トルコのお金、トルコリラ。お得な両替方法やキャッシュレス事情は?
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.07.18
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トルコを旅行する際、最も気になることの一つは、どのくらい現金を持っていけばいいのか、どこで現地通貨に両替するのがお得か、物価はどの程度なのか、キャッシュレスはどの程度なのかなど、お金にまつわることではないでしょうか。
トルコの通貨、トルコリラのレートや両替方法、キャッシュレス事情などを詳しく解説します。トルコ旅行を計画している方は、ぜひ事前にトルコのお金事情や価格相場などを把握し、安心安全な旅を楽しむ参考にしてください。
トルコの通貨、トルコリラの概要と為替レート
2022年6月現在のトルコリラの概要や為替レートを紹介します。トルコは物価やレートの変動が激しいため、旅行前に必ず最新情報をチェックするようにしましょう。
トルコは紙幣と硬貨がそれぞれ6種類
2022年6月現在、トルコではそれぞれ6種類の紙幣と硬貨が流通しています。
単位はトルコ語でテュルク・リラス(トルコリラ)といい、略称はTL。補助単位はクルシュで、略称はKrです。1トルコリラは100クルシュです。
紙幣
紙幣は200トルコリラ、100トルコリラ、50トルコリラ、20トルコリラ、10トルコリラ、5トルコリラの6種類があります。日本とは異なり、表面に印刷されている人物のイラストは額面関係なく全て「ムスタファ・ケマル・アタテュルク」という、トルコの初代大統領です。
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大統領の表情や色、絵柄に違いはありますが、外国人にはなかなか判別しにくいため、受け渡しするときは紙幣に書かれた数字をよく確認しましょう。
一方、裏面は紙幣ごとに異なる人物のイラストが印刷されています。
硬貨
硬貨は1トルコリラ、50クルシュ、25クルシュ、10クルシュ、5クルシュ、1クルシュの6種類あります。1クルシュと5クルシュ硬貨はインフレが激しいためほとんど流通していません。使う硬貨は最高額の1トルコリラくらいかもしれません。
おつりなどで硬貨をもらった場合、記念に取っておくのもおすすめです。
トルコリラの為替レート、1トルコリラは日本円で何円?
2022年6月現在、1トルコリラ=7.67円です。四捨五入して8円くらいと考えるといいでしょう。
トルコリラは変動が激しく、2018年の大暴落の際は世界中で話題となりました。その時期ですら1トルコリラ=約16円でしたので、現在はさらに円高トルコリラ安の状態。旅行をするには今がチャンスだといえます。
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トルコリラは変動しやすい?
日本円は世界でも安全通貨として高い評価を受けています。対ドルの価値が半減したり倍になったりすることはほぼないと考えられているからです。これに対し、トルコリラは大きく変動しやすいことで知られています。その理由は何でしょうか。
トルコリラ相場の変動要因
トルコは、インフレ率が高く国内の資金需要を満たすために外国資本に依存している状態です。このため、EUやアメリカなどが金融政策を行えば、その影響をすぐに受けてしまいます。また、トルコは不安定な中東情勢の影響も受けやすいとされます。
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このほかの変動要因として政治情勢があります。エルドアン政権では経済成長に重きを置いており、インフレが進行する中でも金利を下げない方針を維持しているため、リラ安は今後も続きそうです。一方で、2021年末にはリラ安による国民負担を軽減する措置を発表してトルコリラが一時高騰するなど、通貨価値が乱高下することがあります。
トルコリラ円相場の推移
トルコリラは2001年に変動相場制に移行してから大きくリラ安が進行。2011年にリーマンショックなどを受けた円高リラ安を経て、2018年に「トルコリラショック」と呼ばれる大暴落を起こしました。その後も下落トレンドは続き、2022年6月現在は1ドル8円前後で推移しています。
当分、円高リラ安の傾向は続きそうですが、前述したようにトルコリラの相場は変動しやすいので、その動きを注意深く見守る必要があるでしょう。
トルコリラはどこで両替できる?
日本では、円からトルコリラへの両替ができる場所は少なく、レートもあまりよくないため、両替は現地で行うのがおすすめです。どこで両替できるのか、またどこで両替するのがお得なのか解説します。また、現地では円よりもユーロやドルから両替できる店のほうが多いため、ドルやユーロを携行していくのもいいでしょう。
空港の両替所
日本の空港とトルコの空港、どちらでも日本円からトルコリラへの両替は可能です。ただし、レートはトルコの空港の方が若干良いようです。現地の空港に到着したら、真っ先に両替をしておけば、当面の現金に不安はないでしょう。
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ATM
イスタンブールをはじめとする大都市はもちろんのこと、地方都市にもATMが多く、外貨両替が可能です。空港よりもレートが若干良い場合もあり、時間帯や時期によっては空港の両替店を利用するよりお得に両替ができることもあります。
クレジットカード
トルコリラに両替する方法として、クレジットカード利用もあります(キャッシング機能を使うため、厳密に言えば両替ではありません)。ATMでクレジットカードを使ってキャッシングし、現地通貨(トルコリラ)で引き出せば、現金で両替するよりもレートが良い場合もあります。10日程度の旅行であれば、日本に帰国してすぐに返済すれば利息もほとんどかからないでしょう。
クレジットカードはVISAやMastercardが主流です。アメリカン・エキスプレス(アメックス)やJCBでは使えるATMが限られているので、VISAやMastercardを持っていない方は、旅行前に年会費無料のカードを1枚作ってもいいかもしれません。
国際キャッシュカード・デビットカード
国際キャッシュカードやデビットカードもクレジットカードと同じようにATMでトルコリラを現金で引き出せば、円から両替する際よりもレートが良い場合があります。デビットカードもVISAやMastercardのものが使える場所が多くて便利です。
ただし、国際キャッシュカードやデビットカードでの現地通貨引き出しは口座に残高がないと使えないので、出国前にしっかりと残高を確認しておきましょう。
銀行
2022年現在、日本の銀行ではトルコリラを両替できるところはほとんどありません。一方、トルコの大都市にある銀行では日本円からトルコリラに両替ができます。
銀行は平日の8時30分~17時頃まで営業しているところがほとんどですが、12時~13時30分くらいまで昼休みがあるので、注意しましょう。土日祝日は基本的に休業ですが、観光地にある銀行の一部は営業しているところもあります。
ホテル
外国人観光客が泊まるホテルの多くが両替を行っています。現地到着が夜遅くなり、ホテルへ直行する場合は、ホテルでの両替がおすすめです。ただし、ホテルでの両替は銀行よりもレートが悪く、手数料が高くなることあります。ホームページを開設しているホテルならば、両替サービスの有無は記載しています。
観光施設の両替所
トルコは外国からの観光客が多いので、有名な観光施設では両替所が設置されています。観光名所のひとつ、グランドバザールにも複数の両替所があります。
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手持ちが少なくなり、ATMが見当たらない場合に利用してもいいでしょう。ただ、レートは両替所によって異なること、地方都市の小さな両替所は日本円に対応していないところもあるので、ドルかユーロを持っていくとより安心です。
トルコのキャッシュレス事情
日本同様、トルコもクレジットカードが普及し、キャッシュレス化が進んでいます。SuicaやPASMOといった日本の交通系ICカードに相当するカードも登場して、乗車のたびに切符を買わなくても地下鉄やバスなどを利用できるようになっています。トルコのキャッシュレス事情を解説します。
トルコで進むキャッシュレス
トルコは2023年までにキャッシュレス社会の実現を目指し、制度を整えています。クレジットカードを使える場所も拡大しており、イスタンブールやアンカラといった大都市で、観光客が多く訪れる店だけを利用すれば、ほとんどキャッシュレスで旅行ができるでしょう。
一方、地方都市の個人商店は、まだまだ現金が主流です。トルコのどこへ旅行するかによってキャッシュレス事情は変わってくるでしょう。
クレジットカード事情
他の国と同様、トルコでも旅行者を狙った強盗や窃盗、ひったくりの被害はあるため、可能な限り大金を持ち歩くことは避けたいところ。そんなときに活躍してくれるのがクレジットカードです。
クレジットカードを使える店
ホテルや大都市の百貨店、レストラン、外国人旅行客向けのお土産店などでは、たいていクレジットカードが使えます。
気になる場合は、行きたい場所のホームページでクレジットカードが使用可能かどうか確認しておくといいでしょう。公共交通機関ではクレジットカードが使えます。
また、街中のATMで、クレジットカードのキャッシング機能を使って現地通貨を得るという使い方もあります。
クレジットカードを使えない店
タクシーの支払いは、「i Taksi」というアプリ経由でないとクレジットカードは利用できません。後述するイスタンブールカードで支払ったほうが便利です。
また、都市の大小にかかわらず、小規模な個人商店ではクレジットカード対応不可のケースが多いと考えておきましょう。前述したように、地方に行くほどクレジットカードを使える店は少なくなります。
クレジットカード、使えるブランドは?
前述したように、トルコで使えるカードはVISAかMastercardが主流です。JCBやアメリカン・エキスプレスカード(アメックス)を使える店は少ないのであまりおすすめできません。
日本では年会費・入会金無料で旅行保険や補償が付いているVISAカードやMastercardがいくつもあるので、持っていない場合は1枚作っておくと便利でしょう。
交通系ICカード「イスタンブールカード」
トルコ最大の都市イスタンブールには、バスや電車など公共交通機関で使えるICカード「イスタンブールカード」があります。日本のSuicaやICOCAに該当するカードといえばイメージしやすいでしょう。
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イスタンブールカードは、街角の売店(キオスク)や駅の自販機などで販売されており、チャージできるタイプと使い捨ての回数券タイプがあります。価格は6トルコリラで、この本体価格はカードを返しても戻りません。青色発券機を利用すればクレジットカードでの購入も可能です。
チャージ式のカードを利用し残金がある場合は返金もできますが、手続きに手間がかかるので、チャージ額は少なめにするといいでしょう。イスタンブールカードは複数人での利用も可能です。
トルコでお金を使うときの注意点
最後に、トルコの物価について解説します。トルコの物価は円高リラ安の影響でかなり安く感じるかもしれません。しかし、観光地にはいわゆる「ぼったくり価格の店」もあります。旅行に行く前にしっかりと価格相場を把握しておくと安心です。
トルコの物価
トルコはインフレが激しく、何度もトルコを訪れている旅行者からは「トルコを訪れる度に価格が高くなっている」という声も聞かれます。それでも、トルコの物価は日本に比べると安めです。しかも、円高リラ安なので、余計にお得感を感じられるでしょう。
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ビックマック指数
世界各国の物価の相場をつかむ数値に「ビックマック指数」と呼ばれるものがあります。ビッグマック指数とは、「エコノミスト」という経済誌が年に2回発表している経済指数の一種。ファストフードチェーン「マクドナルド」の人気メニューのビッグマックの価格を、アメリカを100として計算した数値です。
2022年のトルコのビックマック指数は、調査対象となっている国の中でロシアに次いで2番目に低い32.1で、2022年6月時点での日本円に換算すると値段はおよそ200円です。日本のビックマック指数は58.3で値段は390円なので、トルコの物価が安いことが理解できるでしょう。
レストランやカフェ、屋台での価格相場
トルコの一般的なレストランやカフェで飲食をした場合の相場は、1人あたり50~100トルコリラです。屋台なら20トルコリラ~で軽食を食べられます。2022年6月現在のレートだと、100トルコリラでも800円前後ですから、日本のお手頃価格のファミリーレストラン並みの価格で3コースの食事を楽しめます。
レストランは多く場合クレジットカードが使えますが、屋台では現金がメインです。
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宿泊の価格相場
トルコのホテルは、1泊あたり日本円で5,000円~1万5,000円前後です。イスタンブールやアンカラのような大都市にある高級ホテルや、カッパドキアの洞窟ホテルのような世界的に有名なホテルはやや高めとなっています。
トルコは中東諸国に比べると安全な国ですが、安宿のセキュリティはやはり心配です。日本と同様、値段が高いホテルのほど安全性は高い傾向にあります。ネットの口コミなどを参考に、快適性や安全性を確かめておくといいでしょう。
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観光地の価格相場
トルコには世界遺産にも指定された有名史跡のほか、歴史的な観光名所がたくさんあります。こうした施設の大半で入場料がかかります。一例を挙げてみましょう・
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- トプカプ宮殿:105トルコリラ=約840円
- トプカプ宮殿ハレム:65トルコリラ=約520円
- カイマクル地下都市:63トルコリラ=約500円
(※1トルコリラ=8円で計算)
また複数の史跡をめぐる場合、定額で利用できる共通パス「Museum Pass Istanbul (ミュージアムパス イスタンブール)」が便利です。価格は550トルコリラ=約4,400円で、指定レストランなどで割引もあるお得なパスです。
日本と比べて物価が安いトルコですが、史跡や観光名所への入場料の価格水準は日本とそれほど変わらないことを覚えておきましょう。
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公共交通機関の価格相場
トルコでは電車やバス、タクシーといった公共交通機関も発達しています。
特にバスは市内を回る循環バス、空港から市街地に行く中距離バス、都市間を結ぶ長距離バスと豊富にあり、価格は10トルコリラ未満のものからあります。バス会社によってはトルコリラだけでなくユーロでも支払うことも可能です。
トルコは日本ほどタクシー事情が整っておらず、ぼったくりともいえる価格の無認可タクシーもあります。空港や駅などで待機しているタクシーは基本的に認可済みで、価格はもちろん行き先によって変わってきますが、150~200トルコリラを見込んでおけばいいでしょう。
イスタンブールには、「iTaksi(アイタクシ)」と「BiTaksi(ビタクシ)」というタクシーアプリがあります。アプリ上で、料金の計算やタクシー配車、クレジットカードでの支払いができるため、タクシーを安心して利用することができます。
トルコの公共交通機関は前述したイスタンブールカードで乗れるので、チャージしておくとスムーズです。
お土産やお菓子の価格相場
トルコはチャイグラスやランプ、陶器などいろいろなお土産があります。観光地に行けばたくさん土産物店が建ち並んでいるので、迷ってしまうこともあるでしょう。
相場は、大きな青い目玉のようなナザールボンジュウが6トルコリラ~、トルコランプが200トルコリラ~が相場となっています。2022年6月のレートならば1,000円~2,000円前後で可愛らしく見栄えのするお土産を買うことができるでしょう。
トルコのお菓子は、屋台で飲食する場合の相場とそれほど変わりなく、ほとんどが10トルコリラ以下で買えます。
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手持ちの現金はどのくらいがいい?
イスタンブールやアンカラなどの都市部ではキャッシュレスが進んでいます。1日当たり2,000円ほど使うと考えて、半分を現金で賄うとすると、8日間で1,000トルコリラもあれば十分でしょう。一方、地方都市では現金しか使えないことが多いため、少し多めに用意しておくと安心です。
税金と還付
トルコには、VAT(付加価値税)という制度があります。サービスや商品の購入する際にかかる税金で、日本でいう消費税のような税で、標準税率は18%です。外国人旅行者の場合は、免税手続きによってVATとして払った金額を返還してもらえます。商品を購入したタックスフリー対応店でVAT免除に必要な書類を受け取り、税関で書類を提示してスタンプを押してもらいましょう。
トルコのお金事情や物価相場をふまえて楽しい旅を
以上、トルコのお金事情や物価相場、両替の方法などを紹介しました。トルコは日本に比べると物価が安く、しかも2022年は円高リラ安なので、旅行をするにはかなりお得感があります。
両替はトルコの空港や街中のATMで行えば問題ありませんし、イスタンブールカードを買えば、キャッシュレスで公共交通機関も利用できるため、多額の現金を持っていく必要はありません。トルコのお金事情をよく理解し、手持ちの現金やクレジットカードがスリやひったくりに遭うことがないよう十分に注意して、旅行中の買い物や観光を楽しんでください。
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