洞窟教会のフレスコ画の歴史や特徴とは?カッパドキアの必見観光名所
更新日:2023.11.29
投稿日:2023.11.29
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カッパドキアには異教徒の迫害から逃れて隠れ住んだ初期キリスト教徒たちが残した100以上の洞窟教会が残されています。ギョレメ野外博物館をはじめ、そのいくつかは現在でも見学でき、必見の観光スポットになっています。洞窟教会でも特に注目していただきたい天井や壁に描かれた見事なフレスコ画の歴史や特徴を解説します。
カッパドキアにある洞窟教会のフレスコ画の歴史
カッパドキアには先史時代から人々が暮らしており、今では観光名所となっている地下都市も紀元前から生活の場として使われていたと考えられています。
4世紀ごろには、弾圧から逃れたキリスト教徒たちがカッパドキアの谷に隠れ住むようになりました。さらに、7世紀になってイスラム勢力が力をつけてくると、迫害を避けるためにキリスト教徒がカッパドキアの奇岩を掘って住居や教会などを造り、初期キリスト教の発展に重要な役割を果たしました。
11世紀に洞窟教会の建設は最盛期を迎え、天井や壁には見事なフレスコ画が多数描かれ、現在でもその姿を見ることができます。
洞窟教会のフレスコ画の特徴
カッパドキアの洞窟教会に残るフレスコ画の多くは、この地に暮らした修道士が描いたものと考えられていますが、コンスタンティノープルから来たプロの芸術家が描いたと見られる絵もあります。
カッパドキアの洞窟教会のフレスコ画で採用されているのは、乾式のフレスコ・セッコという手法です。乾いた石膏の上に直接絵を描くため、濡れた石膏の上に水性顔料で描く湿式のフレスコ画に比べてシンプルな技法ですが、耐久性が低いデメリットがあります。
フレスコ画を描くためには主に石灰を使いますが、かつてカッパドキアの岩山を掘って造ったハト小屋で飼育されていた鳩の卵が使われることもあったようです。
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美しいフレスコ画が残るカッパドキアの洞窟教会
暗闇の教会
暗闇の教会は、ギョレメ野外博物館で最も美しいフレスコ画が見られる必見の観光名所です。もともと窓が少なく、教会として使われなくなってからは入り口が閉じられて鳩小屋として使われていた経緯からフレスコ画にダメージを及ぼす光があまり当たらなかったため、色鮮やかなフレスコ画が良好な保存状態で残っています。
ブローチの教会
ブローチの教会はギョレメで最も大きい教会の一つです。ブローチの教会の見どころは、ギョレメの洞窟教会で描かれることの多かったキリストの生涯のフレスコ画。種類が豊富で、質も高いことで知られています。また、一部の壁画にはラピスラズリや金、銀といった貴重な原料が使われているのも特徴です。
リンゴの教会
リンゴの教会内部の壁面は、最後の晩餐や磔刑などの聖書の物語を描いたフレスコ画で覆いつくされています。これらは教会が作られた後に専門的な画家たちによって描かれたと考えられています。比較的保存状態がよく、見事なフレスコ画が多数見られます。
サンダルの教会
キリストが昇天する前に残したといわれる足跡があることから「サンダルの教会」の名で呼ばれるこの教会の1階の食堂は保存状態が良く、修道院長が座る席の後ろには最後の晩餐が描かれています。また、2階の教会にも全能者キリストや4人の福音者、ユダの裏切りなどが描かれています。
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