サクサク新食感の衣が話題の「カダイフ」とは?レシピからおすすめスイーツまでを大紹介
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.06.27
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カダイフとは天使の髪とも呼ばれる、柔らかくて細い麺状の生地のこと。フレンチや中華、スイーツなど、カダイフを使った料理は、その食感の軽やかさや見た目の華やかさで人気があります。今回は、そんな話題の食材カダイフについて、徹底解説していきます。
Contents
カダイフとはどんな食材?
カダイフとはトルコやギリシャを紀元とする麺状の生地のこと。水を加えて練った小麦粉を薄くのばし、細い糸状にして鉄板で焼いて作る、日本のそうめんよりさらに細い生地です。
カダイフという言葉には「柔らかい」という意味があり、その柔らかさと細さから「天使の髪」とも呼ばれています。揚げても焼いてもパリッとした食感が楽しめて、デザートや料理に使用されています。
その歴史も古く、15世紀のオスマン帝国時代にはすでに現在のような形状のカダイフが作られていたようです。
オスマン帝国の宮廷料理の歴史を解説!世界三大料理・トルコ料理を育んだ多様な食文化
フレンチや中華料理でも食べられる「カダイフ巻き」とは?
カダイフ巻きとは、食材にカダイフを巻いて揚げる料理のことです。カダイフ巻きの定番は、中華料理メニューでも出てくる「エビのカダイフ揚げ」でしょう。フランス料理でも、同じようにカダイフを使用する「ガダイフ包み」という料理があります。
ガダイフ巻きは、細い麺状の生地であるカダイフを並べた上にエビなどの素材をのせて、くるくると巻いて包み、油で揚げるのが一般的。普通の揚げ物と比べると衣の食感がよりサクサクするだけでなく、見た目も華やか。さらに、カダイフはパン粉に比べると油を吸収する量が少ないため、カロリーが気になる方にもおすすめです。
カダイフは業務スーパーやカルディで買える? 代用できる食材はある?
カダイフは日本では一般的な食材ではないので、スーパーなどで簡単に手に入れることはできません。購入したいという人は、ネットショップなどを利用することをおすすめします。
ただし2022年5月現在、業務スーパーやカルディのネットショップでカダイフは販売されていませんでした。アマゾンや楽天などのネットショップでの販売はありますが、品切れ状態となっているものも見られます。
手に入らない場合は、日本のそうめんで代用したり、春巻きの皮を細く切って使ったりするのもおすすめですよ。
自宅で簡単にできる、カダイフ料理を作ってみよう!
ここでは、カダイフを使って簡単に料理が作れるレシピと、カダイフ生地の取り扱い方について解説していきます。料理初心者でも簡単にできますので、ぜひトライしてみてください。
冷凍カダイフの扱い方を知っておこう
カダイフを使って料理をする前に、まずはカダイフ生地の取り扱い方を知っておきましょう。
カダイフを日本で購入する場合、一般的には冷凍の状態で届くことが多いので、使用する分だけ取り出して半解凍させます。半解凍すると柔らかくなるので切り分けて、絞ったぬれタオルなどに包んで、乾燥しないようにしておきましょう。残ったカダイフは、密封して冷凍保存しておくとよいですよ。
カダイフは乾燥すると折れやすくなってしまい使いにくくなります。また、水で茹でると溶けてしまいますのでご注意を。
「エビのカダイフ巻き」簡単レシピ
【材料】
エビ4尾、カダイフ約50g、塩・胡椒・油適量
【作り方】
- 殻と背わたを取ってエビの下ごしらえをしておく
- エビに塩・胡椒をふり、ガダイフを並べた上にのせてくるくると巻いていく。巻き付きにくい場合は、卵を溶いたものにエビをくぐらせるのもおすすめ
- 170℃の油で表面がキツネ色になるまで揚げる
トルコにはカダイフを使ったスイーツがある!
トルコには、カダイフを使って作るおいしいスイーツがあります。ここでは、そんなトルコの伝統菓子をご紹介します。
甘くて美しいトルコスイーツの魅力!バクラヴァやハルヴァ、ロクムなど
カダイフ・タトゥルス
カダイフ・タトゥルスは、トルコ南東部で特に有名な伝統菓子です。トルコのスイーツ店やレストランのデザートにも必ずあるほどポピュラーなお菓子ですので、トルコを訪れたらぜひ味わってみてください。
カダイフと溶かしバターを混ぜてこねて広げたものにピスタチオなどをのせて、さらに上にカダイフをこねたものをのせ、オーブンで焼きあげます。仕上げにはシロップをたっぷりかけるので、かなり甘いスイーツでもありますが、カダイフの食感が存分に感じられます。
トルコの伝統菓子「カダイフ・タトゥルス」レシピ
【材料】
カダイフ約500g、溶かした無塩バター250g、ナッツ類200g、水カップ1
<シロップ>水750cc、砂糖750g、レモン1/8
【作り方】
- カダイフを3cmくらいの長さに切り、溶かしバターをかけてこねる
- オーブン用天板にカダイフの半分を敷き詰める
- ナッツ類をのせる
- 残りのカダイフを上に敷き詰める
- 180℃くらいのオーブンで約45分焼く
- 上からシロップ(材料を全部混ぜたもの)をかける
キュネフェ
キュネフェは、地中海沿岸のハタイ県アンタキヤという街の名物スイーツ。トルコだけでなく中東一帯で食されている伝統菓子でもあります。
カダイフの生地にチーズを挟んで焼き、シロップや砕いたナッツをかけるスイーツで、家庭で作る場合は、モッツァレラチーズなどを使用するとおいしいですよ。たっぷりかかったシロップの甘さと、チーズの塩気の組み合わせが絶妙です。
カダイフドルマス
ドルマとはトルコ語で「詰め物」という意味。カダイフドルマスはカダイフを使った揚げ菓子です。中にピスタチオなどのナッツ類が詰まっていて、揚げたあとにシロップをかけます。カダイフの柔らかな食感が楽しめるお菓子です。
イスタンブールでカダイフを使ったお菓子が食べられる店
ここでは、カダイフを使って作るトルコの伝統菓子、カダイフ・タトゥルスやキュネフェが食べられる店をご紹介します。ちなみに、カダイフ・タトゥルスの専門店はありませんが、バクラヴァのお店には必ず置いてありますので、現地で素敵なカフェを見つけたらチェックしてみてくださいね。
Tatlıcı Safa(タトリッチ・サファ)
トルコの伝統的なお菓子がいただけるカフェ。おすすめは、ピスタチオがトッピングされているキュネフェです。イスタンブール中心部に店舗がいくつかあるので、観光途中の休憩スポットとしてもおすすめですよ。
店舗名 | Tatlıcı Safa |
---|---|
住所 | Rüstem Paşa Mah., Hasırcılar Cd. No:10, Fatih, İstanbul |
公式サイト | https://tatlicisafa.com/ |
Keyfeder Künefe Katmer(ケイフェデル・キュネフェ・カトメル)
カダイフを使ったお菓子の代表格、キュネフェがいただけるカフェ。店主は、キュネフェで有名なビレジク出身とあって、地元でもおいしいと評判。本場仕込みのキュネフェが種類豊富にいただけます。
店舗名 | Keyfeder Künefe Katmer |
---|---|
住所 | Katip Mustafa Çelebi Mah., Çukurlu Çeşme Sk. No:12, Beyoğlu, İstanbul |
公式サイト | https://keyfeder-kunefe-katmer-dessert-restaurant.business.site/ |
カダイフと同じ製法の生地で作る世界のお菓子
カダイフと同じ製法で作る生地を使った料理やお菓子は、トルコだけではなく世界中にあります!ここでは、その中からいくつかをご紹介します。
クナーファ
カダイフと同じように、水と小麦粉から作る細い麺状の生地を、エジプトやイラクなどではクナーファと呼んでいます。地域によってレシピは異なりますが、クナーファ生地でチーズやナッツなどを挟むか包むかして焼き、シロップをかけるお菓子が食べられていて、お菓子のこともクナーファと呼んでいます。
チーズやクリームの入ったクナーファは温かいままで。ナッツのクナーファは冷やして食べるのが一般的。さらに、クナーファ生地を揚げたり焼いたりして、その上にクリームやナッツをトッピングするとクナーファ・ビル・アッサルというお菓子になります。レバノンでは朝食で、チーズのクナーファにゴマをまぶした「カアク」という料理をパンに挟んで食します。
そのほかの国々のお菓子
ギリシャではクナーファをカタイフと呼び、ナッツやカスタードクリームなどを挟んだお菓子としていただきます。また、ブルガリアでは生地もお菓子もカダイフと呼んでいるようです。さらに、フランスやイタリアでは生地のことをカダイフと呼び、デザートの他に肉料理や魚料理に使用します。
東京でカダイフを使ったスイーツを食べられるお店
ボスポラスハサン 新宿2丁目店
イスタンブールやアンカラで料理人としての経験を積み、日本初のトルコレストランでシェフを務めたオーナーによる本格的なトルコ料理店。トルコスイーツも充実しており、トルコアイス(ドンドゥルマ)やバクラヴァに加えて、キュネフェもあります。
店舗名 | ボスポラスハサン 新宿2丁目店 |
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住所 | 東京都新宿区新宿2-7-2 1F |
公式サイト | https://www.bosphorushasan.com/ |
ゼノビアカフェ
シリア出身のオーナーが本格的なアラビア料理を提供する「アラビアンレストラン ゼノビア」の系列店。こちらのカフェではクナーファなどのスイーツやアラビア・コーヒーだけでなく、水タバコ(シーシャ)を楽しむこともできます。
異国情緒たっぷり!水タバコ(シーシャ)の吸い方や仕組み、歴史を解説
店舗名 | ゼノビアカフェ |
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住所 | 東京都港区麻布十番2-1-11 松尾ビル2F |
サクサク食感のカダイフを使った料理を味わってみよう
今回は、細い麺状の生地である「カダイフ」について紹介してきました。揚げたり焼いたりすると、サクサク食感が楽しめるカダイフを使った料理は、普段の料理をグレードアップさせてくれますよ。
トルコにはカダイフを使った伝統菓子が色々あります。次回のトルコ旅行では、カダイフを使ったお菓子や料理を味わってみてください。家庭で簡単に作れるレシピもご紹介していますので、自作して味わいながらトルコへ思いをはせてくださいね。
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