トルコの肉料理ドネルケバブとは?本場と日本の違いやおすすめレシピ
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.05.31
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レストランの一角で、大きな肉の塊が回転しているのを見たことはないでしょうか?中心の串に幾重にも重ねて焼かれたお肉は、一度見たら忘れられません!
日本でもときどき目にするこのお肉の塊は、ドネルケバブというトルコのお料理です。トルコ発祥のドネルケバブは、諸外国でも人気です。今回は、トルコの国民食ドネルケバブについてご紹介します。
トルコ料理とドネルケバブについて
フランス料理、中華料理とともに世界三大料理のひとつとされるトルコ料理。日本ではあまり馴染みのないトルコ料理ですが、多彩な食材を使った独自性がありながら、日本人にもとても好まれる味付けが特徴です。
トルコ料理の特徴
トルコ料理の特徴は、周辺国の食文化を広く取り入れ、バリエーションの多い料理に発展してきたことです。
トルコは地理的に、アジアに含まれるアナトリア半島と、ヨーロッパに含まれるバルカン半島の両方にまたがるため、その周囲の異なる食文化を広く吸収してきました。トルコの中でも、地域によって主に食される料理の傾向が異なることもあります。
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ドネルケバブはトルコの国民食
バリエーションの多いトルコ料理の中でも、メインとなるのは肉料理。肉料理の中でも最も有名なのが、ドネルケバブです。トルコの国民食とも言われ、ドネルケバブ専門のレストランから、ファーストフードとして気軽に食べられる屋台まで、トルコ国内のあらゆる場所でドネルケバブを見かけます。
トルコ人は見慣れているドネルケバブですが、日本人にとっては一度見たら忘れられないほど印象的な外観です。「大きな肉の塊は、何でできているのか」「どうやって作るのか」気になりますよね。ドネルケバブについて詳しく説明していきます。
ドネルケバブに使われるお肉
ドネルケバブでは、豚肉以外のお肉をミックスして使用します。トルコ人のほとんどがイスラム教徒のため、イスラム教で禁じられている豚肉は使用されません。
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トルコ料理では、肉料理に羊の肉が好まれ、牛肉や鶏肉も利用されます。ドネルケバブも、牛肉・羊肉・鶏肉がミックスで使用されることが多いのです。一般的にトルコでドネルケバブを食べる場合は、以下の2種類から選べます。
- エトゥ(Et)=牛モモ肉75%、子羊の肉20%、羊の尾の脂(尾脂)5%のミックス
- タヴック(Tavuk)=チキンのムネ肉またはモモ肉
エトゥはまさに「肉!」という食べ応えで、肉汁が滴り満足感たっぷり。タヴックは脂分が少ないのでさっぱりした味わいです。
ドネルケバブの作り方
家庭でも本場のドネルケバブを味わってみたいという人も多いでしょう。ここからは、ドネルケバブの作り方を紹介します。
- お肉の下ごしらえ
・牛肉を薄くスライスし、牛乳、ヨーグルト、ニンニクのすりおろし、玉ねぎのすりおろし、トマトのすりおろし、塩胡椒、香辛料で下味をつけて数日寝かせます。
※牛肉以外に、羊肉や鶏肉を使用して作るのも良いです。スパイスには、オレガノ以外に、クミン、チリパウダー等を使うこともあります。ぜひアレンジしてみてください。 - お肉を串に刺す
下ごしらえが終わったお肉(スライス)を、垂直に立てた串に上から順に、平たく、大きな塊になるまで刺していきます。外側にはみ出たお肉をそぎ落とし、平たくするのがポイントです。 - 串刺しのお肉を焼く
串に刺して成型されたお肉の塊を、串を回しながら回転させ、外側から焼いていきます。 - 焼けた部分を削って食す
外側の焼けたところを削り、この削った部分が「ドネルケバブ」のお肉として提供されます。
削ったあとのお肉の塊は、3)お肉を焼く、を繰り返し、また焼けたところから削っていただきます。
ソースはかける?かけない?
日本でよく見るケバブサンドなどには、ソースがかけられることがほとんどです。一方、本場トルコのドネルケバブには、ソースはかけません。もともとドネルケバブのお肉は、スパイスなどにつけこんで寝かせているため、味が染み込んでいます。あくまでもお肉そのものの味が主役の食べ方のため、ドネルケバブを注文してもソースは添えられません。
ただし、ドネルケバブのバリエーションである「イスケンデルケバブ」だけは、ソースをかけて食べます。スパイス入りのトマトソースをかけ、ヨーグルトが添えられ、さらに熱々の溶かしバターが乗せられています。
他にソースがかけられるドネルケバブ料理は、ドイツ発祥のケバブサンドです。マヨネーズやヨーグルトソース、チリやハーブ、ガーリックなどを含むソースがかけられます。人気なのは、ヨーグルトにガーリックを加えたソース。また、ドイツから世界に広がっていったドネルサンドは、世界各地の食風習に合ったソースがかけられているようです。
日本にもドネルケバブが浸透してきて、ケバブサンドが人気です。さまざまなソースを選べるのが特徴で、オーロラソースやヨーグルトソース、チリソースなどから、お好みのソースをかけることができます。レストランのオリジナルソースが開発されていることもあります。もちろん、本場トルコ風に、ソースをかけないドネルケバブを提供しているお店もありますよ。
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ドネルケバブ、ケバブ、シシケバブの違い
ドネルケバブという名称に馴染みのない方でも、「ケバブ」「シシケバブ」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?どれもケバブと入っていますが、実は少しずつ意味合いが変わります。ドネルケバブとの違いは、以下の通りです。
ケバブ(kebab)
ケバブとは、主に中東とその周辺地域の料理のうち、肉・魚・野菜などをローストしたお料理の総称です。
つまり、「ドネルケバブ」はケバブの一種です。トルコ語でドネル(döner)=回転、という意味を持つため、ドネルケバブは「回転するケバブ」「肉を回転させながらローストする料理」という意味です。
その他には、イスケンデルケバブ、シシケバブ、テスティケバブなどのケバブ料理があります。
シシケバブ(Sis Kebab)
シシケバブの「シシ」とは、トルコ語で「串」のことです。つまりシシケバブは「串焼き」「串に刺してローストした料理」の意味です。アラビア語ではシシカバブと発音されます。
同じ「串」でも、ドネルケバブの串は、調理専用の大きな串。一方、シシケバブの串は、一口大に切ったお肉を刺す小さな串です。日本の焼き鳥の串を、鉄製にしたようなもの、あるいはバーベキューで使用する鉄性の串にとても似ています。
シシケバブは肉だけでなく、野菜を串にさして焼いたものも指します。お肉や野菜の、串焼きの総称がシシケバブです。
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ドネルケバブの豆知識~ドネルケバブの歴史
トルコの国民食ドネルケバブは、考案される前後に、さまざまな発展がありました。ドネルケバブに関する素朴な疑問から、ドネルケバブの歴史をご紹介します。
ドネルケバブはなぜ垂直に立てて焼くのか?
ドネルケバブの調理風景がとても目に焼き付くのは、大きな肉の塊であることと、お肉を立てたまま回転する焼き方をするからではないでしょうか?串焼き、焼き鳥、バーベキューなどと違って、なぜ串を立てて回転させているのか不思議ですよね。
実はドネルケバブの元祖が誕生した17世紀には、串に刺した羊のお肉を、バーベキューのように横にして焼いていました。それが垂直に立てられるようになったのは、1850年以後です。
トルコの古都ブルサのイスケンデル・エフェンディと言うトルコ人男性が、この焼き方を考案したと言われています。彼は幼少期、父親のレストランで羊の肉が焼かれていたのを見ていたのですが、それを横ではなく縦にして焼くことを思いついたそうです。
お肉と同時に熱源の炭火も縦にし、垂直の状態で回して焼くと、お肉から出る肉汁がしたたり、下方の肉にその肉汁が染み渡ります。横にして焼くと炭火に落ちてしまう肉汁が、縦に長くお肉を重ねておくとお肉の中にとどめられるメリットがあります。肉汁たっぷりのこってりしたドネルケバブを焼くには、この方法が効果的なのです。
こうして縦型に焼くドネルケバブは、地元ブルサで「イスケンデル・エフェンディのドネン・ケバブ(回るケバブ)」と呼ばれ成功し、その数年後にはドネルケバブといえばこの形状のものとして認知されるようになりました。
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ドネルケバブはいつから食べられている?誕生の歴史
ドネルケバブはトルコの国民食ですが、ポピュラーになったのは20世紀に入ってからです。トルコ民族の長い歴史と比べれば、最近の料理とも言えるでしょう。
ドネルケバブは、17世紀に羊の切り身肉を串に刺し横向きに焼く料理が起源となっています。その後、現在の縦型で焼くドネルケバブの形になったのは、19世紀末オスマン・トルコ帝国の時代に、ドネルケバブを焼く回転式縦型グリルが考案されてからです。
ただし、ドネルケバブが今のようにポピュラーになったのは、20世紀半ばです。1945年に、ベイティ・ギュレルという人物がイスタンブールにドネルケバブレストランを開店すると、新聞記者によりこのレストランが紹介されました。これをきっかけにドネルケバブは人気になり、外国の王族や大統領、映画スターなどもドネルケバブを食べるようになり、瞬く間にポピュラーになっていきました。
さらに1965年頃には、ドネルケバブをテイクアウトできるような料理も発案されます。お肉と野菜を挟んだドネルケバブサンドが登場したのがこの頃です。
その後ますますドネルケバブのバリエーションは増え、より庶民的・簡易的な料理が登場します「ドゥルム」と呼ばれるラップサンドや、丸いパン(ピデ)に挟んで食べる料理が人気になりました。
今ではこうしたドネルケバブのサンドは、もうひとつの有名なファーストフード「サバサンド」とともに、イスタンブールで人気のファーストフードとなっています。
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ドネルケバブのバリエーション
ドネルケバブの発展の中で、ドネルケバブにはさまざまなバリエーションが生まれてきました。その中でも、有名なものをご紹介します。
ジャーケバブ(Cağ Kebabı)「ドネルケバブの元祖」
ジャーケバブはケバブの一種で、串刺しにした肉を横に寝かせて回転させながら、炭火で焼いた料理です。ドネルケバブの元祖と考えられています。
ジャーケバブの原型と考えられているのは、東トルコのエルズルム県トルトゥムの伝統的なケバブ料理です。その他にも、トルコの首都アンカラやイスタンブールでも食べられますが、特に古都ブルサではポピュラーな料理です。
ドネルケバブとの違いは、ジャーケバブでは子羊の肉が用いられること。生後6か月以降で、大きく太めな子羊の肉(ラム肉)が使われます。
調理方法は、子羊のお肉を玉ねぎ、バジル、塩、胡椒などのスパイスでよく揉みこんで下味をつけ、一晩寝かせます。大きな串にお肉を刺して焼きあがると、「ジャー」と呼ばれる長さ20㎝位の串を刺し、刺した状態でお肉を切り削いだものを、再び炭火でこんがりと焼きます。
ジャーケバブはご当地料理として、「オルトゥ・ジャー・ケバブ(Oltu Cağ Kebabı)」の名でトルコ特許商標庁に登録されています。トルコを代表する由緒あるレシピです。
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イスケンデルケバブ(Iskender Kebab)
イスケンデルケバブは、19世紀にお肉を立てて焼く形を考案したイスケンデル・エフェンディの名にちなんだメニューです。彼が住んでいた当時のオスマン帝国の古都ブルサの名物でした。イスケンデルケバブも使われるお肉や調理法が他のドネルケバブと異なります。
イスケンデルケバブで使うお肉は、「ウルダー山のタイムを食べて育ったブルサ産の羊肉」に限定されています。イスケンデルケバブは、一口大に切ったナンのようなパン(ピデ)の上にドネルケバブをのせ、スパイス入りのトマトソースをかけます。さらに、熱々の溶かしバターをたっぷりかけ、ヨーグルトを添えるとできあがりです。
バターやヨーグルトなど乳製品を使っており、ボリュームたっぷりです。イスケンデルケバブは、1867年に発明されて以後、絶えることなく現代でもトルコ国民に愛されている人気メニューです。
アンカラドネル(Ankara döner)
アンカラは、トルコの首都です。アンカラドネルは、アンカラ特有の調理方法で作られるご当地ドネルケバブです。材料と焼き方が他のドネルケバブと異なります。
アンカラドネルで使うお肉は、「40㎏以上の雄の子羊の最長筋からとれたお肉(ロース)」です。さらにこの雄の子羊に与えるエサも限定されており、アンカラ県内の「チュブック(Çubuk)、ベイパザル(Beypazarı)、ケレジック(Kalecik)、ポラットル(Polatlı)、ハイマナ(Haymana)で自生する在来植物」とされています。
ケバブを作る際に利用する脂身には、尾脂だけが利用されます。お肉に下味をつけ串に刺したら、ナラの炭火でゆっくりと時間をかけて焼きあげます。
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ボドルム・ドネル(Bodrum döner)「野菜入りのドネルケバブ」
ボドルム・ドネルは、エーゲ海地方、トルコ南西部のムーラ県ボドルムのご当地メニューです。ドネルケバブのお肉を串に刺し積み重ねる際に、肉の間に野菜(トマト、ピーマン、人参、グリーンピース、ジャガイモなど)を挟むドネルケバブです。
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世界と日本で食べられるドネルケバブ
今ではトルコ以外の国でも大人気のドネルケバブ。世界の国々や日本では、どのように食べられているのでしょうか?各国でのドネルケバブの食べ方、人気のメニューをご紹介します。
日本で受け入れられているドネルケバブ
昨今は日本でもドネルケバブが有名になっています。主に屋台やキッチンカーでケバブサンドが提供され、ファーストフードとしてお馴染みになっています。
2014年からは毎年、ケバブ日本一を決める「ケバブグランプリ(KEBA-1)」が新宿で行われ、ますます定着してきています。
日本でのドネルケバブの発展
日本でドネルケバブが最初に紹介されたのは1980年代で、ドネルケバブのお店が日本国内にオープンしました。さらに2000年代に入ると、東京・名古屋・大阪などを中心に、ドネルケバブの店舗が増えてきます。フランチャイズとしてドネルケバブのレストランがチェーン展開すると、さらにドネルケバブは日本の食文化に浸透してきました。
日本のドネルケバブの特徴
日本のドネルケバブの特徴は、伝統的な日本のメニューにドネルケバブを取り込み、オリジナルのメニューを作り出していることです。
ケバブ丼やケバブ海苔巻きなど、トルコ人にはびっくりするようなメニューも。従来の日本食メニューにトッピングやバリエーション展開として、ドネルケバブが取り入れられています。
さらに、各地のご当地食材をドネルケバブのバリエーションメニューに取り入れることが多いです。ドネルケバブは元来、羊の肉で食べられていた料理ですが、その羊の肉(生後2~7年の羊の肉マトン)の産地で有名な福島県南会津郡只見町では、ご当地の「只見マトン」を使い「味付けマトンケバブ」を考案しました。味付けしたマトンをキャベツと一緒にピタパンに挟み、甘酸っぱいドレッシングをかけた料理です。
ドネルケバブ好きはぜひ味わってみたいですね。
世界でドネルケバブは食べられている?
多くの食文化が伝達されてきたように、ドネルケバブもトルコ人の移動・移民によって、世界に伝えられていきました。トルコ人移民がヨーロッパへ、ギリシャ系やレバノン系の移民がアメリカ大陸へ移住することで、ドネルケバブが各地に広がっています。
それらの国を通じて、20世紀半ば以後になるとドネルケバブはファーストフードとして多くの国で食べられるようになりました。ドネルサンドがそれぞれの国の食文化にあう形で親しまれています。味つけ、ソース、入れる野菜など、各国でさまざまなバリエーションがあるのがとても面白いです。
世界に広がるドネルケバブの歴史
ドネルケバブの発展を年代順に追ってみましょう。
1960年代 | メキシコで、アラブのシャワルマ(ドネルケバブと同等のもの)から発生した“タコス・アル・パストール(taco al pastor)”が広がる。 |
---|---|
1960年代末 | トルコ人移民が、ドイツにてドネルケバブ店を開店。 |
1966年 | ロンドンにてドネルケバブ第1号店がオープン。 (他の大都市では、1970年代末からオープン) |
1971年 | ギリシャ風のドネルケバブ「ギロス」が、ギリシャとニューヨークでポピュラーになる。 |
1972年 | 「ドネア(Donair)」(=ギリシャからカナダへ伝わったドネルケバブのバリエーション)が、ノバスコシア州ハリファックスへの移民により発明される。 (その後、短期間でハリファックスの御当地料理となりカナダ全国に広まる。) |
1972年 | ドイツのベルリンで、トルコ人移民のドネルケバブ店にて独自のケバブサンドが考案される。 (その後、瞬く間にドイツおよびヨーロッパに普及する) |
「ケバブサンド」はドイツ発祥!
各国でオリジナルなバリエーションを持つケバブサンドですが、実はドイツ発祥の料理です。日本で現在よく食べられるケバブサンドが、ドイツ発祥であることを知らなかった人は多いのではないでしょうか。このドイツのケバブサンドは、今でもトルコではあまり広まっていません。
ドイツ発祥のケバブサンドですが、開発したのはドイツ人ではありません。ドイツは移民大国で、トルコ人の移民もとても多い国です。そのトルコ人移民のひとりであったカディル・ヌルマンさんが、ドネルケバブ店をドイツで開店しドイツ風ケバブサンドを考案しました。
このドイツのケバブサンドは、もともとトルコにあったドネルケバブのサンドとは違うもので、お肉とスライスオニオンなどの野菜をいれたものでした。テイクアウトできること、食べやすいことが売りで、忙しいドイツ人のために考案されました。
その後、ケバブサンドはヨーロッパの食文化に合わせ、さらに変化を遂げていきます。低価格でボリュームたっぷり、手頃に食べられる形態のため、ドイツや周辺のヨーロッパの国々でポピュラーになり、ファーストフードのひとつとなっています。現在でもドイツでは、ケバブサンドは国民食と言えるほど浸透しています。
ドネルケバブのおすすめメニュー!
元祖ドネルケバブから、さまざまなバリエーションのあるドネルケバブ。おすすめのレシピと、それぞれの特徴をご紹介します。
トルコで人気のドネルケバブメニュー
実際にトルコのレストランでは、ドネルケバブがどんな形で提供されているのでしょうか?トルコで食べられるドネルケバブメニューをご紹介します。
ポーション
お皿の上にドネルケバブと、トマトやフライドポテトなどの野菜が一緒に添えられるメニューです。お肉がメインで、お肉の量は約100~150gとボリュームいっぱいお肉が食べられます。
ドゥルム(Dürüm) / カシャールル(Kaşarlı)
ドゥルムは、トルティーヤのような薄い生地「ラヴァシュ」で、ドネルケバブと野菜(ポテト、トマト、ピクルスなど)を一緒に巻いたラップサンドです。
これにお好みでチーズも入れたものを「カシャールル」と呼びます。生地が薄いので、ドネルケバブをメインに食べたいときにぴったり。手にも持ちやすく食べやすい点もポイントです。お肉の量は約80~100gなので軽食としても食べられます。
ピデ(Pide)/トンビック(Tombik)
ピデ(トンビック)とは、直径20㎝位の丸いふっくらしたピタパンのこと。このピタパンの中に、ドネルケバブ、ポテト、トマト、ピクルスを挟みます。挟みこむものはドゥルムと同じですが、挟む生地がピタパンに変わっているのが特徴。このピタパンは、日本によくあるピタパンよりもふっくらとしており、もちもちで食べ応えありますよ。
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エキメッキ・アラス
エキメッキ・アラス、トルコのサンドイッチのことです。エキメッキ(Ekmek)=パンのことで、外はカリっと、中はもちもちのパンです。
このパンを半分に切って、ドネルケバブ、ポテト、トマト、ピクルスなどをサンドします。もちもちとしたパンなので、とても食べ応えがあります。
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ピラフ・ウスト(Pilav ustu)
トルコ料理のピラフ(ピラウ)とは、バターで炒めたライスのことです。このバターライスの上に、ドネルケバブをそのまま乗せたのが、ピラフ・ウストです。
もともとトルコでは、ドネルケバブを食べるときには、たっぷりの野菜やピラフと一緒に食べることが一般的です。トルコのお米は日本のお米のように、ふっくら、もちもちの食感なので、日本人の舌にも合います。
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トルコ以外で人気のドネルケバブメニュー
ドネルケバブはトルコ以外の国でも広く食べられるようになりました。各国の食材や味覚に合わせて、独自に発展したドネルケバブのレシピ、トルコにはないメニューをご紹介します。
ケバブサンド(ドイツ発祥)
日本でもよく目にするケバブサンド。ピタパンに野菜とケバブを挟んだサンドはドイツ発祥の料理です。その後ドイツからヨーロッパ諸国へケバブサンドが伝わり、様々な形のケバブサンドが現れました。
ヨーロッパで主流のケバブサンドには、このような特徴があります。
- 薄焼きのパン(=ピタ)で挟む
- 豊富な野菜を一緒に挟む(レタス・赤キャベツ・キュウリ・トマト・玉ねぎなど)
- サンドの上から、ソースをたっぷりかける(マヨネーズやヨーグルトなど)
- スパイスやハーブも利用(チリ、ガーリック、その他ヨーロッパのハーブなど)
ヨーロッパの食文化に合わせ、野菜が多いのが特徴です。
ケバブ丼(日本)
日本人の好みに合わせ、ご飯の上にドネルケバブと野菜を乗せ、ソースをかけたものがケバブ丼です。まだまだめずらしいケバブ丼ですが、ドネルケバブ屋で提供され始め、今ではケバブ丼を提供するお店の数も増えてきています。日本のお米と一緒にドネルカバブが食べられる嬉しいメニューです。
ドネルケバブを食べるなら、飲み物はこれがオススメ!
こってりしたドネルケバブをしっかり食べるとき、相性のよい飲み物をご紹介します。
アイラン(Ayran)
アイランは、簡単に言えばヨーグルトドリンク。ヨーグルトに水と塩を混ぜた飲料で、トルコの国民飲料です。ヨーグルトドリンクといえばインドのラッシーを思い浮かべますが、ラッシーのようにスパイシーな味や甘さがなく、さっぱりとした味です。
こってりしたドネルケバブを食べながら、お口をすっきりさせるのにぴったり。身体にもよい乳製品なので、健康志向の方にもおすすめです。
アイランは夏場やダイエットにもおすすめ!飲み方や美味しいレシピを紹介
トルコビール
ディナーでドネルケバブを食べるなら、お酒も飲みたいところ。トルコビールはとてもさっぱりした味で、癖がなく飲みやすいことで有名です。普段ビールが苦手な方でも飲めるほど飲みやすいビールですよ。
トルコの三大ビールメーカー、EFES(エフェス)/ BOMONTI(ボモンティ)/ TUBORG(トゥボルグ)のビールは、どれもお料理にとてもよく合うビールです。
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ドネルケバブおすすめレストラン
本場トルコのレストランから、日本でドネルケバブが食べられるレストランまで、オススメのお店をご紹介します。
本場トルコで食べるドネルケバブのおすすめレストラン
トルコのおすすめレストランを紹介します。
Şehzade Cağ Kebap(シェフザーデ・ジャー・ケバ)
イスタンブールの旧市街スィルケジにある「Şehzade Cağ Kebap」は、イスタンブールで一番人気のジャーケバブのお店として有名です。多くの地元民の方たちで賑わっていますが、客の回転も良く、待つことなく食事ができます。
このお店のジャーケバブは、香ばしくてとてもジューシー。何度でも食べたくなるような美味しさで、イスタンブールを訪れたらぜひのぞいてみたいお店です。
店名 | Şehzade Cağ Kebap(シェフザーデ・ジャー・ケバ) |
---|---|
住所 | Hoca Paşa, Hoca Paşa Sk. No:6 D:4, 34110 Fatih/İstanbul |
Kebapci İskender(ケバプチュ・イスケンデル)
ドネルケバブの発案・創始者のイスケンデル・エフェンディさんの時代から、150年以上続く老舗のレストランです。そのイスタンブール支店(アジア側のカドゥキョイ)がこのレストラン。
本店は古都ブルサにありますが、イスタンブールで発案当時の味を堪能できる貴重な場所です。
店名 | Kebapci İskender(ケバプチュ・イスケンデル) |
---|---|
住所 | Rıhtım Cd. PTT Yanı Kadıköy, İstanbul |
公式サイト | https://iskenderiskenderoglu.com.tr/subelerimiz |
İskender(イスケンデル)
ドネルケバブの発案・創始者のイスケンデル・エフェンディさんの長男が暖簾分けして開いたレストラン。このお店もイスタンブール(ヨーロッパ側のニシャンタシュ)にあり、元祖の味を堪能できます。
店名 | İskender(イスケンデル) |
---|---|
住所 | Nişantaşı Teşvikiye Mahallesi Şakayık Sokak No:67 Şişli/İstanbul |
公式サイト | http://www.iskender.com.tr/nisantasi.html |
日本で食べるドネルケバブのおすすめレストラン
気軽に入れるケバブ屋さんから、本格的なトルコ料理レストランまで、オススメのお店をご紹介します。
スターケバブ
今日の気分は・・・😋
チキンケバブ肉❣❣
★チキンイフティヤール
★チキンピタ ★チキンポテトカップ
お好きなソースを選んで、お好みのサンドを😍
お待ちしてます🤗👍#スターケバブ #チキンケバブ #お好みソース #食べよっか #うまいよ #大盛り #イスケンデル #ミックス pic.twitter.com/8NXv6ao6P3— スター★ケバブ 秋葉原! (@starkebab) May 25, 2022
1999年に営業開始したケバブ屋さんで、東京でも老舗のお店です。創業当時から変わらない美味しさが好評で、ケバブの美味しさ日本一を競う「ケバブグランプリ(KEBA-1)」の初代グランプリになったほど。
ケバブのお肉はビーフとチキンから選べ、サンドにするパンもいくつかの種類から選べるという本格派。ソースにもこだわりがあり、自家製ソースも人気です。
スターケバブは秋葉原に3店舗あり、店舗により少しずつメニューが異なります。ケバブ丼やケバブ海苔巻きが味わえる店舗もあるので、ぜひ各店舗を訪れてみたいですね。
店名 | スターケバブ |
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住所 | 東京都千代田区外神田1-8-10 バウハウスビル1階(1号店) |
公式サイト | http://www.kebab.co.jp/ |
ケバブ家
シェフやスタッフはトルコ大使館主催のレセプションやトルコ大使館付属施設の東京ジャーミイにて調理を担当した経験を持つという本格派のお店。トルコ人にも人気です。
日本最大のモスク「東京ジャーミイ」とは?日本でトルコの雰囲気を味わおう
曜日によってケバブのお肉の種類が変わるので、好みのお肉を選んで行くのも良いでしょう。パンも本格的なトルコ風のパンで、ふっくらもちもちとしたピタパンが味わえます。
店名 | ケバブ屋 |
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住所 | 東京都新宿区新宿3-6-7第6三和ビル別棟1F |
公式サイト | https://kebabye-tokyo.com/ |
SARAY(サライ)銀座店
「SARAY(サライ)」とはトルコ語で「宮殿」の意味。イスタンブールのトプカプ宮殿にちなんだ店名です。ケバブサンドではなく、本場トルコと同じスタイルでドネルケバブが食べられるレストランです。
定番のケバブはもちろん、野菜をたっぷりと使った煮込み料理や、ヨーグルトやチーズを使った料理など、本場のトルコ料理が味わえます。銀座駅から徒歩2分でアクセスしやすいのも魅力です。
店名 | SARAY(サライ)銀座店 |
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住所 | 東京都中央区銀座5-10-6 第一銀座ビルB1F |
公式サイト | https://saray-ginza.com |
アンカラ 道玄坂店
1988年から愛されている老舗のレストランです。ドネルケバブをはじめ、イスケンデルケバブなど10種類弱のケバブが味わえます。また、肉料理から野菜料理までメニューのバリエーションも豊富です。
味の傾向も、スパイシーな肉料理から、さっぱりしたヘルシーな野菜料理までさまざま。ぜひ好みの一品を見つけてください。
お店の中はひっそりと落ち着ける隠れ家的レストランですが、渋谷駅から徒歩1分とアクセスも良いですよ。
店名 | アンカラ 道玄坂店 |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区道玄坂1-14-9ソシアル道玄坂B1F |
公式サイト | https://www.ankara.jp/dogenzaka/index.html |
トルコで本場のドネルケバブを味わってみて!
一度目にしたら忘れられない印象的なドネルケバブ。本場トルコの国民的料理なので、トルコ料理にチャレンジしてみたい人は、まず食べてみたいメニューです。
トルコ料理と意識しなくても、ケバブサンドなど日本のファーストフードとして定着しているメニューもあり、気軽に食べられる点も魅力。日本ならではのバリエーションも増えていて、今後ますます発展しそうな料理です。
トルコに行ったらぜひ本場のドネルケバブを堪能したいですね。世界中に広がった様々なドネルケバブも味わってみてはいかがでしょうか。
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