ケバブはトルコを代表する料理!種類やおすすめレシピも紹介
更新日:2023.04.03
投稿日:2022.02.28
Views: 3684
世界三大料理の一つであるトルコ料理のなかで、日本人にも馴染み深い料理がケバブです。日本でも回転する肉の塊を切り分けるケバブ屋台のお店はよく見かけますよね。トルコのレストランにケバブがない店はないと言っても過言ではないほど、トルコを代表する料理です。
本記事ではトルコ旅行に行ったら絶対食べたいケバブ料理を紹介します。自宅でできる簡単な作り方やおすすめレシピなども紹介するので、食卓でトルコを味わいたい方もぜひチェックしてみてください。
Contents
ケバブとはどんな料理?
トルコの代表的な料理であるケバブは、ロースト調理した料理の総称です。日本人がケバブと聞くと、回転する肉の塊を切り分けたドネルケバブや、肉を串に刺したシシケバブをイメージする方が多いのではないでしょうか。また、ローストした肉とさまざまな野菜を挟んだケバブサンドを想像する方もいるはずです。
ケバブといえば肉を使った料理を想像するかもしれませんが、実は魚や野菜をローストした料理もケバブと呼ばれます。トルコの屋台では栗をローストしたケスターネ・ケバブが定番ですし、玉ねぎ・なす・じゃがいもなどの野菜をローストしたセブゼリ・ケバブもあります。
ケバブはどこの国の料理?
諸説ありますが、ケバブはトルコを中心とした周辺地域や、中央アジアなどトルコ系民族が多いエリアで生まれた料理だと言われています。移牧しながら生活していたトルコ系民族が、火を使ってラムやマトンを調理したものが発祥で、徐々に発展してさまざまな種類のケバブが生まれました。また、日本でも有名なドネルケバブは、17世紀のオスマン帝国時代に、イスケンデル・エフェンディという人物が、ブルサ市にあるお店で提供したことが始まりと言われています。
元々移牧しているトルコ系民族によって生まれた料理だったので、ラムやマトンで作られていましたが、時代とともに牛・鶏などの肉も使われるようになり、野菜や魚もケバブの材料として用いられるようになりました。
ケバブはトルコの代表的な料理ですが、現在では日本をはじめとしたアジアはもちろん、アメリカやヨーロッパ諸国など世界中で食べられています。日本の寿司が世界各国で親しまれ、各国で独自の発展を見せているように、ケバブも世界のさまざまな国で親しまれ、発展を続けているのです。
トルコ料理は世界三大料理!ケバブなど定番有名メニューを徹底紹介
日本で人気のケバブサンド!実はトルコ発祥でない?!
日本ではドネルケバブを野菜とともにピタパンに挟んだケバブサンドが人気です。しかし、実はケバブサンドはトルコ発祥の料理ではありません。
ケバブサンドはドイツ生まれの料理です。1960年代の終わりにトルコから移民したカディル・ヌルマンさんのお店で誕生しました。忙しいドイツ人がテイクアウトして食べやすいよう、ピタパンにケバブと野菜を一緒に挟んだのが始まりです。
ボリュームがあって食べ応えのあるケバブサンドはドイツですぐに人気が出て、ヨーロッパにも広まり人気のストリートフードとなりました。その後、日本をはじめとしたアジア、アメリカなどにも広がって現在に至ります。ドイツでは国民にとって欠かせないファーストフードとなっており、たくさんの人に愛されているのです。
ケバブには何の肉が使われる?
ケバブに使用される肉は羊肉・牛肉・鶏肉です。元々はラムやマトンなどの羊肉を使って作られたケバブですが、現在は牛肉や鶏肉も用いられます。これは、世界にケバブが広まった際、羊肉が手に入りづらい国で、牛肉や鶏肉が代用されたことがきっかけです。
羊肉がポピュラーではない日本でも、牛肉や鶏肉を使ったケバブが一般的ですね。ケバブ発祥の国であるトルコでも、遊牧民族が減っているため、日本と同様に牛肉や鶏肉を使ったケバブが増えています。
ケバブには豚の肉を使わない??
日本では牛肉・鶏肉と並んで豚肉もポピュラーですから、「どうして豚肉を使わないの?」と思う方も多いのではないでしょうか。ケバブに豚肉が使われないのは、トルコ国民の大多数がイスラム教徒であることが関係しています。
イスラム教で豚は「不浄の動物」と呼ばれ、イスラム教徒は豚肉を食べることが禁じられています。そのため、トルコでは豚肉が一般的な肉ではなく、ケバブにも基本的には用いられないのです。
イスラム教で豚が禁止されている理由とは?トルコではどんな肉料理を食べているの?
ケバブの種類は多種多様!
ケバブはローストした料理の総称で、以下のようなさまざまな種類があります。
- ドネルケバブ
- シシケバブ
- アダナケバブ
- イスケンデルケバブ
- パトゥルジャンケバブ
- ウルファケバブ
- フストゥクルケバブ
- アリナズィクチョップシシ
日本でも馴染みのあるケバブは、ドネルケバブとシシケバブですが、トルコに行けばこれ以外にもさまざまな種類のケバブに出会えます。トルコに行ったら色々な味の本場のケバブを試してみたいですね。
ドネルケバブ
日本の屋台などでも見かけるドネルケバブは、回転している大きな肉の塊を薄く削いで切り分けて提供するケバブのこと。ドネルは「回転」という意味です。日本では切り分けたケバブと野菜をピタパンに挟むケバブサンドとして売られていることも多いですが、本場トルコのレストランでは切り分けた肉に野菜を添えて提供されるのが一般的です。
ドネルケバブの特徴は、見た目のインパクト抜群な大きな肉の塊。あまりに大きな肉なので、「動物を丸焼きにしているの?」と思っている方もいるかもしれません。しかし、ドネルケバブの肉の塊は、薄切りにして味付けした肉を重ねて塊にしたものです。味付けは肉の種類やお店によって異なりますが、オリーブオイルやヨーグルト、すりおろした玉ねぎや香辛料などが使われています。
トルコの肉料理ドネルケバブとは?本場と日本の違いやおすすめレシピ
シシケバブ
シシケバブは大きくカットした肉を野菜とともに串に刺してローストした料理です。トルコ系民族が遊牧していた際、ラムやマトンを串に刺して火で炙って食べていたのが、シシケバブの原型とも言われており、トルコを代表する種類のケバブの一つとなっています。シシケバブのシシは「串」という意味ですが、レストランで提供されているときは串に刺さっていないことが多いです。
シシケバブには基本的に羊肉が用いられます。ただ鶏肉を使用して作ることもあり、この場合はダヴック・シシという料理名になります。クミンやチリなどの香辛料を使い、スパイシーに仕上げています。
また日本の焼き鳥に近い見た目なのがチョップシシです。ケバブとともに野菜とラヴァシュという薄いパン生地が一緒に出てきて、このラヴァシュでケバブや野菜を巻いて食べます。
シシカバブはトルコの串焼き料理!豊富なアレンジメニューをご紹介
ケバブに似た料理とその違い
ケバブに似た料理にシュラスコやシークケバブというものがあります。似ている料理ですが、どんな違いがあるのかを知っておくと、もっと料理を楽しみながら食べられるはずです。
シュラスコ
シュラスコとは、ブラジルをはじめとした中南米で食べられている肉料理です。ブラジルのカウボーイが、牛を捌いて塊のまま焚き火で焼いて食べたのが始まりと言われています。
串に刺した塊の肉を炭火で焼き、塩やソースをつけて食べます。レストランで食べるときは、串ごと運ばれてきて、その場でそぎ切りにしてもらいますが、家庭ではバーベキュー感覚で楽しむ料理です。
シュラスコは牛肉や鶏肉の他、豚肉も調理します。これがケバブとの大きな違いです。また、ブロック肉をそのまま焼くのもケバブとの違いと言えるでしょう。先に味付けせず、焼いてから塩やソースをつけるのもケバブとの違いです。
シークカバブ
シークカバブはインドの肉料理です。シシカバブと名前が似ているので混同されることも多いのですが、シークカバブはひき肉とパクチーや玉ねぎ、ニンニクなどを混ぜたものを串につけて焼きます。
使用する肉は羊肉・ヤギ肉が一般的ですが、鶏肉を使うこともあるようです。ケバブと違って牛肉は使用しませんが、これはインドにヒンドゥー教徒が多いため。ヒンドゥー教では牛肉を食べることが禁じられています。
トルコでひき肉を使った料理には、キョフテというミニハンバーグのような料理があります。
「キョフテ」はスパイスが癖になるトルコ風ハンバーグ!レシピやおすすめのお店を紹介
自宅で簡単!ドネルケバブの作り方
本場でケバブを食べるのもいいですが、美味しいケバブは自宅でも簡単に作れます。今回は日本でも人気のあるドネルケバブの作り方を紹介していきます。本格的なドネルケバブを食卓で楽しみましょう。
材料(4人分)
<ステーキ肉用>
- 牛肉ステーキ用:250g
- ヨーグルト:大さじ1.5
- オリーブオイル:大さじ5
- タイム:小さじ2.5
- チリペッパー:小さじ1.5
- オールスパイス:小さじ1.5
<挽肉用>
- 牛挽き肉(脂無し):250g
- 玉ねぎ:1.5個
- 塩:小さじ1.5
- 粗挽き胡椒:小さじ1.5
- 牛脂又はバター:60g(焼くときに使用)
作り方
- ステーキ用の牛肉を薄切りにします。
- 下味用の調味料を全て混ぜ合わせ、薄切りにした牛肉を漬け込んでラップし、冷蔵庫で
- 寝かせます。
- 挽肉用の材料をボウルに入れ、しっかりこねます。
- ラップを広げて、5×10cmくらいの大きさに下味をつけて寝かせた肉を敷きましょう。その上からこねたひき肉を延ばして重ねていきます。下味をつけた薄切り肉を敷く→ひき肉を重ねる工程を繰り返して、肉の層を作りながら棒状にしていきます。
- 棒状にした肉にラップをきつく巻きつけ、冷蔵庫で2時間以上寝かせてください。
- 時間が経ったら常温でしばらく置き、包丁で薄く削ぎ切りにします。
熱したフライパンに牛脂かバターをひき、強火で薄く削いだ肉を両面焼けば完成です。
アレンジ無限!ケバブを使ったおすすめレシピ5選
本場風のケバブを作って食卓で味わうのも楽しいですが、メニューのレパートリーに追加するなら、ケバブをアレンジした料理を楽しむのもおすすめです。簡単に作れるケバブを使ったおすすめレシピを紹介します。
ガッツリ食べられるチキンケバブ丼
鶏もも肉を使って作るケバブを使って作るケバブ丼。ガッツリ食べたいときに最適なケバブを使った料理です。下味や、ヨーグルト・マヨネーズ・ケチャップなどソースの種類を変えるだけで、全く違ったケバブ丼が作れるので、色々なバリエーションを試してみたいですね。
参考レシピ:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1170009164/
お肉も野菜もバランス良く!ケバブサラダ
食欲がない夏バテ気味の日や、ダイエット中にもおすすめなのがケバブサラダです。ケバブにはしっかり味がついていますが、野菜を合わせるので食べやすくなります。バランスのいい食事を心がけているという方にもぴったりです。
ラムはもちろん、チキンやビーフでも作れます。ミニトマト・レタス・玉ねぎを使用していますが、お好みで他の野菜を追加してもOK。色鮮やかでパーティーにも最適な一品です。
みんな大好き!ケバブ入りカレー
いつものカレーにケバブを入れれば、スパイシーでオリエンタルなケバブカレーが完成します。自分で作ったケバブを入れてオリジナリティの高いケバブ入りカレーを作りましょう。カレーを作りすぎたときの味変にも最適です!
参考レシピ:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1240025251/
食パンで作れる!ケバブサンド風
ケバブサンドといえばピタパンですが、スーパーやコンビニではなかなか手に入りづらいですよね。そんなときは、食パンを代用してケバブサンドを作りましょう。薄切りの食パン2枚でピタパンそっくりなポケットのついたパンができます。
食パンを焼いて、ケバブと好きな野菜を入れるだけで、ケバブサンドのような料理が完成します。忙しいときは食パンをトーストして具材を挟むだけでも、ケバブサンド感覚で楽しめそうです。
パーティーにもおすすめ!ケバブのエスニック巻き
ケバブと野菜を小麦粉で作ったクレープのような生地で巻いたおしゃれな一品です。見た目がとっても華やかなので、パーティーにもおすすめ。いろいろな肉のケバブや野菜、ソースを用意して、お好みで巻きながら食べても楽しめそうです。
参考レシピ:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1030003738/
ケバブのおすすめソースのレシピ
日本で人気のケバブサンドなどはソースをたっぷりかけて食べるのが定番です。日本でトルコ料理を出しているお店のなかには、独自のソースを用意しているところもあります。
しかし、前もって肉に味付けしたケバブを食べる際、本場トルコではソースは使いません。本場に近い味を楽しみたいなら、ソースをかけずに食べてみましょう。
一方、トルコのケバブ料理の中でも、世界遺産に登録されている歴史ある街ブルサの名物イスケンデルケバブにはソースを使います。イスケンデルケバブのソースは、ヨーグルトとトマトソース、溶かしバターを混ぜて作るソースです。
そのほかのソースをかけるなら、マヨネーズとケチャップにチリパウダーを混ぜ、最後に牛乳を混ぜるソースがおすすめ。また、さっぱりとしたソースが好みなら、プレーンのヨーグルトとパクチー、ニンニク、塩、胡椒とを混ぜたマヨネーズソースもケバブに合います。
本場トルコのケバブ料理を堪能できるレストランをご紹介
Bayramoğlu Döner
リーズナブルに美味しいドネルケバブを食べられるお店です。地元の人はもちろん、観光客も連日列を作っています。牛肉100%のドネルケバブは、口の中にジューシーな味わいが広がって絶品です。
住所 | Rüzgarlıbahçe G-69 Sk. No:2. Kavacık, BEYKOZ |
---|---|
電話番号 | +90 216 413 00 45 |
ウェブサイト | http://bayramogludoner.com.tr/ |
Zübeyir Ocakbaşı
店内にオープングリルのある本格的なレストランです。ケバブの他、ピルゾラというラムチョップも人気。トルコのポピュラーなお酒・RAKI(ラク)も楽しめます。グリルの近くの席は予約必須です!
住所 | Şehit Muhtar Mahallesi İstiklal Caddesi Bekar Sokak No: 28, Beyoğlu / İSTANBUL |
---|---|
電話番号 | +90 (212) 293 39 51 |
ウェブサイト | https://zubeyirocakbasi.com.tr/ |
トプカプ丸の内店
有楽町にあるトプカプ丸の内店は、1993年にオープンしたトルコレストランの老舗とも言えるお店です。自家製のタレで味付けしたラム・チキン・ビーフの3種ケバブ盛り合わせは、一度でいろいろな味を楽しめる人気メニューです。
住所 | 東京都千代田区丸の内3-1-1 国際ビルB1F |
---|---|
電話番号 | 03-3215-3600 |
ウェブサイト | http://topkapi-dining.jp/ |
ケバブカフェ
渋谷にあるケバブカフェは、日本でのシェフ歴が20年を超えるトルコ人シェフによるレストラン。トルコの大衆食堂を再現したお店で、日本にいながらトルコの雰囲気を味わえます。一番人気はドネルケバブ!テイクアウトも可能です。
住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-25-10 |
---|---|
電話番号 | 03-3780-1367 |
ウェブサイト | https://kebabcafe.jimdofree.com/ |
ケバブは低糖質・高カロリーな料理
ボリューミーでしっかり味がついているケバブは、カロリーが気になりますよね。ケバブは低糖質な料理なので糖質制限には向いていますが、カロリーは比較的高めです。本場トルコではケバブにソースをかけませんが、ソースをかけて食べるケバブや、ピタパンに挟むケバブサンドはさらにカロリーが高め。
カロリーを気にしている方は、牛肉や鶏肉よりもカロリーが低い羊肉を使ったケバブがおすすめです。また本場のようにソースをかけずに食べれば、カロリーが抑えられます。
本場トルコでは野菜を使ったケバブ料理も一般的です。例えば、長めの輪切りにしたナスと肉団子を使ったパトゥルジャンケバブは、さっぱりとヘルシーながらナスとひき肉の旨味が絶品です。
お店でも自宅でもトルコを代表する料理のケバブを味わおう
トルコ料理といったらケバブは外せないほど、人気が高く定番の料理です。日本ではドイツ発祥のケバブサンドが馴染み深いですが、本場トルコのドネルケバブやシシケバブを味わって、トルコを感じてみてはいかがでしょうか。
自宅でも簡単に作れるので、レパートリーの一つに加えてみるのもおすすめ。今回紹介したケバブのアレンジレシピを参考に、自分なりのケバブ料理を作ってみるのも楽しいはずです!
トルコ旅行に行った際は、ぜひ本場のケバブ料理を堪能してください。トルコ南部のアダナで食べられるアダナケバブや、素焼きの壺で肉と野菜をじっくり煮込んで作るカッパドキア地方の名物料理テスティケバブなど、訪れた先でご当地ケバブを楽しむのもおすすめです。
関連記事
更新日:2023.04.05
Views: 3493
更新日:2023.04.05
Views: 1438
更新日:2023.04.05
Views: 1287
更新日:2023.02.28
Views: 1152
更新日:2023.02.28
Views: 5284
更新日:2023.04.05
Views: 3071