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アナクシマンドロスとは?哲学者タレスの後継者の生涯と思想の特徴

更新日:2023.04.05

投稿日:2022.07.28

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アナクシマンドロス

古代ギリシャの偉人として知られるアナクシマンドロス。彼は哲学者としての顔のほかに、天文学者や地理学者としての一面も持っています。師匠であった哲学者のタレスの説を否定から検証したことで、物事に対する探究心が強くなりました。いろいろな事象が科学的に解明されていない時代に、現代にも通じるような革新的な理論を唱えた人物です。

アナクシマンドロスとはどのような人物だったのか

アナクシマンドロス ミレトス学派 哲学者

アナクシマンドロスは、現在のトルコにあるミレトス出身の自然哲学者です。彼は万物の始原(根源)を、「無限のもの(アペイロン)」であると提唱しました。例えば火と水のように、有限なものには相反する関係のものが存在します。

そうすると、アペイロンからも相反する存在が生み出され、それらの対立により他の物質が生み出されると考えました。相反する存在はやがて死滅してアペイロンに戻り、その現象が永遠に続いていくと唱えています。

アナクシマンドロスは自然哲学以外にも天文学などにも精通していました。それまでの宇宙のイメージをくつがえして天球儀を作りました。古代の偉大なる説明と言える日時計も彼の発明といわれており、日時計で計測することで、夏至と冬至を見つけ出しました。

アナクシマンドロスが日時計を持っている姿は、古代ローマのモザイク画に描かれています。また、地理学者としての一面も持っており、陸地と海をしっかりと区別した世界地図を作りました。

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謎が多いアナクシマンドロスの生涯とは

アナクシマンドロス アテナイの学堂

紀元前610年ころに生まれ、紀元前546年ころに亡くなったと考えられていますが、正確な記録が残っておらず、その生涯はほとんどわかっていません。アナクシマンドロスに関する情報は、後の哲学者であるアリストテレスや、弟子のテオフラストスによって伝えられています。

アナクシマンドロスのおおまかな経歴は、哲学者タレスの元で自然哲学を学び、さまざまな理論をまとめた文書「自然論」を発表した人物といわれています。この書物は現在存在しないのですが、アテネに存在したアリストテレスの学園(リュケイオン)の図書館にあったと考えられています。また、紀元前2世紀ごろ、エジプトのアレクサンドリア図書館でこの書物の複製が発見されたという言い伝えがあります。

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紀元後3世紀のローマの修辞学者によると、アナクシマンドロスが当時政治や文化の中心都市国家であった地、ミレトスの政治にも関わっていたとの記述があります。また、黒海沿岸にアポロニアというギリシャの植民地を建設する際に、使節団を率いたといわれています。アナクシマンドロスは、植民地での憲法の制定を行いました。

アナクシマンドロスは晩年になるとギリシャを離れ、数年間ペルシャのアケメネス朝に仕えました。そして64歳で生涯を閉じたといわれています。

ミレトス学派とは?

ミレトス遺跡 トルコ

現在のトルコ南西部のエーゲ海地方にミレトスと呼ばれる街がありました。現代では地形が変わり海に面していませんが、当時ミレトスは港町でした。古代ギリシャの都市国家であり、地中海交易などで発展を遂げ紀元前6世紀頃に最盛期を迎えます。ミレトスは小アジアの経済と文化の中心となっており、エーゲ海地方最大の都市となっていました。

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このミレトス出身の自然哲学者たち3人を中心とした学派がミレトス学派と呼ばれました。ミレトス学派は、万物の始原(アルケー)を考察し、空気や水などを万物の根源と考え、様々な議論が学者の間で行われました。

ミレトス学派には、タレス、その弟子であるアナクシマンドロス、アナクシマンドロスの弟子であるアナクシメネスなどの哲学者がいました。

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アナクシマンドロスが唱えたおもな自然哲学の説

師匠のタレスとともに自然哲学の祖といわれているアナクシマンドロスは、さまざまな考察を残しました。

地球は円柱形である

当時、この世界(地球)は平らな大地が巨大な柱に支えられて存在をしていると考えられていました。しかし、アナクシマンドロス真っ向から違う主張をしました。地球が宇宙の中心に浮かんでいると考えたのです。

また、地球は直径がとても大きい円柱形をしており、その平らな円の部分に大地が存在し、そこに人々や動物が住んでいると考えました。海に水平線があることから、平らな面には終わりがあると推測をしました。

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自然科学的な考察

アナクシマンドロス 雷

雷はギリシャ神話のゼウスによって引き起こされる現象と考えられていました。これに対してもアナクシマンドロスは完全に否定します。彼は、雷は雲がぶつかる衝撃から雷が発生すると考え、雷鳴の大きさは衝突の衝撃の大きさに比例するとしました。

また、アナクシマンドロスは、海はかつて地球を覆っていた巨大な湿気の塊の残骸であると考えました。雨は太陽によって蒸発した湿気が上空から地上に降る現象と説明し、地球の海はやがて太陽によって蒸発してなくなると主張しました。

さらに、太陽と月は内部が空洞になっている輪の形をしており、内部に火が満たされているとアナクシマンドロスは考えました。それをもとに、内部から外部に向けて通気口のようなものがあり、日食や月食はこの通気口が閉じることで、太陽や月が地上から見えなくなる現象だとの持論を展開しました。

人間の祖先は魚

地球最初の生命は、太陽が大地を干上がらせる前に水の中で誕生した魚であると唱えました。そして人間は魚から進化したと主張しました。根拠としては、一部の魚は稚魚の時に親の口の中で過ごし、サメは子どもが成長するまで餌を与えて育てることです。同様に人間の子どもも成長するまで大人の保護が必要で、魚と共通点があると主張しました。

史上初の世界地図の作成

アナクシマンドロス 世界地図

アナクシマンドロスは人類最初の世界地図を作った学者といわれています。この地図は、ミレトスが黒海周辺に持つ植民地へ海路や陸路で移動する際のナビゲーション目的として作成されました。地図を作成したそのほかの目的は、当時ミレトスが所有する植民地を地図で見せることで都市の権威を示し、植民地への参加を促す目的があったと考えられています。

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現在この世界地図は失われてしまっていますが、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスがその存在について記述と想像図を残しています。

それによると、まず太鼓のような形の地球があり、平らな円形部分に大地が描かれ、その周囲に海が存在をしています。世界の中心地にギリシャの古代都市デルフィがあり、地中海と黒海を挟んで北にヨーロッパ、南にはアジアと当時存在が知られていたアフリカ大陸が記載されています。

国はギリシャ以外にも、地中海周辺のスペイン、イタリア、エジプトなどがあり、東にはアッシリアやペルシャが描かれていました。また、人が住めない地域として、北の寒冷地や南の灼熱の地域もありました。

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