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マルマラ海の特徴と観光のポイント!ヨーロッパとアジアをつなぐ内海

更新日:2022.11.18

投稿日:2022.11.15

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マルマラ海 イスタンブール

黒海とエーゲ海に挟まれているのがトルコにあるマルマラ海です。黒海沿岸地域とヨーロッパをつなぐ航路となっており、マルマラ海沿岸地域は古くから交易によって発展し、その地理的な重要性からたびたび戦争の舞台にもなってきました。トルコを含め、近隣諸国にも重要なマルマラ海について解説します。

マルマラ海とは?

イスタンブール マルマラ海

マルマラ海はトルコ共和国にある内海のことで、マルマラ海の四方全てがトルコの領土となっています。ダーダネルス海峡を通じて西にあるエーゲ海と、ボスポラス海峡を通じて北にある黒海とつながっています。マルマラ海はアジアとヨーロッパの間に位置しており、世界一小さい海とも言われています。

面積 11,350 ㎢
全長 東西280㎞、南北80㎞
最大深度 1,350m
平均塩分濃度 22ppm(表層)、38ppm(海底)

黒海とエーゲ海を繋ぐ重要な海上交通路であるマルマラ海ですが、古くは古代ギリシャ人によって使われていました。ギリシャ人が地中海や黒海地域を植民地化したことで、マルマラ海は海上交通の要衝となりました。沿岸には多くの植民地が作られ発展を遂げ、その中には東ローマ帝国の首都となったビザンチウム(現在のイスタンブール)も含まれています。

現在は石油や天然ガスをヨーロッパに輸送するための重要な航路となっています。また、マルマラ海沿岸にはイスタンブール、ブルサ、チャナッカレなどの都市があり、多くの旅行者が訪れています。

マルマラ海の名前の由来

マルマラ海は、大理石が豊富に取れたマルマラ島に由来しています。そして、この島の名前のマルマラは、古代ギリシャ語の大理石や輝く石を意味するマルマロンから名付けられました。

マルマラ海と名付けられる前の古代には、この海はプロポンティスとして知られていました。黒海の南岸にあるポントス地方にたどり着く前に航海をした海ということで、前をあらわすプロとポントスが合わさり、プロポンティスと呼ばれていました。

マルマラ海の特徴

ヤロヴァ市

マルマラ海の面積は11,350 ㎢で、秋田県の面積と同じぐらいの大きさです。長さは東西280㎞、南北80㎞で、最大深度は1,350mです。内海のため、海面付近の塩分濃度は他の海と比較して3分の2ほどですが、隣接する黒海よりもわずかに高くなっています。底層に行くほど塩分濃度が高くなり、地中海と同じくらいになります。

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エーゲ海と黒海に挟まれているマルマラ海では、海流は表層では黒海からエーゲ海に流れ、底層では逆方向に流れています。海流は強くなく穏やかな海で、サファイア色の澄んだ海ではヨット、釣り、ダイビングなどのマリンスポーツが人気です。

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マルマラ海は地震によってできた?

マルマラ海は2.5万年前に起きた地震による地殻変動によって形成され、現在も北アナトリア断層がマルマラ海の海底にあります。そのため、1999年8月17日に発生したイズミット地震など、たびたびトルコで起きた大地震の震源地となっています。

マルマラ海の気候と漁業

マルマラ海は亜熱帯気候に属し、夏は暑く冬は気温が下がり降雨があります。冬の期間は、特に北沿岸の街では雪が降ることもあります。

マルマラ海にはイワシやカツオ、ムール貝など230種の魚が生息しており、漁業が盛んに行われています。

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しかし、漁獲制限を守らない違法な乱獲もおこなわれているため、一部の品種の魚はマルマラ海から絶滅しつつあります。未来に漁業資源を残すための課題が残されています。

マルマラ海を囲むトルコの都市・観光スポット

マルマラ海沿岸にある都市を簡単にご紹介いたします。

イスタンブール

イスタンブール トルコ

マルマラ海の北東部に位置する、トルコ最大の都市がイスタンブールです。イスタンブールは、ボスポラス海峡を挟んでアジア側とヨーロッパ側に分かれています。4世紀にローマ皇帝コンスタンティウスにより、コンスタンティンノープルと名付けられ大きく発展しました。その後、コンスタンティンノープルを陥落させたオスマン帝国によってイスタンブールと改名されます。

イスタンブールには、ローマやビザンチン時代の遺跡が残り、そしてオスマン帝国時代に建設された宮殿やモスクがあります。多くの歴史的な建造物が残るイスタンブールの旧市街地は世界遺産に登録されています。

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ブルサ

ブルサ トルコ オスマン帝国

マルマラ海の南東部に位置しているブルサには、かつてオスマン帝国の首都が置かれていました。そのためオスマン帝国のスルタンの霊廟が多く存在しています。歴史的な建物の他に、市内には公園などの緑地が豊富にあるため、「緑のブルサ」と呼ばれることもあります。19世紀末にブルサの料理人によって考案された、ヨーグルトをかけて食べるイスケンデルケバブが名物料理となっています。

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チャナッカレ

チャナッカレ アッソス

チャナッカレはダーダネルス海峡のアジア側に位置する街で、トロイ遺跡観光の玄関口となっています。15世紀に、オスマン帝国が海峡を往来する船の監視のために城塞を建設したのが、街の始まりです。チャナッカレ1915橋が開通するまでは、ダーダネルス海峡を渡る手段がフェリーのみとなっており、チャナッカレはフェリー発着の拠点となっていました。街中にはシーフードを提供するレストランが多くあります。

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イズミット

マルマラ海の東部にある街で、イズミット湾により発展した港湾都市です。また、古来よりイスタンブールへ向かう陸上交通の要衝となっていました。現在はイスタンブールと高速道路でつながっています。1999年に発生したイズミット地震では大きな損害が出ました。

イズミットの特産は「ピシュマニエ」というお菓子。砂糖で作られた細い糸が幾重にも重なった小さい綿菓子のような見た目です。

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ヤロヴァ

ヤロヴァ温泉 トルコ

ヤロヴァはマルマラ海の東部にあります。港町として栄え、街の南西部にあるテルマルは温泉で有名な地区となっています。温泉療養をするためにこの街を訪れる人もいます。トルコ共和国の初代大統領ムスタファ・ケマルは夏の間、ヤロヴァで過ごすことがあり、彼のオスマン様式の邸宅は現在博物館となっています。また、カラジャ森林公園で自然を感じながらのんびり散歩することもできます。

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バンドゥルマ

マルマラ海の南沿岸にあるカプーダーウ半島の付け根に位置する港湾都市で、マルマラ海ではイスタンブールに次ぐ規模の港を有しています。イスタンブールからはフェリーで2時間、イズミールからは高速鉄道で同じく2時間です。近隣には、ハドリアヌス寺院や水道橋がある古代都市ベルクスや、マルマラ海で最も古いリゾート地のエルテカなどの町があります。

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マルマラ海 プリンス諸島

マルマラ海には多くの島があります。ここでは代表的な島をご紹介します。

マルマラ島

マルマラ海で一番大きな島がマルマラ島です。トルコ国内でも2番目に大きい面積117.8㎢の島で、島内には1つの町と5つの村があります。マルマラ島は穏やかな気候が特徴で、美しい海があるリゾート地となっています。また、マルマラ海の島で最も標高の高い山があり、野生の馬が生息している自然豊かな島です。島へはイスタンブールからフェリーで、2時間45分で行くことができます。

この島はマルマラ海の由来となった島で、古来より大理石が採掘されて来ました。島で採掘された大理石は、イスタンブールのアヤソフィアに使われています。

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また、ローマのフォロ・ロマーノ遺跡にあるマクセンティウスのバシリカにもマルマラ島の大理石が使用されており、古代よりマルマラ島の大理石がヨーロッパ諸国に輸出されていたことが分かっています。

ローマ帝国支配下にあった4世紀に、コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)から、貴族たちがこの島に移り住みました。東ローマ帝国ユスティニアヌス1世は、マルマラ島に大きな宮殿を建設し、修道院も作られました。そのためマルマラ島は貴族の島とも呼ばれていました。オスマン帝国時代の初頭までは、マルマラ島にはギリシャ正教のギリシャ人が多く住んでいましたが、1923年以降は島に住むギリシャ人は別の場所に移住しました。

プリンス諸島

マルマラ海 プリンス諸島

マルマラ海の北東に浮かぶ9つの島々で構成される諸島です。イスタンブールから近いためイスタンブール諸島とも呼ばれています。東ローマ帝国時代にはこの島々が王族の流刑地となっており、オスマン帝国時代にもスルタンの一族が幽閉されたことで、プリンス諸島という名がつきました。

19世紀になると、プリンス諸島はイスタンブールの富裕層にとって人気のリゾート地となりました。イスタンブールからフェリーが運航しており、夏の間は日帰りの観光客でにぎわいます。

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フェリー会社の多くは、諸島の中でも大きな4つの島、クナル島、ブルガズ島、ヘイベリ島、ビュユック島に寄港をします。冬の期間は強風で海が荒れる場合があり、フェリーが欠航をすることが多くなります。

環境保全のため島内は自動車の走行が禁止されており、主な移動手段は自転車や馬車となっています。豊かな自然とともに19世紀の別荘や美しい街並みが保存されており、夏の時期の海水浴客以外にも、大都会イスタンブールの喧騒から逃れるために訪れる人もいます。

アヴシャ島

アヴシャ島は、イスタンブールから3時間のフェリー乗船で行くことが出来ます。この島は、マルマラ海の島の中でも特に美しい海岸線を持つ島として知られています。アルティンクンビーチは遠浅のビーチで、安心して泳ぐことが出来ます。アヴシャ島は静かにのんびりと休暇を過ごしたい人にぴったりの場所となっています。観光客が多く訪れる8月にはフェスティバルが開催され、普段静かな村もこの時は賑わいます。

パシャリマニ島

マルマラ島とアヴシャ島の近くにある島です。紀元前3000年ごろから人が住んでいた形跡があり、紀元前1300年頃にはトロイア王国の支配下に置かれてました。島の名前は、暴風雨から避難するためにこの島に立ち寄ったララ・ムスタファ・パシャにちなんで付けられました。

現在は島内に5つの小さな村があり、観光客はビーチにあるレストランで夕食と一緒に夕日を楽しむことができます。この島にはウィンドサーフィンやセーリング愛好家が多く訪れます。また、ワインの産地として知られています。

マルマラ海と黒海・エーゲ海をつなぐ2つの海峡

マルマラ海にとって重要なのがボスポラス海峡とダーダネルス海峡です。この2つの海峡によって、マルマラ海はエーゲ海と黒海とつながっています。両海峡にまつわる話を紹介します。

ダーダネルス海峡にまつわる話

ダーダネルス海峡 チャナッカレ

  • トロイアの木馬で有名なトロイア戦争の際は、ギリシャ連合軍の大船団がエーゲ海を渡り、ダーダネルス海峡から小アジアに上陸を行いトロイア王国に攻撃を行いました。
  • マケドニアのアレクサンドロス大王が、紀元前334年から行った東方遠征の際、マケドニア軍はダーダネルス海峡をわたり、小アジアに入りました。この際にアレクサンドロス大王は、尊敬をしていたトロイア戦争の英雄アキレウスの墓に献花を行いました。
  • ダーダネルス海峡で起きた最大の戦いは、第一次世界大戦中の1915年のガリポリの戦いです。英仏連合軍が、ダーダネルス海峡からマルマラ海を抜けて、イスタンブールを攻略する作戦を計画しました。しかし、オスマン帝国軍がダーダネルス海峡北側のガリポリ半島で、連合軍を食い止め、大きな損害を出して作戦は失敗に終わり最終的にオスマン帝国軍の勝利となりました。
  • ダーダネルス海峡はこれまでフェリーで往来をするしか手段がありませんでしたが、2022年3月18日にチャナッカレ1915橋が完成しました。この橋の完成で、ダーダネルス海峡のアジア側とヨーロッパ側の往来が大幅に短縮されました。チャナッカレ1915橋の2本の主径間の距離は2023mで、明石海峡大橋を抜いて世界最長の主径間の距離を持つ橋となりました。

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ボスポラス海峡にまつわる話

イスタンブール ボスポラス海峡

  • イスタンブール観光では、ボスポラス海峡クルーズは人気のアトラクションとなっています。海峡沿いに建つドルマバフチェ宮殿や、イスタンブールの街並みを船上から見ることができます。
  • ボスポラス海峡を横断する海底鉄道トンネルが、2013年10月29日に開業をしました。フェリーで30分かかっていたボスポラス海峡間の移動が、鉄道の完成で4分に短縮をされました。この海底鉄道事業の名称はマルマライと呼ばれ、マルマラ海と鉄道の意味を持つライを組み合わせた造語となっています。

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