イスタンブール「大宮殿モザイク博物館」の観光情報!見どころは?
更新日:2023.02.28
投稿日:2022.11.15
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イスタンブールは、ローマやビザンチン、オスマン帝国支配の舞台となり、都市の繁栄と共に壮麗な芸術文化をもたらしてきました。現在も残る、悠久の歴史を語る遺産の数々はイスタンブールを訪れる人々を魅了しています。
ここでは、イスタンブールに数ある歴史的遺産の中から、ビザンツ帝国時代のモザイク画を展示している「大宮殿モザイク博物館」について紹介します。
大宮殿モザイク博物館とは?
イスタンブールはかつて「コンスタンティノープル」と呼ばれ、ビザンツ帝国の首都として栄えていました。大宮殿モザイク博物館のあるあたりには、第4回十字軍の頃まで使われていたビザンツ帝国の大宮殿があり、「コンスタンティノープル大宮殿」とも呼ばれていました。
宮殿は4世紀にユスティニアヌス1世の命により建造され、6世紀にはこの宮殿にあるモザイクは最大級かつ最も美しいものと言われていました。
しかし、宮殿は10世紀以降になるとほとんど使われなくなり、1204年の第4回十字軍によるコンスタンティノープル陥落以来、徐々に荒廃していきました。そして1453年にオスマン朝のスルタン、メフメト2世によってコンスタンティノープルが陥落した時にはすでに宮殿は廃墟のようになっていました。
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その後、街の再建のために宮殿のほとんどは撤去されたため、現在では建物は残っていません。ところが、1935年頃からイギリスの科学者がこの周辺の発掘調査を行ったところ、モザイクで飾られた床の遺跡をはじめ、地下からおびただしい量のモザイク画が発見されました。
発掘されたモザイク画は、大宮殿の跡地で「大宮殿モザイク博物館」として一般公開されるようになりました。
名称 | 大宮殿モザイク博物館(Büyük Saray Mozaik Müsesi) |
---|---|
住所 | Sultanahmet Mahallesi Kabasakal Cad. Arasta Çarşısı Sok. No. 53, 34122 Fatih/İstanbul, トルコ |
開館時間 | 9:00~20:00(4/1〜10/31) 9:00~18:30(11/1〜3/31) ※最終入場は閉館時間の30分前までとなります。 |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 45TL |
公式サイト(英語) | https://muze.gen.tr/muze-detay/mozaik |
モザイク画とは?
モザイク画とは、小片を寄せあわせて埋め込んで絵や模様を表す装飾美術の技法です。テッセラと呼ばれる鉱石や貝殻のかけらなどの角片を埋め込んで絵画としており、その性質から塗料を使用して描かれた絵画に比べると色褪せがおきにくいため、壁画に使用されることが多い技法となっています。
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モザイクの技法は確認されている限り、紀元前2600年からあったとされています。4世紀末においては、キリスト教の教会でモザイクの技法を使用して、宗教画が壁や天井、床などに描かれるようになりました。
大宮殿モザイク博物館の見どころ
大宮殿モザイク博物館には、4世紀から6世紀のビザンツ帝国の宮殿にあった見事なモザイク画が展示されています。今から1600年以上も前に造られたとは思えない、色鮮やかなモザイク画が残されていて、大変貴重なモザイク画を見ることができます。
大宮殿モザイク博物館に展示されているモザイク画には宗教的な内容は含まれておらず、羊飼いや農民、狩人の日常生活の一場面や、動物や植物などの自然、神話の一部などを題材にしているものが多く、当時の様子が伺われてとても興味深い作品ばかりです。
床一面に施されたモザイク画は、かつてこの場所にあった宮殿の拝廊の床の装飾だったと言われています。
緑や黄色など色鮮やかなタイルを使い、動物や木々などのさまざまな物語が描かれた作品が多く、また描かれた人の表情や動物の毛並み、植物の微妙な色の濃淡など、発色の鮮やかなタイル片によって繊細な色彩が表現されているので、モザイク画を見れば見るほど当時の美術レベルの高さを感じさせます。
観光の所要時間
モザイク博物館はあまり広くないので、30分もあれば十分に鑑賞できます。一つひとつのモザイク画を説明も含めてじっくり鑑賞した場合でも、1時間ほどで見て回ることができます。
大宮殿モザイク博物館への行き方
大宮殿モザイク博物館は、ブルーモスク(スルタン・アフメット・ジャーミィ)の南側、アラスタバザールに入口があります。公共交通機関を利用する場合は、トラムの「スルタンアフメット(Sultanahmet)」駅から徒歩10分ほどの距離にあります。
大宮殿モザイク博物館のあるスルタンアフメット地区は旧市街の歴史地区の中心になり、イスタンブール観光のハイライトでもあるブルーモスクにアヤソフィア、トプカプ宮殿に地下宮殿など、主要な見どころが満載のエリアです。
イスタンブールのおすすめ観光スポット7選!人気グルメやお土産も解説
大宮殿モザイク博物館はスルタンアフメット地区の観光のついでに気軽に立ち寄ることも可能です。
ガズィアンテップの「ゼウグマ・モザイク博物館」
トルコには他に世界最大級を誇るモザイク博物館があります。それがトルコ東部の町「ガズィアンテップ(Gazi Antep)」にある「ゼウグマ・モザイク博物館(Zaugma Mozaik Müsesi)」です。
シャンルウルファとの県境にある町ニズィップ郊外にある古代都市ゼウグマの遺跡から出土した、古代ローマ時代のモザイク画を修復、展示するために2011年にできた博物館です。ゼウグマ・モザイク博物館は3万㎡という広大な敷地に建ち、館内は当時の町の様子が再現されていたり、古代遺跡のような造りとなっています。
1階にはユーフラテス川の別荘跡から発見されたモザイク画とともに、「ポセイドンとユーフラテスの二別荘」や噴水、柱に壁などが元通りの配置で復元されて展示されています。
特に有名なのは「ジプシーの少女」と名付けられた小さなモザイクで、その美しい顔がカズィアンテップを象徴する“顔”となりました。このモザイク画は、「どの角度から見ても少女の瞳に見つめられているように見える」という特徴を持っています。
保存状態がよく、高度な修復技術が駆使されたモザイク画たちは数千年前の作品とは思えないほどの完璧さを放っています。カズィアンテップは個人では訪れにくい場所にありますが、もし訪れる機会があればゼウグマ・モザイク博物館は外すことのできない観光スポットです。
名称 | ゼウグマ・モザイク博物館(Zaugma Mozaik Müsesi) |
---|---|
住所 | Mithatpaşa, Hacı Sani Konukoğlu Blv., 27500 Şehitkamil/Gaziantep, トルコ |
開館時間 | 夏季(4/1~10/31)9:00~19:00 冬季(11/1~3/31)9:00~17:00 |
休館日 | 月曜日 |
入場料 | 30TL |
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