レンズ豆は栄養豊富なヘルシー食!調理方法やおすすめレシピを紹介
更新日:2023.02.27
投稿日:2022.08.15
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レンズ豆は日本ではあまりなじみのない食材ですが、トルコやイタリア、フランスやインドなどでは一般的な食材で、常備菜によく使われています。栄養価が高くて調理もしやすく、まん丸な形が親しみやすい人気の食材です。
今回は、レンズ豆の特徴や種類、栄養について、そしてレンズ豆を使ったレシピを紹介していきます。
レンズ豆とは
レンズ豆は、丸くて薄い形をした豆で、中央が少し膨らんだ形が特徴的です。厚さは2〜3mm程度で、直径は種類によって3〜9mm程度と幅があります。
注目すべきは、2006年に発行されたアメリカの健康専門誌「Health」で世界五大健康食品のひとつに選ばれたほど、ヘルシーな食材という事実です。レンズ豆はカロリーと脂質が低く、ビタミンBやミネラル、タンパク質、食物繊維やカリウムが豊富に含まれています。
また、調理が簡単なことも重宝される理由の一つ。レンズ豆は通常乾燥豆として売られていますが、水戻しや下茹でが不要。平たい形をしているため火が通りやすく、調理の手間いらずな点が魅力です。
レンズ豆は、国によっては縁起のいい食べ物としても親しまれています。その丸い形がコインのように見えるため、イタリアやハンガリーでは翌年の幸せを願って大晦日にレンズ豆の料理を食べる風習があるそうです。
レンズ豆の歴史
レンズ豆は「世界最古の栽培植物の一つ」とも言われるほど、古くから食べられており、発祥はメソポタミア地域と考えられています。トルコでは紀元前5500年ごろの遺跡からレンズ豆が見つかりました。
レンズ豆は、「凸レンズに形が似ていることから名づけられた」といわれることもありますが、実際は凸レンズが発明されるよりもずっと前から存在していたのです。ですから、凸レンズの方が、レンズ豆の名前に由来していると考えるのが正しいようです。
レンズ豆の味
レンズ豆は、「じゃがいものようなほくほくとした食感」と「枝豆のようなほのかな甘さ」そして「豆の青っぽさ」を楽しめる食材です。一般的な豆の食感や味が苦手でも、レンズ豆は好きだという人もいます。
さまざまな料理に合わせやすく、スープやサラダ、煮込み料理などに活用できます。サラダではプチプチとした食感が際立ち、煮込むとほっくりとした食感を楽しめるでしょう。
レンズ豆の栄養
レンズ豆は「世界五大健康食品」の一つと言われるほど健康的で栄養豊富な食べものです。
レンズ豆には特に、タンパク質や鉄分、ビタミンB群、ビタミンE、レシチンなどが豊富に含まれています。そのため、貧血や疲労回復のほか、美肌効果や老化予防、免疫力アップなどにも期待ができるうれしい食材です。
ちなみに、米Health誌が選出した世界五大健康食品はほかに、韓国のキムチ、日本の大豆食品、スペインのオリーブオイル、ギリシャのヨーグルトが挙げられています。
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レンズ豆をよく食べる国
レンズ豆をよく食べている国としては、トルコ、インドに加えてフランスやイタリア、スペインなど。それぞれの国ごとに名物料理があります。
トルコのレンズ豆料理として人気なのは、キョフテというハンバーグ料理やチョルバというスープです。
インドでは、ダルカレーと呼ばれるスープカレーにレンズ豆を使用します。
フランスでは、塩・こしょうやハーブに漬けた豚ブロック肉と共にレンズ豆を煮込む料理プティ・サレ・オ・ランティーユが定番です。
イタリアでも、豚肉と縁起物であるレンズ豆を共に煮込む料理を、大晦日に家族で食べるのが習慣です。
レンズ豆の種類
レンズ豆には、いくつか種類があります。どんな食感を楽しみたいのか、どんな風味を味わいたのかなど、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。レンズ豆の種類と特徴を紹介するので、参考にしてください。
皮あり・皮なし
市販されているレンズ豆には、皮が付いたままのものと、皮が除去されているものがあります。見た目の色も違いますが、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。一般的に、皮つきのレンズ豆を使うのは、丸い形や食感を残した料理にしたいとき。皮なしを使うときは、料理にとろみをつけたいときなどです。
また、元々下茹でなどが不要なレンズ豆が多いですが、皮なしであればすぐに調理に使えるため、時間のないときなどに重宝します。
茶・赤・緑
レンズ豆は、産地によって外皮や中身の色が異なります。一般的に市販されているレンズ豆は、大きく分けて3つの種類があります。
- 茶レンズ豆……皮付き、煮崩れしにくい
- 赤レンズ豆……皮なし、潰す・とろみをつける料理に向いている
- 緑レンズ豆……皮付き、煮崩れしにくい、日本では入手困難
日本で売られているレンズ豆はアメリカ産やカナダ産などの茶色か赤のものが主流です。緑レンズ豆のなかでも、フランスはオーヴェルニュ地方のル・ピュイで生産されているものはレンズ豆のなかでも最高品質と言われています。繊細な香り、そして豆の味をしっかりと感じられるのが特徴です。一度食べてみたいですね。
レンズ豆を使ったレシピ
レンズ豆はとても便利な食材なので、国によってもさまざまなレシピがあります。日本でも、レンズ豆料理を自宅で作れます。
とはいっても、どんな料理があるのか、どんな調理法に向いているのかなど、わからないことが多いですよね。ここからはおすすめレシピを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
調理の前に!「レンズ豆の茹で方」
まずは、レンズ豆の茹で方をお伝えします。
乾燥レンズ豆をボウルなどに入れ、さっと水で洗いましょう。続いて、鍋に水をたっぷりと張り、そこへレンズ豆を入れます。このとき、ローリエやブーケガルニを入れると、フランス風になります。鍋を強めの中火にかけ、沸騰したら火を少し弱めて10~20分ほど茹でればOKです。
皮なしの赤レンズ豆の方が少し早く茹で上がります。茹で加減は試食して確認してください。
付け合わせにもおつまみにも「レンズ豆のサラダ」
レンズ豆のサラダは、パリジェンヌたちにとても人気の高いメニューです。それは、レンズ豆が鉄分の補給にぴったりの食材だから。玉ねぎやベーコンを入れて作ると絶品です。ぜひお試しください。
まず、玉ねぎ、または赤玉ねぎをみじん切りにしておきます。そして、ベーコンは食べやすい大きさに切ってカリカリに焼いておくのがおすすめ。お好みで、ミニトマトやお好みのチーズなどを入れてもおいしいです。
ドレッシングには、白ワインビネガーやマスタード、オリーブオイルを使ってみてください。白ワインビネガーがないときには、お酢に白ワインを少量混ぜればOKです。最後に塩とこしょうで味を調えて、仕上げましょう。イタリアンパセリのみじん切りも合わせると、より大人っぽいおいしさになります。
インド料理の定番「ダルカレー」
レンズ豆を多く消費する国、インドではダル=豆のカレーが定番です。
作り方はとても簡単。ベースとしては、スライスした玉ねぎとざく切りしたトマトを炒めたものにレンズ豆を加えて煮込むだけ。煮込む際に、香りの立つものやスパイスを入れると「本場感」を演出できます。
玉ねぎをよく炒めたら、トマトを加えてさらに炒めましょう。トマトの水分がなくなったら、にんにくのみじん切りを入れ、そのまま少し炒めてください。軽く火が通ったら、レンズ豆とお好みのスパイスを入れて水を足します。
レンズ豆が好みの硬さになるまで煮ると、30分ぐらいかかります。長時間煮込むことでスパイシーさが飛んで風味が丸くなってしまうため、より本場らしさを求める方は、クミンシードやマスタード、カレーリーフなどをココナツオイルで炒めたものを、オイルごと鍋に入れて仕上げるととてもいい香りが立ち、本場感あふれる仕上がりになります。
ごはんと共に食べても、ナンと共に食べてもおいしい大満足のカレーの出来上がりです。
優しい味わいに癒される「レンズ豆のポタージュ」
レンズ豆のポタージュは、レンズ豆のおいしさを存分に楽しめるメニューです。まず、玉ねぎを1つ分スライスします。深めのフライパンか鍋にオリーブオイルを入れて、玉ねぎをしんなりするまで炒め、その後フタをして3~4分蒸し焼きにしましょう。
レンズ豆と水を玉ねぎの鍋に入れて、レンズ豆が柔らかくなるまで30分ほど煮ます。レンズ豆が柔らかくなったら、ハンドブレンダーにかけてスープ状になればでき上がりです。器に盛りつけ、最後に黒コショウとオリーブオイルを少々かけるとさらにおいしさが引き立ちます。
今回はフランス風のポタージュを紹介しましたが、食べるスープのようなインド風やイタリア風、そしてチョリソーなどを入れた満足感のあるスペイン風など、さまざまなレンズ豆のスープがありますので、興味がある方はいろいろと試してみてください。
ワインとの相性も抜群「レンズ豆の煮込み」
レンズ豆を常に常備している家庭も多いフランスやイタリア、スペインでよく作られているのがレンズ豆の煮込みです。
基本的なレシピは、玉ねぎとにんにくのみじん切り、そしてお好みの大きさに切ったベーコンを炒め、そこにレンズ豆と水を足して煮込むというもの。レンズ豆を入れたら、30分ほど煮込んでください。
その際、白ワインやタイムなどを加えると香りが良くなります。また、マスタードを加えてみると、ひと味違ったレンズ豆の煮込みが楽しめ、おすすめです。
使用するレンズ豆は、乾燥レンズ豆がおすすめですが、水煮缶を使えばより時短になります。乾燥レンズ豆を鍋に入れて煮込む前、ほかの材料を調理している間に浸水させておくのも時短テクのひとつです。
レンズ豆を使ったトルコ料理のレシピ
レンズ豆を使った料理は、魅力的なものばかり。トルコにも、レンズ豆を使ったおいしい料理がたくさんあります。日本ではあまり目にしない食材もありますが、ネット通販を使えば簡単に手に入ります。材料さえ揃えれば特別ハードルの高い料理ではないので、紹介するレシピで、おうちトルコ料理にぜひ挑戦してみてください。
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トルコ風レンズ豆のスープ「メルジメッキチョルバス」
メルジメッキはトルコ語でレンズ豆のこと、そしてチョルバスはスープのことを指します。レンズ豆をよく食べるトルコでも、このメルジメッキチョルバスは特にポピュラーな料理です。
まず、赤レンズ豆は茹でておきます。そして、玉ねぎのみじん切りをオリーブオイルで炒めたものにさらに小麦粉を入れ、塩・こしょうで味を整えます。材料をすべて合わせたら、とろみがつくまで煮込めば完成です。
乾燥ミントやチリパウダー、レモン汁などを加えると本場感が楽しめます。
ヘルシーなベジハンバーグ「メルジメッキキョフテ」
キョフテは、トルコ風のミニハンバーグのことです。主な材料としてレンズ豆とブルグル(トルコの国民食であるひきわりの小麦)を使います。ブルグルは日本でも知られているクスクスのイメージに近いものです。
キョフテでは、赤レンズ豆を使います。赤レンズ豆は茹でておき、ブルグルはお湯に浸けてふやかしてください。玉ねぎのみじん切りを炒めておき、茹でた赤レンズ豆とふやかしたブルグルを混ぜ合わせます。さらにみじん切りにしたネギやパセリ、そしてトルコのトマトペーストであるサルチャをすべて一緒に混ぜてこね、ひと口大の団子状にします。味付けは塩、こしょうやクミン、チリパウダーなどでスパイシーに。
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食べるときにレタスを巻いたり、レモンを少し絞ったりしてもおいしいですよ。
レンズ豆を買える場所
実店舗としては「業務スーパー」や「カルディ」などが挙げられます。また、「イオン」などの大型スーパーやデパートなどに行くと、レンズ豆を取り扱っているお店もあります。
確実に入手するためには、Amazonや楽天などの通販を活用しましょう。カルディの通販も、便利です。
ラ・プレッツィオーザ レンズ豆(レンティル) 400g – カルディコーヒーファーム オンラインストア
ここまでお伝えしてきたように、レンズ豆には乾燥タイプと水煮タイプ(缶詰)があります。乾燥タイプの方が食感や味がいいと感じる人が多いですが、水煮タイプは調理時間が短くて済む点が魅力的です。普段は乾燥タイプを使うけれど、時間のないときは水煮缶、という風に使い分けてもいいですね。
また、煮崩れしにくく豆の食感を楽しめる皮つきタイプと、火が通りやすく崩しておいしく食べる皮なしタイプもあるので、その点もお好みで選んでみてください。
レンズ豆の保存方法
未開封の乾燥レンズ豆であれば、通常1~3年程度の保存期間が設定されています。開封後は密閉容器に入れ、冷蔵庫の野菜室で保管するのがおすすめです。
レンズ豆の水煮缶も保存期間は長めですが、開封後は同じく密閉容器に入れて冷蔵保存してください。水煮缶は一度開けたら2~3日ほどで使い切りましょう。
乾燥レンズ豆を茹でた後で保存した場合は、おいしさのしみ出している茹で汁ごと容器に入れて、冷蔵保存してください。水煮缶と同じく2~3日程度おいしく食べられます。このとき、小分けにして茹で汁ごと冷凍庫に入れておけば、1~2か月は保存可能です。
低カロリーで栄養満点なレンズ豆料理を楽しんで
レンズ豆は世界中で愛されているヘルシーで栄養豊富な食材です。一般的な豆と違って手間が少なく調理できることや、そのほくほくとした食感や優しい味わいなどが親しまれています。スープやサラダとして簡単に使えるほか、カレーや肉料理の付け合わせなど、幅広く使える点も魅力です。ぜひ一度、レンズ豆のおいしさを体験してみてください。
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