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トルコはなぜ親日?知られざる友好の歴史と感動的エピソード

更新日:2023.09.11

投稿日:2022.07.15

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トルコ 日本 旗

アジアとヨーロッパの間に位置し、さまざまな文化が交差する国であるトルコは世界でも有数の親日国としても有名です。

多くのトルコ人が日本に興味を持ち、大切なパートナーだと思っているという調査結果も出ています。トルコが今のような親日国になったきっかけはある歴史上の事件でした。その後もいろいろな出来事を通じて両国間の絆は育まれてきました。

本記事では、トルコはどのように親日国になったのか、また日本・トルコ間でどんな交流が行われてきたのかを紹介します。

トルコはこんなに親日!8割以上が友好と感じている

親日国として有名なトルコ。日本の外務省による2011年の調査では、「日本とトルコが友好関係にある」と答えたトルコ人の割合は83.2%にも上ります。トルコの人々は日本にどんな感情を抱いているか、調査結果をさらに詳しくみていきましょう。

日本に関心ある人は6割超え

日本

「日本にどの程度関心があるか」との質問に「非常に関心がある」「どちらかというと関心がある」と答えたトルコ人の割合は61.6%。多くのトルコ人が日本に高い関心を抱いているのが分かります。

関心のある分野については、「科学技術」が60.3%と文化・芸術の29.3%を大きく引き離してトップでした。両国で関係を強化すべき分野についても、「科学技術」と答えた人が56.4%にのぼり、トルコ人が日本の技術力を高く評価していることが分かります。

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勤勉で誠実と思う人が7割

日本人 勤勉

「日本人のイメージは」という質問に対しては、「勤勉・誠実」と答えた人が70.8%と圧倒的で、次いで多かったのが「伝統文化を大切にする」の31.6%でした。

他にも「能率的」「協調性」「礼儀正しい」などがランクインしており、日本人に対してポジティブなイメージを持っているのがわかります。こうしたイメージが日本の技術に対する高い評価に結びついているともいえるでしょう。

東アジア一のパートナー、国連常任理事国入りも支持

国際連合

「トルコにとって重要なパートナー」と考える国に日本を上げたトルコ人は13.7%とイスラム諸国の29.9%に次いで2位でした。さらに、「東アジアで重要なパートナー」である国に日本を選んだトルコ人の割合は45.4%と、2位韓国の27.6%、3位中国の4.9%に圧倒的な差をつけて1位でした。

このほか「日本が国連の常任理事国になるべきか」という質問には69.9%が「なるべきだと思う」と回答。トルコ人は近隣のイスラム諸国に次いで日本を信頼しており、世界のリーダーとしても認めていることが分かります。

日本の経済協力も広く知られている

イスタンブール ボスポラス海峡

日本が行った経済協力に関しても、多くのトルコ人に認知されています。1988年、ボスポラス海峡を結び、円借款を活用して建設された吊り橋「第2ボスポラス大橋」が44.9%、海底鉄道トンネルで結ぶ「マルマライプロジェクト」は52.5%の認知度になっています。

第2ボスポラス大橋は、全長約1,500メートルで、地震の多いトルコに初めて「免震」の概念を導入。世界最深度の海底を通るマルマライプロジェクトとともに、トルコにとって非常に重要なインフラとして活用されています

参考:トルコにおける対日世論調査(結果概要)|外務省

震災時には両国相互に支援

東日本大震災

親日国であるトルコは、地震国であるという点で日本と共通しています。

2011年3月11日に起きた東日本大震災では、トルコは積極的に支援を行ってくれました。32名の救助隊に加え、缶詰約6万8,800個、水18.5トン、毛布5,000枚が贈られています。1,600万リラの義援金に加え、ニューヨークのトルココミュニティは3万ドルを寄付。トルコ大使館ではチャリティーバザーも催されました。

これは、東日本大震災に先立つ1999年にトルコ北西部で起きた地震の際、日本がトルコに手厚い支援をしていたことへの恩返しでした。

2011年10月のトルコ東部地震の際には、まだ東日本大震災の混乱から立ち直っていない日本が支援を行い、2020年のトルコ沖地震の際には、東日本大震災で助けられた石巻市が義援金を贈り、日本からトルコに恩返ししました。このように地震によって困ったときの相互支援によって、互いの絆を深めています

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トルコが親日国である理由と有名なエピソード

現在のトルコは親日感情が良好で日本への関心が非常に高い国ですが、トルコがこのような親日国になったのには理由があります。日本とトルコの絆を生み、トルコが親日になるきっかけを作った歴史上の出来事を紹介します。

トルコ人の3割が知っているエルトゥールル号遭難事故

エルトゥールル号遭難事件 トルコ 日本

トルコが親日になる大きなきっかけになったのが、明治時代に起きた「エルトゥールル号遭難事故」です。

1887年の小松宮彰仁親王同妃両殿下によるトルコへの公式訪問の返礼として、1890年にトルコから親善使節団が派遣され、明治天皇に親書を手渡しました。使節団を乗せた軍艦「エルトゥールル号」はその帰路、和歌山県串本町沖で台風に遭遇し、座礁・沈没してしまいます。使節団のほか乗員は全員で656人でしたが、ほとんどが荒海に投げ出され、死者・行方不明者は587人に上り、今でも日本の海難事故史上最大といわれています

当時の和歌山県串本町大島の島民たちは、海岸に流れ着いた乗員を発見して遭難事故の事実を知り、不眠不休で生存者を捜索。献身的に生存者の救護活動を行い、69名の乗員の命を救いました。

エルトゥールル号の生存者は神戸で手当てを受けて全員が快方へと向かった後、日本の軍艦2隻に乗って無事にトルコへと帰国しました。

また、実業家の山田寅次郎は多額の寄付を集めてトルコへ渡りました。熱烈な歓迎を受け、トルコ皇帝にも拝謁した寅次郎は、その後、トルコの士官学校で日本語や日本文化を教えたり、トルコと日本の貿易事業を立ち上げたりして、両国の交流に尽力しています。

山田寅次郎の生涯と功績とは?日本とトルコの架け橋となった日本人

エルトゥールル号遭難事件は後世に語り継がれて、トルコでは学校の教科書の題材にもなり、現在もトルコ人の3割が知っているといわれます。2015年には、エルトゥールル号遭難事件を描いた日本・トルコ合作の映画『海難1890』が制作・公開されました。

エルトゥールル号遭難事件とは?日土友好のきっかけとトルコからの恩返し

トルコ人に勇気を与えた日露戦争

トルコが親日になったもう1つの理由が1904年の日露戦争です。当時は極東の小国だった日本が大国ロシアを破ったことは、トルコの人々に大きな勇気を与えました。日露戦争での日本の勝利がなぜトルコの人々を勇気づけたのでしょうか。

アジアの小国が大国ロシアを下した日露戦争

東郷平八郎 日露戦争

日露戦争は朝鮮半島と満州の権益をめぐり、大日本帝国(日本)とロシア帝国(ロシア)との間で行われた戦争です。東郷平八郎連合艦隊司令長官が率いる日本艦隊がロシアのバルチック艦隊を破った日本海海戦は日本の勝利を決定づけた戦いとして有名です。

当時、アジアの小国で有色人種国の日本が白人の大国ロシアを下したことは歴史的快挙といえることで、世界中が驚きました。また、日本はロシア兵捕虜も手厚く介抱し、自国に帰れば軍法会議にかけられる可能性のあるロシア士官の滞在を許可するなど、戦時国際法の順守を徹底して世界から称賛されました。

トルコが日本の勝利に歓喜した理由

トルコの国旗

日露戦争での日本の勝利に歓喜し、大きく勇気づけられた国がトルコです。当時はまだオスマン帝国であったトルコは、国境を接するロシアから絶えず圧力を受けており、ロシアによる大きな脅威を感じていました。同じように圧力を受けた日本がロシアと戦争を始めたとき、トルコでは「小国日本は大国ロシアの前にすぐ潰されてしまうだろう」と考えました。ところが、日本がロシアを打ち破ったという知らせに、多くのトルコ人は勇気づけられ、深い感銘を受けたのです。

特に日本海海戦で活躍した東郷平八郎はトルコでも高い人気を誇り、この年、トルコでは生まれた男の子に「トーゴー」と名付けることが流行したそうです

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イラン・イラク戦争での日本人救劇

ターキッシュエアラインズ イスタンブール空港

トルコ人はエルトゥールル号遭難事故での感謝を忘れず、逆に日本人の危機を救ってくれたこともありました。それはエルトゥールル号事故から1世紀の時を隔てて起こったイラン・イラク戦争での局面でした。「エルトゥールル号の借りを返しただけ」と言いながら実は命がけで日本人を救出してくれたトルコによる「本当にあったすごい恩返し」を紹介します。

イランに取り残された日本人

1980年に始まったイラン・イラク戦争は、1985年3月には互いの都市を無差別攻撃する事態になっていました。そして同年3月17日。イラクのフセイン大統領は「今から48時間後にイラン上空を飛ぶ航空機を無差別に攻撃する」という声明を出しました。

これを聞いたイラン在住の日本人は脱出のためテヘラン空港へと急ぎましたが、どの便もすでに満席で出国できなくなってしまいます。

世界各国は自国民を救出する救援機を出していましたが、日本は自衛隊の海外派遣がタブー視されており、民間機も航行の安全が保障されないとしてため救援機を派遣しませんでした。このため、イラン在住の日本人はテヘラン空港に取り残されてしまいました。

自国民より日本人を優先救出したトルコ政府

イラン上空封鎖までの期限が迫る中、途方に暮れていた日本人に手を差し伸べてくれたのがトルコでした。2機のトルコ航空(ターキッシュエアラインズ)の救援機がトルコ人ではなく日本人を救出。タイムリミットまで残り1時間余り、日本人215名全員が無事イランを離れることに成功しました

一方、テヘランにいたトルコ人は陸路で避難。自国民よりも日本人の脱出を優先してくれたトルコ政府の対応に、当時の日本人は驚くばかりでした。

駐日トルコ大使は後に、このときトルコが日本を助けた理由について、「私たちはエルトゥールル号の借りを返しただけです」と語っています。

トルコと日本の交流の歴史と長きにわたる友好関係

トルコ航空機長の名をつけた姉妹都市のチューリップ園

山口県下関市にある「火の山公園トルコチューリップ園」は、日本人救出劇で救援機の機長だったイスタンブール出身のオルハン・スヨルジュ元トルコ航空機長の名前をとって、通称「オルハン・スヨルジュ記念園」と呼ばれています。2009年4月にオープンした同園には、姉妹都市のイスタンブールから贈られたチューリップの球根を植えています。園内のチューリップは、トルコのボスポラス海峡と下関の関門海峡をイメージして植えられており、日本とトルコの絆を表現しています。

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トルコ人と日本人の共通点

トルコ人と日本人の間には、言語や生活習慣など、いろいろと似ている部分があります。これも、トルコ人が日本人に親近感を抱く理由のひとつかもしれません。トルコ人と日本人の共通点を紹介します。

トルコ語と日本語の文法が似ている

地理的に離れた日本とトルコですが、実は言語では近い関係にあります。日本語とトルコ語は同じアルタイ・グループと呼ばれる言語グループに属し、文法もよく似ています。「私はイスタンブールに行きます」を英語にすると「私は/行きます/イスタンブールに」という語順になりますが、トルコ語なら「私はイスタンブールに行きます」のままで日本語と同じ主語・目的語・述語の順です。発音もアルファベットのとおりに読めばいいので、日本人にとっても勉強しやすい言語といえます。

トルコ語のあいさつ「ありがとう」「こんにちは」「さようなら」は?使えるフレーズ紹介

温和で他人に親切な国民性

トルコ語 あいさつ カフェ

トルコ人は穏やかな性格で、他人に対しても親切な人が多いといわれ、ここは日本人とよく似ています。初対面の人とも距離感が近く、気軽に仲間に入れてくれますし、握手したり腕を組んで歩いたりなどスキンシップが豊富です。また、困っている人がいると放っておけない性格で、旅行者が道に迷っていれば、自分の仕事を後回しにしても道案内を申し出てくれたりします。さらに、他人を家に招いておもてなしをするのが大好きで、旅人を泊めるのも大歓迎。招待されたら、満腹になるまでごちそうしてくれるでしょう。

トルコ旅行で知っておきたい文化の特徴と歴史!日本との違いや宗教上のマナーは?

家に上がるときは靴を脱ぐ

日本人と同じく、トルコ人も家に上がるときは靴を脱ぐ習慣があります。アメリカやヨーロッパでは家に入るときに土足のままの国が多いのですが、トルコででは宗教上の理由から汚れを家の中に持ち込むのを嫌い、靴を脱ぐ文化が生まれました。トルコでは床に座って食事をとる文化もあり、これも土足で家に入らないことから生まれた習慣といえるでしょう。

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冬場はコタツを使う地域も

コタツといえば日本の冬の風物詩と考えがちですが、実は中東の国々にも同じような文化をもつ国があり、トルコにもキュルスといわれるコタツによく似た暖房器具が存在します。コタツは日本独自のものというイメージが強いので、意外な共通点といえます。

トルコ式トイレは和式に似ている

トルコ トイレ

もうひとつ、意外な共通点としてトイレがあります。トルコの伝統的なトイレであるアラトゥルカは、和式トイレに似ていて、使い方もほぼ同じです。ただ、金隠しがなく、和式と反対に扉の方に向かってしゃがみます。

知っておきたいトルコの水・トイレ事情!水道水は飲める?トイレは有料?

旅行先が親日国だとうれしい!ぜひ一度はトルコを旅してみよう

明治時代に起きたエルトゥールル号遭難事故をきっかけに親日国になったトルコ。100年以上前に生まれた日本とトルコの絆が現在まで続いているのはとても素晴らしいことだといえます。トルコと日本は文化面でも国民性でも共通点が多く、旅行先としてもおすすめの国です。親日国だと親切に接してもらえることも多いでしょうし、きっと気持ちの良い旅行になるはずです。ぜひ一度、世界有数の親日国トルコを旅してみてはいかがでしょうか。

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