミノカサゴの姿をイメージするとわかりやすいかもしれません。

ターキーレッド

ターキーレッドは濃い赤色を指し、別名オリエンタルレッドとも呼ばれています。1740年代、インド原産のアカネの根を使って茜色に染め上げられた綿布がヨーロッパに入った際、ターキッシュレッドと呼ばれるようになりました。

オスマン帝国で好んで使われていた赤色に似ており、インドからトルコ経由でヨーロッパに入ってきたことからターキーという名前が付いたといわれています。

イスタンブール
  • 人気ランキング【第1位】
  • 特別全額キャンセルサポートで安心
  • 4名から19名限定・バスは1人2席
  • ビジネスクラスも格安プランでご用意
トルコツアーキャンペーン!
燃油サーチャージ込み!全観光・全食事付
旅行代金 339,800円~
羽田発・イスタンブール海峡クルーズと世界遺産歴訪トルコ9日間
直行便トルコ航空指定!
 
  
 
10th year

トルコ石

ターコイズ トルコ石

トルコ石は英語でTurquoise(ターコイズ)と呼ばれますが、この英単語は「トルコの石」を意味するフランス語のPierre Turquoiseが語源となっています。しかし、トルコ石はトルコで産出されるわけではなく、ペルシャ地域や北アフリカ地域で掘り出された石がトルコ経由でヨーロッパに入ることから、トルコ石と呼ばれるようになったといわれています。

ターコイズ(トルコ石)のヒーリング効果とは?お手入れ方法や浄化方法・見分け方を紹介

トルコと七面鳥が英語で「ターキー(Turkey)」と呼ばれる由来まとめ

トルコ 国旗

本記事では、トルコや七面鳥がともに英語で「ターキー(Turkey)」と呼ばれるようになった歴史的背景を紹介しました。もともとは関係のない二つの言葉ですが、さまざまな勘違いなどを経て同じ名前で呼ばれるようになるという、不思議な関係性を持っています。

オスマン帝国時代にヨーロッパとアジア、アフリカをつないでいたトルコ(Turkey)には、歴史を感じさせるさまざまな魅力が詰まっています。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

【2022年最新】トルコ観光人気ランキング!スポット・食事・モデルコースを徹底紹介

  • SHARE
  • ico_facebook
  • ico_twitter