断食(ファスティング)のやり方や効果とは?ダイエットや健康促進・宗教の修行にも
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.08.26
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断食(ファスティング)とはその言葉のとおり、一定期間を決めて食べ物や水の摂取を断つこと。宗教上の修行としてや、医療上の行為としておこなわれるものでもありますが、近年はダイエットや健康促進のためにトライする人が増え注目を集めています。
今回はそんな断食(ファスティング)について、期待される効果ややり方をご紹介します。さらに、宗教、特にイスラム教における断食についても解説していきます。
Contents
そもそも断食とは?ファスティングとは別物?
断食とは、一定の期間を決めて食べ物や水の摂取を断つこと。最近よく目にする「ファスティング」とは断食の英訳なので、断食とファスティングは同じ意味です。
断食は宗教上の修行としてや医療行為としてもおこなわれることがありますが、近年はダイエットや健康増進目的での断食(ファスティング)が注目され、トライする人も増えています。
断食(ファスティング)で期待できる効果とは?
宗教上の修行や医療行為ではなく、ダイエットや健康促進のためにおこなう断食(ファスティング)には、どんな効果が期待されているのか。ここでは、5つのポイントに絞って解説していきます。
腸内環境の改善
断食(ファスティング)をおこなうことで、腸内に残っていた有害物質が体外に排出されるため、腸内環境の改善への効果が期待されます。ただ単に減量するだけではなく、腸内環境が改善され体の中がリセットでき、消化に関わる臓器を休めることができるのも、良い効果といえるでしょう。
腸内細菌叢(腸内フローラ)と全身の健康との関連は近年研究が進んでおり、ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品の注目度もアップしています。
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老廃物の排出を促進
断食(ファスティング)をおこなうときは、排泄機能が高めて老廃物の排出が促進するために、食物繊維が多くふくまれる酵素ドリンクなどを補助食とすることもあります。老廃物の排出がスムーズになると新陳代謝も活発になりますので、肌や髪のツヤにもよい影響が期待できるといわれています。
味覚の変化
断食(ファスティング)をおこなうことで、いったん味覚がリセットされるので、今まで物足りなかった薄い味つけの料理でも満足できるようになります。濃い味つけの料理や刺激物などを口にしすぎて味覚が鈍っていると、余計なカロリーを取りがち。断食で味覚をリセットすることで、乱れていた食生活を改善することもできそうです。
ダイエット
断食(ファスティング)をおこなうことで胃腸が休められ、衰えていた消化機能も本来の力を取り戻していきます。消化がスムーズになれば、余計な脂肪もつきにくくなりますので、太りにくい体を手に入れることも夢ではありません。また、断食をすることでエネルギーを再生するために脂肪が燃焼されるので、ダイエットによい効果も期待できます。
メンタル改善
断食(ファスティング)は、体だけではなく、心にも良い影響を及ぼしてくれるといわれています。ファスティングをすることで、乱れていた自律神経が整い精神的な不調が解消するという効果が期待されるからです。
実は、腸内の善玉菌が減っていると心が不調になってしまいます。腸内環境が改善すると、セロトニンという幸せホルモンの分分泌が増えるため自律神経が整い、心も体も健康に!最近メンタルが弱っているなと感じている人は、ファスティングにトライしてみるのも良いかもしれませんね。
初心者におすすめ! 断食トライしやすい2つの方法
ここでは、初めてファスティングにトライするという人へおすすめの2つの方法について紹介します。こちらを参考に、専門家や医師の指導の下、正しくおこないましょう。
16時間断食
初心者でもトライしやすいのが、1日のうち8時間は好きなものを食べ、最後の食事を取ってから16時間は断食をするという方法です。空腹の時間をしっかり作ることで、内臓の働きがアップするといわれています。
空腹が10時間を超えると脂肪燃焼がスタートしますが、16時間の断食中にどうしてもお腹が減って我慢ができなくなったら、ヨーグルトやナッツをつまむのはOK。この方法は、イスラム教徒がラマダン月に行う断食にも似ていますね。
週末だけ断食
ふたつめは、週末だけファスティングをおこなうという方法です。土日にかけてファスティングをおこないますが、木・金曜日は週末断食に向けて胃腸の負担になるメニューをさけ、金曜日の夕食は8時までにすませておきましょう。土曜日は3食を酵素ドリンクなどにおきかえ、日曜日は回復期にあてます。
朝はおもゆやおかゆを通常量の半分、昼は通常量。夕食は軽めの食事にと徐々に普通食に回復していきます。
断食をするときの注意点
断食(ファスティング)は、妊婦や糖尿病治療中の人などできない人がいるので医師に相談のうえおこないましょう。断食中はもちろん、断食前後も酒やカフェインなど刺激物はさけること。水分もこまめにとりましょう。
断食中は、ミネラルや塩分などの栄養素が不足しますので、最低限の栄養素を補給することも忘れずに。また、空腹を紛らわすこともできるので、適度に体を動かすこともおすすめします。
体調を考慮しながら無理はしないで、少しでも体調の変化を感じたら即座にやめることも大事。無理をしたり、間違った方法でおこなったりすると命の危険にもつながりますので、医師や専門家の指導の下正しくおこなって、良い効果を得ましょう。
イスラム教における断食とは宗教上の修行
断食は、ダイエットや健康促進のためではなく、ユダヤ教やキリスト教、仏教、ヒンドゥー教など、さまざまな宗教上の行為として古くから行われてきました。主に精神を整えたり、信仰心を高めたりするためにおこなわれますが、そのやり方や目的・背景はさまざまです。
今回は、その中でも最も有名で現在でも広く実施されるイスラム教の断食について紹介します。
断食はイスラム教の五行のひとつ
五行とはイスラム教徒に課せられた5つの信仰行為のことです。イスラム教において断食は、五行のひとつとして行われます。
イスラム教徒の五行
- 信仰告白/シャハーダ
- 礼拝/サラー
- 喜捨/ザカード
- 断食/サウム
- 巡礼/ハッジ
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断食をする意味
イスラム教徒にとって断食は修行のひとつ。欲を戒める「サウム」の意味があり、己を清めて信仰心を強めるという目的があります。断食によって空腹や自己犠牲を経験することで、貧しい人や平等への共感を育む意味も持っています。さまざまな欲を断つことで、神への献身と奉仕に集中することができ、その体験を分かち合うことでイスラム教徒同士の連帯感が強まります。
トルコでもラマダンには国民のほとんどが断食をする
ラマダンとは断食という意味ではなく、イスラム月の名前のこと。この時期にイスラム教徒は、五行のひとつである「断食」を行います。
トルコはイスラム教徒が人口の99%をしめる国です。トルコではラマダンのことを「ラマザン」と呼んでいて、ラマザン期間中は日の出から日没まで断食をおこないます。トルコはイスラム諸国の中でも教義に寛容な国で飲酒もできますが、宗教行事においては他のイスラム教の国々と変わりません。
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トルコの断食明けのお祭り「シェケル・バイラム」とは?
ラマダン月の断食明けには、イスラム教徒はお祝いをします。トルコでもラマダン月の断食明けには「シェケル・バイラム」と呼ばれる祭りがおこなわれます。
シェケル・バイラムとは砂糖祭りという意味。オスマン帝国時代に、ラマダン15日目を過ぎるとバクラヴァなどのお菓子が兵士に届けられるという習慣があり、それを人々が真似してラマダン明けにお菓子を作るようになったのが始まりとも言われています。
他にも、子供達に砂糖を配るという習慣が伝統化し、ラマダン明けには砂糖菓子を配りあうようになったため、「シェケル・バイラム」というようになったという説も。なぜこのお祭りが「シェケル・バイラム」と呼ばれるようになったかについては諸説あるようです。
トルコではシェケル・バイラムの名前の通り、甘いお菓子を食べたり配ったりしてお祝いをします。そのため、この時期になるとスーパーなどではチョコレートや飴などの甘いお菓子が大量に販売されていて、どの家庭でも大量に買い込みます。
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イスラム教の断食期間中にトルコ旅行をしてもいい?
イスラム教の五行としておこなわれるラマダン月の断食中に、トルコを旅することになったらどうしたらいいのか? ここでは、ラマダン月にトルコを旅する人への情報をまとめてご紹介していきます。
ラマダン期間中でも旅行はできる!
大前提として、ラマダン期間中もトルコを旅することはできます。ラマダン中の断食などは異教徒には強制されません。イスラム教徒の人々は、ラマダン期間中は日の入り後にみんなで食事をするのが一般的。そのため、街中に露店が並び、お祭りのような雰囲気になります。コーランの戒律などを表したイルミネーションを装飾するモスクなどもあり、いつもと違ったトルコの街の表情がみられますよ。
ラマダン期間中のトルコ旅行で気をつけること
断食期間中は、飲食店の営業が日没からとなることが多いです。しかしながら、日中に旅行者が飲食できる場所はありますので、あらかじめ探しておくとよいでしょう。
「シェケル・バイラム」の3日間は祝日となるので、学校や会社も休みとなります。この期間、トルコの人々は帰省や旅行に出かけますので、飛行機や列車のチケット、ホテルなどの予約が取りにくくなります。早めに予約するなど注意しておきましょう。
イスタンブール歴史地区をはじめ観光名所は、1日目は午前中のみ閉館し、2日目以降は通常通り営業というのがほとんどで、3連休となるところも。そのため、観光したい場所をあらかじめピックアップして、営業時間について確認しておくこともおすすめします。
イスタンブールを旅する人がお土産を買いに行く定番スポットのグランドバザールやエジプシャンバザールは、シェケル・バイラム期間中は3連休となるところがほとんど。お土産の購入についても、営業時間などをあらかじめ調べておきましょう。
断食期間中や断食明けは、いつもと違った街の表情を感じることができる貴重な機会でもあります。注意点を守ってこの期間にトルコを旅するのもおすすめです。
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