シャクシュカの簡単レシピ!イスラエル以外の各国の作り方も紹介
更新日:2023.09.29
投稿日:2022.09.14
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「シャクシュカ」というイスラエル料理を聞いたことがありますか?ヘルシーでおいしい野菜料理で、最近日本でも話題です。シャクシュカは、さまざまな国で親しまれている料理で、トルコでも食べられています。トルコのシャクシュカは、素揚げした野菜にトマトソースをかけるというシンプルなもので、ヘルシーでありながら食べ応えもあるのがいいところです。
中東各国にはそれぞれのシャクシュカがあり、作り方が少しずつ違います。どの国で作るシャクシュカも、日本で日常的に使う食材で簡単に作れるものがほとんど。日々の献立に取り入れやすいでしょう。
今回は、さまざまな国のシャクシュカについて、レシピ付きで紹介します。シャクシュカに興味がある方、作ってみたい方はぜひチェックしてみてください。
シャクシュカとは
シャクシュカは北アフリカのチュニジアが起源であり、「シャクシュカ」という名前は、チュニジアなまりのアラビア語で「混ぜる」という意味だとも言われています。そこから中東方向へ広まり、イスラエル料理として定着したようです。
日本でも、カルディからトマト缶を加えるだけで作れるシャクシュカの素が、永谷園からはシャクシュカのカップスープが販売されているなど、注目されています。また、2021年には「Pasco 超熟フォカッチャ」のTVCMで杉咲花さんがフォカッチャにシャクシュカを付けておいしそうに食べていたのが印象的でした。
シャクシュカはバリエーションが豊富で、国によってさまざまな材料を使います。どのような具材でもおいしく作れるので、お好みの具材で楽しめるのもいいところです。
イスラエル風シャクシュカのレシピ
シャクシュカは国によって具材や味付けが違うことは、お伝えした通りです。まずは、テレビやSNSなどでも話題となっているイスラエル風のシャクシュカレシピを紹介します。
<材料 2名分>
- トマト 2個(大き目のものならば1個でOK)
- 玉ねぎ 1個
- パプリカ 1個
- トマト缶 1つ
- 卵 2つ
- にんにく2~3片
- オリーブオイル 適量
- 塩・こしょう 少々
- トマトは湯むきして皮を取り、1cmほどの角切りにします。
- 玉ねぎはみじん切りに、にんにくとパプリカは縦半分にしてからスライスしておきましょう。
- 少し深めのフライパンにオリーブオイル、玉ねぎ、にんにくを入れます。玉ねぎを十分炒めたら、パプリカも加えます。
- トマトとトマト缶を加えて煮立たせ、水分が少なくなるまで煮詰めてください。
- 水気が飛んできたら、2か所くぼみを作って卵をそっと割り入れます。卵がお好みの硬さになったら火を止めて、完成です。
お好みで、さらにトマトペーストやプチトマトを加えるとトマト感がアップします。また、最後にパセリを散らすと香りが良くなり、見た目もキレイになるのでお試しください。
シャクシュカの食べ方
シャクシュカは元々、朝食として食べることの多かったメニューです。しかし、最近ではタイミングを問わず食べられている愛されメニューの模様。作り方のバリエーションも幅広く、ベーコンやウインナーを入れて食べ応えアップなど、作り方によって違う楽しみ方と出会えます。
また、卵を入れる作り方もあれば、入れない作り方もあります。味付けも、スパイスを入れてエキゾチックな味を楽しんでもよし、シンプルに塩・こしょうで味付けしてもよしと、お好みに合わせて味わえます。カスタマイズを楽しみ、自分だけのシャクシュカを作れることもこの料理の魅力のひとつといえるでしょう。
イスラエル以外の国のシャクシュカ
先にもお伝えしたように、シャクシュカはトルコや中東各国に伝わっている料理のため、国によってさまざまなバリエーションがあります。続いては、国ごとのシャクシュカと、そのレシピを紹介していきます。
トルコのシャクシュカ
トルコのシャクシュカは、イスラエルのものと違って卵を入れません。野菜だけで作るシャクシュカで、「トルコ版ラタトゥイユ」といえそうな料理です。一方、イスラエルなどで食べられているシャクシュカは、どちらかというと卵料理の範疇と考えられます。トルコにもそれと似たような「メネメン」という料理があります。
トルコのシャクシュカとメネメンのレシピを紹介しますので、比べてみてください。
トルコのシャクシュカの簡単レシピ
トルコのシャクシュカは野菜を素揚げにし、そこにトマトソースをかけて食べます。冷凍の素揚げ野菜なども売っているので、そのような食材を利用すれば簡単・手軽に作れますね。
<材料 2~3名分>
〇素揚げ野菜 ※すべて1cmほどの角切りにする
- なす 1本
- にんじん 2分の1本
- じゃがいも 中1個
- ズッキーニ(お好みで) 2分の1~1本
- 油適量
〇トマトソース
- 玉ねぎ 1個
- にんにく 1片
- ししとう 1~2本
- チリペッパーまたはカイエンペッパー 少々
- 塩・こしょう 少々
- オリーブオイル 少々
- まず、素揚げ用の野菜を切って、油で揚げておきます。
- 次に、野菜にかけるトマトソースを用意します。カットトマト缶ではなく、フレッシュトマトを使う場合には皮を湯むきして、細かく角切りにしておきましょう。玉ねぎはみじん切りに、にんにくはスライスします。ししとうはみじん切りしてください。
- フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくを焦がさないように炒めます。にんにくの香りが立ってきたら、玉ねぎを入れて炒めてください。そして、ししとうも加えます。
- 次に、カットトマト缶をまるごとまたは角切りにしたトマトを加えて煮込みましょう。
- 最後に、チリペッパー、塩・こしょうで味を調えます。皿に素揚げした野菜を盛り付け、トマトソースをかければ完成です。あれば、乾燥バジルを散らすとキレイに仕上がります。
基本的には野菜だけで作るのがトルコのシャクシュカですが、野菜を素揚げしてあるのでコクがあり、ビールやワインとの相性もいいですよ。
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メネメンのレシピ
続いては、トルコでとてもポピュラーなスクランブルエッグ、メネメンのレシピを紹介します。こちらも、やはり朝食として食べられることの多いメニューです。「メネメン」とは、トルコのイズミル県メネメン地区が発祥のために名づけられた料理ともいわれています。
<材料 2人分>
- トマト 2個
- 甘長唐辛子(ししとうで代用可) 2~3本
- 卵 2~3個
- オリーブオイル 適量
- 塩・こしょう 少々
- トマトは皮をむいて角切りに、甘長唐辛子またはししとうはみじん切りにしておきます。
- 卵はボールなどに割り入れて、溶いておきましょう。
- 材料の用意ができたら、フライパンにオリーブオイルを入れて甘長唐辛子を炒めます。
- トマトを加え、煮込みます。
- トマトの水気が飛んだら、卵液を流し入れて混ぜてください。
- 塩・こしょうで味を調えたら完成です。
チュニジアのシャクシュカ
シャクシュカ発祥の地といわれている北アフリカのチュニジアでは、どのようなシャクシュカが食べられているのでしょうか。
実は、現在チュニジアではシャクシュカを「オジャ」=オムレツ、と呼んでいます。ハリッサという唐辛子ペーストを使って味付けをする料理で、肉や海鮮を具として入れるなど、個性的なメニューです。どのようなレシピで作るのか、早速紹介しましょう。
<材料 2名分>
- トマト 3個
- 玉ねぎ 1個
- 赤パプリカ 2個
- エビ 10匹ほど
- 卵 2個
- トマトペースト 小さじ1
- 鷹の爪 1本
- にんにく 1~2片
- 砂糖・塩 少々
- オリーブオイル 適量
- ハリッサ 少々
- 乾燥パセリ 少々
- 玉ねぎ、赤パプリカはみじん切りにし、トマトは皮をむいて角切りにしておきます。エビは背ワタを取っておきましょう。鷹の爪はハサミで輪切りにするか、辛味を抑えたければ中の種とワタを取り出し、切らずに丸ごと使用します。
- オリーブオイルでスライスしたにんにくと鷹の爪を炒めて香りを立たせます。
- 次に、玉ねぎをしっかりと炒めて、赤パプリカを入れてさらに炒めてください。
- 続いてトマト、トマトペーストを加えて、水気がなくなってきたら砂糖を入れましょう。
- エビを入れて、火が通るまで加熱して塩とハリッサで味付けをします。もしハリッサがなければ、キャラウェイまたはディル、コリアンダー、黒コショウを小さじ2分の1ずつ加えてください。
- 最後に卵を溶き入れ、スクランブルエッグ状になればでき上がりです。乾燥パセリや刻みパセリを散らして仕上げましょう。
エジプトのシャクシュカ
シャクシュカ発祥の地であるチュニジアと同じく、北アフリカの大国であるエジプトでは、挽き肉入りのシャクシュカが親しまれています。挽き肉が入ることでボリュームや満足感が増すので、エジプトの人たちはランチやディナーとしてもシャクシュカを楽しんでいます。大雑把に言ってしまえば、ミートソースの中に目玉焼きを作る料理といったところで、ワインとの相性も良好です。それでは、作り方を紹介します。
<材料 2名分>
- 合いびき肉または牛ひき肉 100g
- トマト缶 2分の1
- トマトペースト 大さじ1
- チリパウダー 好みの量で
- クミンパウダー 小さじ2分の1
- パプリカパウダー 小さじ2分の1
- ナツメグ 少々
- にんにく 1片
- 玉ねぎ 1個
- 卵 2個
- 塩・こしょう 少々
- オリーブオイル 適量
- 乾燥パセリ 少々
- 玉ねぎ、にんにくはみじん切りにしておきます。
- フライパンにオリーブオイルを入れ、玉ねぎとにんにくを焦がさないように炒めましょう。
- 続いて、挽き肉を入れて色が変わるまで炒めます。
- トマト缶とトマトペースト、スパイスを入れて煮込みます。辛いのが苦手な人や、子どもが食べる場合は、チリパウダーの量を調節して辛みをおさえてください。
- 煮込んだ具材の中にくぼみを2か所作り、卵をそっと割り入れます。卵が半熟ぐらいまで火が通ったら完成です。最後に乾燥パセリを乗せれば、彩り豊かなシャクシュカになります。
シャクシュカに似ている料理
シャクシュカは主に北アフリカや中東地域で親しまれている料理ですが、実はヨーロッパを中心にシャクシュカに似た料理が作られています。レシピを紹介するので、チェックしてみてください。
煉獄の卵(イタリア)
「煉獄」というのは、カトリックの教えで天国と地獄の間にある世界のこと。天国へ行く前に、煉獄で魂が清められるとされています。
この「煉獄の卵」というメニューは、トマトソースに卵を入れて焼くというシンプルなもの。信仰心の篤いイタリアの人たちは、トマトソースを煉獄の炎に見立て、焼かれて白くなった卵を魂に見立ててこの料理を煉獄の卵と名付けたそうです。
<材料 2名分>
- カットトマト缶またはトマト3個
- スライスベーコン 2~3枚 またはウインナーなど
- 卵 2個
- にんにく 1片
- 塩 少々
- オリーブオイル 適量
- フライパンにオリーブオイルを入れ、みじん切りにしたにんにくを焦がさないように炒めます。にんにくの香りが立ってくるまで、炒めてください。
- 次に、食べやすい大きさに切ったベーコンをフライパンに入れ、炒めます。カリカリになるまで炒めたほうが、おいしくなります。
- カットトマト缶を全部入れ、煮込みます。トマト缶の代わりにトマトを使う場合は、皮をむいて角切りにしましょう。水気が飛ぶまで、しばらく煮込みます。
- 軽くくぼみが作れるぐらいになったら、卵をそっと割り入れて目玉焼きを作ります。蓋をして3分ほど加熱し、お好みの硬さになれば完成です。粉チーズやシュレッドチーズを上からかけるのも、おすすめのアレンジです。最後にバジルを飾ると、イタリア料理らしさが増します。
トマトソースや卵をパンに付けて食べると、おいしいですよ。
ウェボスランチェロス(メキシコ)
トルティーヤの上に、サルサソース、さらにその上に目玉焼きを乗せて食べるメキシコでとてもポピュラーな朝食メニューです。スペイン語で「ウェボス」が卵のこと、「ランチェロス」は牧場の意味。つまり、「牧場風目玉焼き」というのが、このメニューに付けられた名前です。
<材料 2名分>
- にんにく 1片
- 玉ねぎ 4分の1個
- 青唐辛子 2分の1本
- トマト 1個
- コリアンダーまたはパクチー 4~5本
- チリパウダー 少々
- オリーブオイル 適量
- 卵 2個
- トルティーヤ 2枚
- にんにく、玉ねぎはみじん切りに、トマトは小さめの角切りにします。
- オリーブオイルをフライパンに入れ、にんにくと玉ねぎを炒めます。
- にんにくの香りが立ってきたら、トマトと青唐辛子も入れ、塩、チリパウダーも入れて味を調え、サルサソースを完成させます。
- オイルをひいたフライパンに卵を静かに割り入れて、目玉焼きを作ります。
- お皿にトルティーヤを乗せ、その上にサルサソースを軽く塗りひろげ、さらにその上に目玉焼きを乗せれば完成です。あれば、細かくちぎったコリアンダーまたはバジルを散らしましょう。
もしトルティーヤがなければ、食パンをトーストして、その上にソースと目玉焼きを乗せればOKです。チーズやアボカドとも相性がいいので、トッピングして一緒に食べるのもおすすめです。
ピストマンチェゴ(スペイン)
「ピスト」と呼ばれ、スペインだけでなく世界中で人気の高い料理がこちらです。メインの料理の付け合わせとしてよく用いられたり、今回ご紹介するように目玉焼きなどをトッピングしたりして食べられています。フランスのラタトゥイユとも似ていますが、スペインではパプリカパウダーでアクセントを効かせます。
<材料 2名分>
- ナス 1本
- 玉ねぎ 2分の1個
- 赤パプリカ 4分の1個
- 黄パプリカ 4分の1個
- ズッキーニ 2分の1本
- ベーコン 1~2枚
- トマト缶 50g
- にんにく 1片
- オリーブオイル 適量
- パプリカパウダー 小さじ4分の1
- 塩 少々
- 卵 2個
- にんにくは包丁の背でつぶし、その他の野菜はすべて粗めのみじん切りにしておきます。
- フライパンにオリーブオイルを入れ、にんにくが色づくまで弱火で炒めます。にんにくの香りが立ち、オリーブオイルににんにくの香りが移ればOKです。
- そのオイルで玉ねぎとベーコンを炒めます。続けて、ナスとズッキーニを加えて炒めましょう。
- 次に赤・黄のパプリカとトマト缶、パプリカパウダーを加え、弱火でしばらく煮込みます。
- フライパンで目玉焼きを作ります。
- 煮込んだ野菜を深めの皿に盛り、その上に目玉焼きを乗せれば完成です。
目玉焼きの代わりにポーチドエッグや温泉卵などを乗せても、おいしく食べられます。また、材料を増やして野菜の煮込みを多めに作っておくと、作り置きとして重宝するでしょう。スペインではパンや生ハムと共に食べることが多いです。
ピペラード(フランス)
ピペラードは、フランスのバスク地方で昔から愛されている家庭料理です。名前の「ピペラード」とはバスク語で唐辛子のこと。野菜を炒めて煮込み、唐辛子で辛みを付けて食べます。溶き卵を入れてスクランブルエッグのようにして食べるのも伝統的な食べ方です。トルコのメネメンの食べ方に少し似ていますね。
<材料 2名分>
- ししとう 4~5個
- 玉ねぎ 4分の1個
- トマト 2~3個
- ナス 1個
- ズッキーニ 2分の1本
- にんにく 1片
- 赤パプリカ 4分の1
- オリーブオイル 適量
- タイム 少々
- オレガノ 少々
- パセリ 少々
- ローリエ 1枚
- チリパウダー 少々
- 卵 2個
- 塩・こしょう 少々
- にんにくはみじん切り、玉ねぎはうす切りにして、その他の野菜はすべて大き目の角切り、さいの目切りにしておきます。
- オリーブオイルでにんにくと玉ねぎを炒めます。にんにくを焦がさないように気をつけましょう。
- 続いて、ナスとパプリカ、ズッキーニ、ししとうを加え、トマトも加えます。タイムやオレガノ、ローリエ、チリパウダー、塩で味を整えましょう。そのまま、弱火で15~20分ほど煮込んでください。
- 卵はボールに入れて溶いておきます。
- 3の鍋を一度火からおろし、その鍋に4の卵を流し入れて混ぜます。
- 再度、鍋を火にかけて混ぜ、卵が半熟状態になれば完成です。
シャクシュカを日常のメニューに取り入れて
シャクシュカは国によっていろいろとバリエーションがありますが、作るのに手間のかからないものばかりです。少ない材料で手軽にできるレシピも多いので、日本でも作りやすいでしょう。
食事の献立がマンネリになってしまったら、気軽、手軽にできて異国情緒を感じられるシャクシュカを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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