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世界有数の古代遺跡アフロディシアス|美神アフロディーテ由来の町

更新日:2023.04.05

投稿日:2022.06.30

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アフロディシアス 遺跡

アフロディシアス遺跡はトルコ南西部にある古代遺跡で、なかでも競技場の保存状態は世界でもトップクラスに良いとされています。2017年には「アフロディシアス(英語名:Aphrodisias)」として世界文化遺産にも登録されました。

世界遺産への登録が最近なので日本での知名度は高くありませんが、古代遺跡が好きな人なら一度は立ち寄りたい貴重な場所です。今回は、アフロディシアスの歴史や遺跡の見どころなどをご紹介します!

アフロディシアスの歴史

アフロディシアス 遺跡

アフロディシアスの歴史は銅器時代にまで遡ります。最初に定住したアッシリア人によって紀元前5世紀に都市が建設され、紀元前2世紀には1kmの土地に約1万5千人が暮らしていたとされています。

アフロディシアスは文学、芸術、医学に秀でており、紀元前2世紀から6世紀まで栄えた古代ギリシャ・ローマ時代において最も壮大な都市の一つでした。そして、カリア地方(現トルコ南西部)で最も美しい町とも言われていました。

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アフロディシアスという名の由来と意味

アフロディーテ キプロス

紀元前1世紀、ローマの将軍スッラはデルフィーの神託(神のお告げ)に従って、愛と美を司る女神アフロディーテを祀る神殿を建造しました。神殿にはアフロディーテに捧げる斧と金の冠を奉納したことから、この町は「アフロディシアス」の名で呼ばれるようになりました。

アフロディシアスという町の名前は、ギリシャ神話の主神ゼウスの娘であり、愛と美を司る女神であるアフロディーテに由来していたのです。

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大理石彫刻で発展

アフロディシアス 遺跡 アフロディーテ神殿

アフロディシアスの近隣には大理石の採石場があり、古くから良質な大理石が産出されていました。そのため、アフロディシアスでは彫刻技術が発達し、彫刻品や装飾品などを近隣諸国に広く輸出することで発展を遂げたといわれています。

作品だけでなく、アフロディシアスでは多数の大理石彫刻家が育成されていました。ローマ帝国ではカリア(アフロディシアス)の彫刻家が非常に人気だったとされており、彼らの彫刻作品は近郊の町パムッカレ・ヒエラポリス(ローマ時代の温泉郷として知られる世界遺産)にまで届いていました。

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もちろん、アフロディシアスの町にも多くの彫刻やレリーフが残されており、鑑賞が可能となっています。

アフロディシアスの発展から衰退

ローマ浴場跡 トルコ 風呂

アフロディシアスはヘレニズム時代に町として発展し始め、ローマ時代には都市としてゆるぎない地位を確立しました。3世紀にはカリア地方の首都となり、その後のビザンツ時代にはカリア地方の大主教(キリスト教のなかでも上位の役職)が置かれるようになったのです。

しかし、7世紀はじめにアフロディシアスは大地震に見舞われてしまいます。地震による被害の修復が部分的にしか行われなかったため、アフロディシアスの町は元の姿に戻ることなく衰退していきました。町の名はキリスト教の影響を受けて「スタヴロポリス」(十字架の都市)に変わり、1078年まで東ローマ帝国領として統治されました。

その後、11世紀から13世紀にかけてセルジュークトルコに征服されます。これを機にアフロディシアスの住民は一気に町を離れ、12世紀にはアフロディシアスは廃墟と化しました。

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ゲイレ村はもともと遺跡の上にあった?!

アフロディシアス 遺跡

セルジュークトルコが主権を確立して以降、「カリア」という地名はトルコ語の「ゲイレ(Geyre)」へと変化していきました。

そして、1413年にオスマン帝国のメフメト2世が皇帝として即位すると、15~16世紀にはアフロディシアスの遺跡の上にゲイレ村が築かれました。

ゲイレ村はアフロディシアス遺跡の上に位置していましたが、1961年に1kmほど西の現在の位置に村ごと移転したことで、遺跡の発掘が進められるようになりました。現在に至るまで、アフロディシアス遺跡の発掘作業は続いています。

2017年に世界遺産に登録!

アフロディシアス遺跡は2017年、トルコで17番目の世界遺産として登録されました。都市部の遺跡だけでなく、遺跡の北東にある古代大理石採石場も含めての登録となっています。

アフロディシアス遺跡の見どころ

アフロディシアス 遺跡

アフロディシアス遺跡は、イスタンブールから約670km離れたトルコ南西部の内陸に位置するゲイレ村にあります。

アフロディシアスに現在残っている遺跡の大半は2世紀頃のものとされ、発掘された彫像の保存状態の良さは他の遺跡と比べても群を抜いています。そんなアフロディシアス遺跡の見どころを紹介します!

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競技場

世界的にみても保存状態が非常によいアフロディシアス遺跡の競技場は、1~2世紀に造られました。

ローマ式のスタジアムは長さ262m×幅59mの広さに観覧席が20段もあり、3万人もの観客収容が可能でした。階段状の客席がしっかりと残っており、世界にある古代競技場の中でもとくに保存状態が良いとされるのも納得です。

陸上競技のほか、レスリングやボクシンング、動物同士の戦い、彫刻家・笛吹きなどの表彰も行われていました。

アフロディーテ神殿

アフロディシアス 遺跡

イオニア式で建てられたアフロディーテ神殿は、13m×8mの空間に円柱が二重列柱堂のような構造で並ぶ形となっています。

ローマ皇帝アウグストゥスの時代に完成し、ハドリアヌス帝の時代には境内が付け加えられました。ビザンツ時代の5世紀になると神殿は教会として使われ、東端には今もなお本堂の一部が残っています。

1962年には、高さ3mにわたる、長いローブをまとったアフロディーテ像が神殿跡から発掘されました。古代のアフロディシアスにおいて、アフロディーテが信仰対象であったことを裏付ける貴重な資料となっています。

テトラピロン

アフロディーテ神殿 アフロディシアス 遺跡

アフロディーテ神殿の東にはテトラピロン(境内入口)があります。2世紀に建設され、らせん状の溝が入った円柱によって支えられている門で、儀式に使われていたといわれています。

議事堂

アフロディシアス遺跡の議事堂は、1世紀から2世紀にかけて建造されました。もともとは屋根付きでしたが、4世紀に発生した地震の影響で屋根の大部分が壊れてしまいました。それでも保存状態はかなり良いとされており、柱廊玄関からは廊下を経てステージへとつながる構造になっています。

議事堂の西側には、青い大理石の円柱を持つ主教の館があります。ローマ時代末期に造られ、ビザンツ時代に主教館としての役割を与えられた建物です。

劇場

アフロディシアス 劇場

アクロポリスの丘の東斜面に位置する劇場は、紀元前1世紀に造られ、1万人もの観客を収容したとされています。保存状態がとても良く、ステージや27列の観客席、高さ5mもあるステージ後ろの壁もしっかりと残っています。

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ハドリアヌスの浴場

ローマ式の浴場はいくつもの部屋に分かれ、熱いお湯が出る風呂や水風呂など、さまざまな種類が存在しました。このハドリアヌス浴場は2世紀に建てられ、5つの部屋と円柱のある中庭、格闘技練習場(パライストラ)を備えた浴場でした。

アゴラ

アフロディシアス アゴラ

アゴラとは公共の広場のことを指し、アフロディシアス遺跡で見られるアゴラは7千人も収容できるほどの大きさでした。長いイオニア式の柱廊玄関が2カ所あり、北側のホールの柱がポプラの木々の間に残っています。

広場の真ん中には巨大な泉(プール)もあり、その長さは170mもあったとされています。

アフロディシアス博物館

アフロディシアス 像

アフロディシアス博物館は、アフロディシアス遺跡の出土品を保護するため1972年に建設が開始され、1979年より一般公開されました。

アフロディシアス遺跡では、現在にいたるまで半世紀近くにわたって発掘作業が続けられています。アフロディシアスで発掘された遺物の多くが、アフロディシアス博物館に展示されています。

発見された物品は膨大な数にのぼり、保存状態のよい彫像やレリーフ石棺など、見ごたえ十分です。とくに注目すべき収蔵物は、オデオン(音楽堂)やセバステイオン(神殿)などで発掘された彫像です。具体的には、以下のような彫像を鑑賞できます。

  • 哲学者や詩人の像
  • 女神メルポーネの彫刻に囲まれたアポロ像
  • アマゾンの女王ペンテシレイアの死体を引きずるアキレウスの像
  • 祭儀に使われていたとされるアフロディーテ像
  • ネクロポリス(墓地)から出土した嘆く女性たちのレリーフ

遺跡を訪れる際はぜひ博物館にも足を運び、アフロディシアスの歴史や魅力を存分に感じましょう。

名称 アフロディシアス遺跡・アフロディシアス博物館(Afrodisias Antik Kenti)
住所 Geyre, 09385 Karacasu/Aydın, トルコ
開館時間 ・4月1日~10月31日(夏季):8:30~19:00
・11月1日~3月31日(冬期):8:30~17:30
※最終入場は閉館30分前まで
※砂糖祭、犠牲祭の初日は13:00より開館
休館日 なし(博物館は月曜日)
入場料 30TL
公式サイト https://www.aphrodisias.org/en/

アフロディシアスまでのアクセス

アフロディシアス 遺跡 アフロディーテ神殿

アフロディシアス遺跡はイスタンブールから約670km離れた、トルコ南西部の内陸に位置するゲイレ村(Geyre)にあります。最寄りの空港はイズミル(İzmil)またはデニズリ(Denizli)で、イスタンブールから国内線を利用して向かうのがよいでしょう。

イズミルまたはデニズリの空港に到着したら、長距離バスでナッズィリ(Nazilli)まで行き、ナッズィリからは定期バスまたはタクシーを利用してゲイレ村へ向かいます。

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イズミル(İzmil)から

イズミル空港からアフロディシアスまでは約193kmあり、車で約2時間半の距離です。イズミルのバスターミナルからナッズィリ行きのバスが3~4時間に1本の頻度で運行しており、所要時間は約2時間です。

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デニズリ(Denizli)から

デニズリ空港からアフロディシアスまでは約145kmあり、車で約2時間15分の距離です。デニズリのバスターミナルからナッズィリ行きのバスが45分~1時間に1本の頻度で運行しており、所要時間は約1時間15分です。

イスタンブールからも長距離バスを利用してナッズィリ(Nazilli)まで行くことが可能です。所要時間は約11時間で、1日2本(7:00前後または23:00前後発)の運行となっています。

古代遺跡アフロディシアスの歴史・見どころまとめ

アフロディシアス 遺跡

本記事では、2017年に世界文化遺産として登録されたトルコのアフロディシアス遺跡をご紹介しました。日本での知名度はまだ高くありませんが、競技場や劇場など、古代の文化を感じられる遺産が良い保存状態で残る貴重な遺跡です。

博物館にも歴史上の重要な資料が数多く収容されているので、見どころは満載です。トルコ南西部のゲイレ村まで足を運べば、愛と美の女神アフロディーテが由来となった古代遺跡に魅了されることでしょう。

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