キリムをインテリアに取り入れよう!トルコの逞しい大地を感じる織物
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.07.28
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個性的なデザインやあたたかな雰囲気で、インテリア雑貨好きな人から注目度が高まっているキリムは、おもにアナトリア地方の遊牧民の女性が織り継いできた伝統工芸品です。印象的な幾何学模様のモチーフは、実はほとんどがトルコのもの。キリムは、トルコと深い関係があるのです。
今回は、個性的な魅力に彩られた織物のキリムについてご紹介していきます。この記事を読んでちょっと深くその背景を知ることで、キリムを選ぶのが数段楽しくなりますよ!
Contents
キリムとは?
キリムは歴史の古い伝統工芸品のひとつで、おもにアナトリア地方の遊牧民によって受け継がれてきました。表と裏の二重に並べた縦糸に横糸を通していく平織物のことで、トルコ絨毯などとは異なるものです。地とモチーフが一体となっていて、毛足がないのも特徴的。織りあがるにつれ、カラフルな横糸による柄が浮かびあがってきます。
その素朴なあたたかさや独特のデザイン性もあり、インテリア雑貨好きから注目されているアイテムです。
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ギャッベやトルコ絨毯との違い
ギャッペとは、ペルシャ絨毯の一種です。キリムとの一番の違いは、毛足の長さ。キリムは平織りで毛足が短いのが大きな特徴のひとつですが、ギャッペは毛足が長くなっています。
もうひとつ大きな違いといえば、厚みでしょう。キリムは厚みが薄いため、比較的薄い布製品がよく使われるような用途の商品が多いですが、ギャッベはずっしりとした厚みがあります。
デザインは、ギャッベは素朴な雰囲気のものが多い印象ですが、キリムはよりはっきりしたデザインのものが多くみられます。
一方、トルコ絨毯は縦糸を2本にするダブルノットで、1本1本の色糸を結んで柄を作っているので、平織りのキリムとは織り方が異なります。
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キリムのおもな産地
キリムは作られる産地や、作り手である遊牧民の部族によって、違いや特徴があります。そのため、名称も地域の名前や部族の名前で呼ばれていることが多いのです。
例えば、トルコ産のキリムはアナトリアキリムと呼ばれていて、色柄の多彩さで知られています。それぞれのキリムに織られた村や町の名前が付いていることが多いのも特徴的です。
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一方で、こちらもキリムの優良な産地として知られるペルシャ(イラン)では、部族による違いがみられるため、多くのキリムには部族名がついています。
また、アフガニスタンもキリムのおもな産地のひとつ。伝統と文化が色濃く残るオリジナルの模様と独特の色彩のキリムで有名です。他にも、西アジアから中央アジアの遊牧民が移動をおこなっていた地域に、キリムの産地が点在しています。
キリムを選ぶ前に知っておきたい基本情報
キリムを購入する前に、知っておきたい基本情報について解説していきます。知っておけば、よりキリムの世界を楽しめますよ。
キリムの種類
キリムには、縦50cm×横40cmほどのものから縦200cm×横140cmほどのものまで、さまざまなサイズがあります。また、30年以上前に遊牧民女性が織ったとされる物は「オールドキリム」、比較的新しいものは「ニューキリム」と呼ばれ、織られた年代が古い物ほど一般的には値段が高くなります。
最近ではインテリア雑貨としての注目度も高く、クッションカバーやテーブルクロス、玄関マットなどの小物がトルコ旅のお土産としても人気があります。
キリムの素材
キリムの素材には、羊毛やヤギの毛、コットンなどが使われています。これらは、遊牧民が移動する中で手に入れることができた素材。手元にあるものを活かしてキリムを織っていたようです。
キリムの織り方の種類
平織り
平織りは、キリムの基本となる織り方です。おもにトルコなどで用いられていて、織機に張った縦糸に横糸を交差させるようにして織り、木のくしなどで横糸の折り目を詰めながら織りすすめていきます。
曲線織り
曲線織りは、イランだけで用いられる織り方です。横糸に角度をつけ、縦糸の隙間に別の糸を差し込み、模様を織り込んでいきます。
スマック織り
スマック織りは、平織りの織地を地にして、別の横糸を巻き込むように絡めて織り込む織り方です。縦糸2本に1目が基本で、平織りよりも丈夫な仕上がりになります。
ジジム織り
ジジム織りは、平織りの地に別の糸で刺繍のように模様を入れていく織り方です。
キリムの染め方
キリムはもともと草木染めで染めていましたが、19世紀になって化学染料も使われるようになりました。しかしながら、草木染めなどの自然素材を使った染色には独特の美しさがあります。
アカネの根、ザクロの皮やインディゴ、ピスタチオやオリーブの葉などを使って色も豊富に染める天然染めのキリムは、色あせすらも味となり、使い込むほどに美しい色になっていきます。
一時期はほとんどが化学染料染めになったトルコでも、近年は草木染めの魅力が見直されてきています。
キリムのお手入れ方法
「キリムがほしいけどお手入れが大変そう」とイメージされている人も少なくないのではないでしょうか。キリムの普段のお手入れは、掃除機でほこりやゴミを吸い取り、時々風に当てて湿気をとるという簡単なものです。
水に濡れたときは乾いた布で水気を取り除き、コーヒーなど色のつくものをこぼしてしまったら、汚れの上に塩をかぶせ水分を吸わせて、濡れた布でたたき拭きしてから、乾いた布でしっかりと水分を取りのぞきましよう。
キリムを購入したら、しっかりお手入れをして長く愛用したいですね。
キリムの模様はほとんどがトルコの模様
キリムはおもに、現代のトルコのアジア側にあるアナトリア地方で織り継がれてきたということもあり、キリムの模様はほとんどがトルコのキリムの模様となっています。
トルコのキリムにはさまざまなモチーフがあり、土地の自然環境や生活習慣、信仰やモラルなどが反映されています。イスラム教が偶像崇拝を禁じているため、トルコのキリムの多くは幾何学模様というのも大きな特徴です。
さらに、織り手の女性の内に秘めた感情を表す動植物をモチーフにしたものや、祖母から母、母から娘へと伝えられる伝統的なデザインも存在します。
トルコのキリムでポピュラーなモチーフは、両手を腰にという意味の「エリベリンデ」。ふくよかな女性の姿をイメージさせる柄で、原点をたどると新石器時代のチャタルヒュユクの壁画にまで遡ることができるそうです。
●主なモチーフと意味
モチーフ | 意味 |
---|---|
羊の角 | 豊穣、力、男らしさ |
星(運命の輪) | 幸福や豊穣の象徴 |
鳥 | 幸運、力強さ |
生命の樹 | 神の唯一性、楽園、不死 |
ごぼう | 安定した生活を願う |
フック | 魔除け、人と人をつなぐフックから愛のモチーフともされる |
目 | 地震や家族を災いから守る魔除け |
サソリ | サソリ除け、災いよけのお守り |
水の流れ | 安定した豊かな生活を祈る気持ち |
アナトリアの女性が織りなすトルコのキリム
キリムはおもに、アナトリア地方の遊牧民の女性によって織り継がれてきました。トルコのアナトリアには古くから家畜の群れと共に草を求めて移動する遊牧民族が数多く存在し、それぞれが代々キリムを織り継いでいたのです。そのため、現代でもトルコにはキリムが豊富にあります。
遊牧民は、キリムをテントや寝具などさまざまなシーンで生活必需品として使用していました。遊牧民が飼っている羊が織物の材料となることや、遊牧民の生活に織物が必需品だったこともあり、ほとんどの織物は遊牧民を起源とする芸術といえるでしょう。
また、働き者で寡黙といわれるアナトリアの女性たちは、その内に秘めた感情を、抽象化した動物や植物などを幾何学模様の独自のデザインにこめてキリムを綴ってきました。トルコのキリムはアナトリアの女性が代々つないできた、大切な伝統文化でもあるのです。
トルコでキリムを購入する場合の注意点
トルコでキリムを購入する場合、品質の見極めや価格交渉など、初めての旅行者には少しハードルが高いかもしれません。そのため、現地でお買い物するときは信頼できる店をしっかり見定めることが重要なポイントです。
事前にしっかり情報収集するのはもちろん、旅行会社などにおすすめの店を教えてもらうとより安心ですね。
日本でキリムが購入できるおすすめ店
IKEA
家具だけでなくインテリア雑貨も豊富に揃うIKEAでは、手軽な価格で購入できるキリムが販売されています。ネットショップでも購入できますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
https://www.ikea.com/jp/ja/cat/oriental-rugs-10695/
KILIMS JAPAN
1984年創業の日本初のキリム専門輸入会社で、さまざまな種類のキリムが揃っています。購入後のメンテナンスなどもしてもらえるので安心。ネットショップからも購入できます。
キリムスタイル
トルコの伝統工芸品を扱う輸入会社で、トルコのキリムを購入することができます。東京にショールームがあるので、実際にキリムを見たいという人は出かけてみるのもいいでしょう。ネットショップからも購入できます。
トルコの旅のお土産にキリムを購入しよう
今回はキリムについて紹介してきました。キリムはアナトリアの遊牧民の女性に織りつがれてきた伝統的な織物です。
女性の内に秘めた思いやアナトリアの自然風景、祈りや戒めなどを表現した幾何学模様のデザインで、独自の個性と骨太な雰囲気をただよわせているのも魅力的。お手入れをしながら、長く愛用したい逸品です。
トルコのアナトリア地方はキリムの主要産地でもあり、トルコ土産でもキリムは人気があります。次のトルコ旅行では、自分へのお土産に購入するのもいいですね。
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