不老長寿の果物「いちじく」の効能や美味しい食べ方、トルコとの意外な関係を紹介
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.09.16
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当たり前に見かけるいちじくですが、みかんやりんごなどと比べると日本ではメジャーではないので、食べる機会が少ない果物ではないでしょうか?
いちじくは人類最古の果物と言われ、古代にもよく知られている果物のひとつでもありました。また、栄養価が高いことから“不老長寿の果物”とも言われ、昔から親しまれている果物なのです。この記事では、いちじくの歴史や、美味しい食べ方、おすすめのレシピなど、いちじくについて徹底解説します。
Contents
いちじくとはどんな果物?その特徴は?
いちじくは、クワ科いちじく属の植物で、6,000年以上前に生まれた長い歴史を持っています。いちじくは夏から秋にかけて旬をむかえ、独特の甘みと熟した食感が魅力的な果物です。生のいちじくは85%が水分とされ、とてもみずみずしく柔らかくてジューシーなのも特徴です。
栄養価が高いいちじくは健康にも良い果物とされ、“不老長寿の果物”とも言われてきました。いちじくは昔から、味を楽しむだけでなく、健康食品としてもよく食べられています。
いちじくの旬
いちじくには、6月~8月に収穫される「夏果専用種」と、8月~11月に収穫される「秋果専用種」に加え、夏と秋に2回収穫可能な「夏秋兼用種」の3種類があります。
日本で栽培されているいちじくのほとんどは「夏秋兼用種」ですが、産地によっては夏に収穫せず、秋にだけ収穫するところもあります。また、いちじくを収穫できる時期を長くする目的で、屋外での栽培だけでなく、ハウス栽培も行われています。
いちじくの花と葉っぱ
いちじくは一見すると花が咲かずに急に果実が実る植物だと思われがちなので、漢字で「無花果」と書きます。しかし、花が咲かないわけではありません。いちじくの花は実の中に隠れて咲いています。
いちじくの実は内側に袋がある形状になっていて、その袋の内側にたくさんの花が並んでいます。しかし、花びらがないので、一見花には見えません。つまり、私たちが食べているいちじくは、実を食べていると思いきや、実は花を食べていたのです!
また、いちじくの葉っぱは品種によって形や大きさが全く異なります。丸みを帯びた形をしている葉っぱや、ギザギザした葉っぱ、他の品種よりも2回りも大きい葉っぱなど、様々です。
いちじくの名前の由来
「いちじく」と呼ばれるようになったのには諸説ありますが、中国での名前「映日果(えいじつか)」がなまって「いちじく」となったという説と、1日1個ずつ熟すから、または1ヶ月で熟すことから、「一熟(いちじゅく)」という名がついたという説があります。
いちじくは漢字で「無花果」と書きます。これは、いちじくは実の中に白い花を咲かせるため、外からは見えず、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来して、中国で名付けられた漢語です。日本語では、これに「いちじく」という熟字訓を与えました。
【いちじくの基本情報】
和名 | 無花果/いちじく |
---|---|
英語名 | Fig tree /トルコ語:Incir |
学名 | Ficus carica |
科・属 | クワ科・いちじく属 |
原産地 | トルコ(地中海沿岸地方) |
開花期 | 6月~9月(外からは見えない) |
いちじくの生産地!生産量はトルコが世界一
トルコは世界最大のいちじくの産地で、年間生産量は32万トンとダントツの世界一を誇っています。また、生産量だけでなく、輸出量でもトルコは世界トップです。トルコ以外では、地中海沿岸や中東地域を中心に栽培されています。
いちじくは基本的にあまり日持ちしない果物なので、本場トルコ産の生のいちじくを日本で見かけることはほとんどありません。その代わり、スーパーなどでよく売られているドライいちじくのほとんどがトルコ産となっています。
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原産地もトルコ!
実はいちじくはトルコで生まれ、その後パキスタンやシリア、中国、インドへと広がっていきました。現在トルコにあるいちじくの主な産地は、トルコ南西部のエーゲ海地方、イズミル市近郊となっており、この地域の家の庭や街路樹ではいちじくの木をよく見かけます。
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いちじくの実がなると、新鮮なうちに食べようと子どもから大人までが木に登って、いちじくをもぎ取って食べるという微笑ましい光景もよく見かけます。
いちじくの歴史
いちじくは人類史上最も古い果物とも言われており、その歴史はかなり前に遡ります。先史時代、ヨルダン川西岸にあったとされる村の遺跡からは、1万年以上前に採取されたいちじくの実が見つかっており、原産地に近いメソポタミアでは、6,000年以上前から栽培されていたことも知られています。
また、一番古いいちじくの栽培記録は、アラビア半島の南部の地域で見つかっており、栽培時期は紀元前2,700年です。なお、古代ギリシャ人もいちじくを食べていたことがわかっています。
古代ギリシャ時代の偉大な哲学者アリストテレスも、いちじくの育て方に関して記述を残していました。また、古代ローマではいちじくは最もありふれた果物のひとつでもありました。
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旧約聖書にも登場?!
実は、いちじくは旧約聖書にも登場しており、人類の祖としても知られるアダムとイブは「いちじくの葉で作った腰ミノを身に着けた」と記されています。
アダムとイブは禁断の果実を食べたことで楽園を追い出されますが、この禁断の果実がいちじくだったという説もあり、バチカンのシスティーナ礼拝堂の天井にあるミケランジェロの絵には、いちじくが描かれています。
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ちなみに、いちじくはイスラム教の啓典「コーラン(クルアーン)」にも、オリーブやぶどう、ザクロ、ナツメヤシと一緒に載っているそうです。
日本には江戸時代に伝来!
日本にいちじくが入ったのは江戸時代初期、ペルシャから中国を経て長崎に伝来したといわれています。当初は薬用として栽培されていましたが、やがて果実を生で食べて甘味を楽しむようになりました。その後、栽培も容易であることから、手間のかからない果実として家庭の庭などにも広く植えられるようになったと言われています。
いちじくは耐寒性がやや弱く、関東地方より北では地植えでの栽培が難しいため、日本でにおけるいちじくの主な産地は和歌山県、愛知県、兵庫県と、関東地方より南の地域に多いです。
ちなみに、愛知県の郷土料理に「いちじく田楽」という料理があり、一般的な田楽と同じでいちじくの上に甘い田楽味噌を塗り、焼いて作られています。
栄養満点!いちじくのうれしい効果と効能!
いちじくは栄養価が非常に高い果物なのをご存知でしたか?ここでは、いちじくに多く含まれる栄養成分について、それぞれの特徴や効能を紹介します。
カリウム
いちじくは比較的多くカリウムを含んでいます。カリウムは体内に溜まっている余分な塩分や水分を体の外へ排出する働きがあり、血圧を下げる効果もあるので、高血圧や動脈硬化、むくみなどの予防に役立ちます。
ペクチン
ペクチンは水溶性の食物繊維で、コレステロールや糖質の吸収を抑える働きがあり、食後の血中コレステロールや血糖値の上昇も抑えてくれます。腸内の善玉菌を増やす効果もあるため、腸内環境を良くして便秘改善も期待できます。
フィシン
いちじくを切ったときに白い乳液が出てきますが、これにはフィシンという酵素が含まれているからです。フィシンはたんぱく質を分解する酵素のため、食後のデザートとして食べれば消化を促進してくれます。また、お肉料理の下準備で使うことで、お肉を柔らかくする効果も!
この効果を利用して枝や葉からいちじくの乳液を採取し、イボなどを治す民間療法もあるくらい、強力なたんぱく質分解作用も持っています。
アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種でブルーベリーなどにも多く含まれている栄養です。アントシアニンには網膜や目の神経などの血流を促進する働きがあるとされており、眼精疲労や視力の回復、老眼の防止に効果があると言われています。
また、内臓に脂肪を溜め込みにくくする働きも期待されているのだとか。皮の色が濃い品種ほど果肉の色も濃く、アントシアニンが多く含まれていると言われています。
鉄分
いちじくには鉄分も含まれています。鉄分が不足すると疲れやすくなったり、食欲不振、貧血など様々な不調につながったりするので、摂っておきたい栄養素です。
カルシウム
特別多いわけではありませんが、いちじくにはカルシウムも含まれています。女性は特に、更年期以降に女性ホルモンの分泌が減って骨がもろくなりやすいので、カルシウムは積極的に摂りたい栄養素です。
栄養素をしっかり摂る!いちじくの食べ方
いちじくは栄養価の高い不老長寿の果物なので、せっかく食べるなら栄養素をなるべく破壊しない食べ方をマスターするのがおすすめです。ここでは、いちじくの栄養素を逃さずに食べられる方法を紹介します。
生のまま食べる!
いちじくには果糖が多く含まれるため、冷やすとより甘く美味しくなります。また、いちじくに含まれる栄養素フィシンは熱に弱いため、フィシンを摂りたい場合は生でそのまま食べるのがおすすめです。
ドライいちじくとして
いちじくの旬は短く、一度収穫すると足が速いので、ドライいちじくとして乾燥させることで1年中楽しむことができます。いちじくは栄養価の高い果物ですが、ドライフルーツになると生の時よりも水分が減るため、栄養素がギュッと凝縮されます。
特に、食物繊維とミネラルが豊富になるのが特徴です。より効率的に栄養素を摂取したい場合や、持ち歩き用のお菓子が食べたい場合は、ドライいちじくをおすすめします。
ドライいちじくの注意点
ドライいちじくは特に食物繊維を多く含んでいるため、摂りすぎるとお腹がゆるくなってしまう原因にもなります。お腹の弱い方は量に気を付けて食べるようにしましょう。
また、ドライいちじくは100gあたりのカロリーが300kcal近くあるので、食べ過ぎるとカロリーや糖質過多になります。ダイエット中の方や糖質制限中の方は、食べ過ぎに注意してくださいね!
加熱なら煮汁も一緒に!
いちじくを加熱して食べる場合は、水溶性の栄養素が無駄になってしまわないよう、ジャムやコンポートなど、煮汁をそのまま使うことができる調理方法がおすすめです。ジャムやコンポートは生のいちじくより日持ちするので、ヨーグルトに入れたり、ケーキに入れたりなど、色々な食べ方を楽しめます。
いちじくの美味しい食べ方!おすすめレシピ
いちじくは生で食べるのも美味しいですが、調理することで長持ちするばかりか、より濃厚な甘みを楽しむことができます。ここでは、いちじくを使用した美味しいレシピをご紹介します。
いちじくのジャム
いちじくはジャムにすることで日持ちし、色々な使い方ができて便利です。
<材料>
- いちじく……5個
- 砂糖……皮をむいたいちいじくの重さの30~40%
- レモン汁……大さじ2
<作り方>
- いちじくの皮をむいた状態で重さを計り、砂糖の分量を計算する
- いちじくを細かく砕きながら鍋に入れ、砂糖をまぶして1時間ほど放置する
- 1時間ほど経ったら中火で火にかけ、約20分、アクを取りながら煮る
- いちじくの形が溶けてジャムのようにトロッとした状態になったらレモン汁を加え、ひと煮立ちさせて完成
いちじくのコンポート
果物を日持ちさせるため、ヨーロッパではコンポートという保存方法がとられています。コンポートとはフランス語で「果物の砂糖煮」という意味で、いちじくだけではなく、りんごや桃、いちごなどさまざまな果物で作ることが可能です。
<材料>
- いちじく……3個(300g)
- 砂糖……皮をむいたいちいじくの重さの30~40%
- 赤ワイン……大さじ3
- レモン汁……大さじ3
- 水……適量
<作り方>
- いちじくの皮を薄くむく
- 鍋にいちじくが重ならないように並べ、砂糖・赤ワイン・レモン汁を投入し、いちじくが被る程度まで水を入れて弱火で煮る
- 10分ほど煮て、いちじくが柔らかくなったら出来上がり
出来上がったコンポートは、熱湯消毒したビンに入れ替え、1ヶ月ほど保存が可能です。
自家製ドライいちじく
ドライいちじくは家庭でも作ることができます。いちじくがたくさん手に入ったときは、長期保存に適しているドライいちじくにするのがおすすめです。
<作り方>
- 水分が抜けやすいように、いちじくの大きさに応じて1/2~1/8にカットする
- オーブンまたは電子レンジで水分を飛ばす
※オーブンの場合、120℃に温めたオーブンで30分~1時間ほど焼く - 様子を見ながら、1週間ほど天日干しをして完成
※天気の悪い日や夜は室内に入れるようにしてください
いちじくは水分が豊富なので、天日干しする前にしっかりと水分を飛ばすことがポイントです。水分が残っていると、天日干しの途中で腐ってきたり虫が湧いてしまったりすることも。オーブンや電子レンジでしっかりと水分を飛ばしてくださいね!
いちじくのサラダ
優しい甘さのいちじくはサラダとの相性も抜群です。
<材料(2人分)>
- いちじく……2個
- ベビーリーフ……1袋
- 生ハム……25gくらい
[ドレッシング]
- バルサミコ酢……大さじ1
- オリーブオイル……大さじ1
- 塩……少々
<作り方>
- いちじくは皮をむいてくし切りにする
- ボウルにドレッシングの材料を混ぜ合わせる
- ②に切ったいちじくを入れて和える
- ベビーリーフを入れた器に盛り合わせて完成
ミニトマトやお好みのチーズを混ぜ合わせても美味しいです。ドレッシングは上からかけるのでなく、少量で和えて盛り付けるのがポイントです。
いちじくの天ぷら
画像イメージ:天ぷらの画像があるといいと思いました。
いちじくを天ぷらにするというのは意外ですよね。いちじくのしっかりとした甘さと適度な酸味は様々な料理に使うことができます。
いちじくの天ぷらは、日本料理店の秋の献立や精進料理のひとつとしても食べられています。好みは分かれるかもしれませんが、意外にも美味しいと驚かれることも多いので、気になる方はぜひ試してみてください!
<材料(2人分)>
- いちじく(熟してないもの)……2個
- 【A】天ぷら粉……50g
- 【A】冷水……70ml
- 揚げ油……適量
- お好みで天つゆや大根おろし
<作り方>
- いちじくはヘタを落として皮をむき、天ぷら粉(分量外)をまぶしておく
※こうすることでいちじくの水分を吸ってカラッと仕上がります - ボウルに【A】を入れて混ぜ、①のいちじくをくぐらせる
- 180℃の油でカラリと揚げる
- 器に盛りつけて、お好みで大根おろしと天つゆを添えて出来上がり
天ぷらにするいちじくは熟していないものがおすすめです。いちじくは必ず水を切り、丸ごと揚げるようにしてください。
健康効果もアップ!いちじくの美味しい食べ合わせ!
いちじくをそのまま食べるのもいいですが、他の食材と組み合わせることで、より栄養素を吸収しやすくしてくれたり更なる健康効果を期待できたりとメリット多数!ここでは健康効果を上げてくれる食べ合わせや、おすすめの美味しい食べ合わせを紹介します。
いちじく+ビタミンC
オレンジやみかん、マンゴーなど、ビタミンCを多く含むフルーツや野菜と一緒に食べることで、いちじくに含まれる鉄分の吸収を良くしてくれます。
ドライいちじく+ヨーグルト
ドライいちじくをヨーグルトに入れて食べると、ヨーグルトの乳酸菌といちじくの食物繊維の相乗効果で腸内環境をより良くしてくれます。
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ドライいちじく+チーズ
ドライいちじくはおやつとしてだけではなく、おつまみとしてもアレンジできます。おすすめはドライいちじくとチーズの組み合わせ!ドライいちじくに切れこみを入れ、間にチーズを挟めばワインに合うおつまみが簡単にできます。
チーズはクリームチーズが最も相性バツグンですが、カマンベールチーズやブルーチーズ、焼いたハルミチーズなど、塩気のあるチーズもいちじくの甘さとマッチしておすすめです。
美味しいいちじくの見分け方
スーパーで並んでいるいちじくの多くは「桝井ドーフィン」という品種で、日本で最も多く栽培されている品種です。ここでは日本に多い品種の桝井ドーフィンをもとに、いちじくの見分け方について紹介しますので、ぜひいちじく選びの参考にしてくださいね!
底(お尻)の部分が割れかけのもの
いちじくは完熟するとお尻の部分が割れるのが特徴です。割れかけているものは食べ頃ですが、割れすぎているものは熟しすぎて傷んでいることもあるので注意してください。
果皮が赤褐色に染まっている(色づきがよい)
いちじくは熟すと果皮が赤褐色になるので、なるべく全体が色づいているものを選ぶのがポイントです。色の薄いものと濃いものがあれば、濃い方を選んでください。
黒っぽくなっているものや、果皮がしなびているもの、傷が目立つものは鮮度が低下していたり、味が落ちていたりすることがあるので避けた方が無難です。
果皮に張りがあり弾力を感じる
果実の形はふっくらとしていて、少し弾力を感じるものがおすすめです。未熟だと、固くて酸味が強かったり甘味が少なかったりします。鮮度のよいものは果皮に張りがあるので、この点も要チェックです。
特有の甘い香りが漂っている
いちじくは熟すと特有の香りが漂うので、香りのよいものを選びましょう。ただし、香りがよくても果肉が柔らかすぎるものは熟し過ぎているかもしれないので要注意です。
いちじくの保存方法
いちじくはとてもやわらかくデリケートな果物なので、強く握ったり押したりしないようにしましょう。常温保存には適してないので、購入したら早めに冷蔵庫に入れるようにしてください。日持ちは、冷蔵庫で2~3日ほどになります。
また、いちじくはそのままだと賞味期限が短いので、食べきれない場合は冷凍保存も可能です。少し食感は変わってしまいますが、冷凍することで1ヶ月ほど長持ちさせることができます。冷凍する際は、いちじくを洗いしっかりと水気をふき取り、1個ずつラップに包んで、冷凍保存袋かポリ袋にいれて冷凍庫へ入れましょう。
冷凍した生のいちじくは、常温で5分ほど置けば自然解凍されます。解凍後はコンポートのように柔らかくなるので、カットする場合は半解凍のタイミングがおすすめです。
本場トルコ産のドライいちじく
日本で販売されているドライいちじくの多くはトルコ産だということをご存知でしたか?トルコのいちじくは実が大きく果肉が充実していて、いちじく独特の粒粒食感を楽しめるのが魅力です。本場のトルコでも、生と合わせてドライいちじくもよく食べられています。
ここでは、本場トルコ産のいちじくに関して、代表的な品種や味わい、いちじくを使ったトルコならではのスイーツについて紹介します。
トルコ産いちじくの代表的な品種
トルコのいちじくの品種のひとつに、白いちじくの「スミルナ種」があります。スミルナ種はドライいちじくによく使用されており、トルコでも多く栽培されている品種です。
トルコにおけるいちじくの代表的な生産地として知られているエーゲ海沿岸の町イズミルは、古代ギリシャ時代に「スミルナ」という町名でした。ぜひとも世界一のいちじくを試してみてください。
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トルコ産のドライいちじくの味わい
トルコのドライいちじくは、外側は乾燥しており、中はしっとりしているといった特徴があります。しかし、最近のトルコでは、外側もしっとりしているタイプのドライいちじくが人気です。
見た目はプルーンに少し似ていいて、ジューシーで後を引く甘さがあります。ワインのおつまみとしてもピッタリなので、トルコを訪れた際のお土産などにもおすすめです。
ドライいちじくを使ったトルコスイーツ
トルコでは、ドライいちじくを使った「インジル・タトゥルス(İncir Tatlısı)」というスイーツが人気です。水で戻してやわらかくしたドライいちじくに、クルミを挟み、シロップで煮ます。シロップで煮ることでいちじくの実がふっくらとします。いちじくを冷ましたら、甘みの少ないクロテッドクリームをつけて食べるスイーツです。
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ちなみに、クロテッドクリームは脂肪分の多い牛乳を煮詰めた後、表面に固まった脂肪分を集めて作られるクリームです。イギリスではスコーンなどの焼き菓子に添えられることが多く、バターよりもあっさり・生クリームよりも濃厚なコクを味わえます。
トルコ以外にも!産地で違いがわかるドライいちじく
日本で販売されているドライいちじくのほとんどはトルコ産ですが、もちろんトルコ産以外のドライいちじくもあります。ここでは各国のドライいちじくの特徴についても紹介します。
ギリシャ産のドライいちじく
ギリシャ産のいちじくはトルコ産よりも実がふっくらとしているのが特徴です。ギリシャは日差しが強いため、日光を十分に浴びたギリシャ産のいちじくは、濃厚な味わいとなります。甘みと酸味のバランスが取れており、上品で優しい味わいもギリシャ産ならではの魅力です。
イラン産のドライいちじく
イランは日差しが強く乾燥していることから、いちじくの栽培にはぴったりの気候です。トルコに次いで、イランはトップクラスの生産量を誇っています。イラン産のいちじくは実が小さく少し固いのが特徴です。甘みはそこまで強くなくクセがないので、甘いものがそこまで得意でない方でも美味しく食べられるでしょう。
アメリカ産のドライいちじく
アメリカで栽培されているいちじくの多くは「黒いちじく」なので、実が黒いのが特徴です。クセが少なく程よい甘さと、いちじくらしいチプチした食感が楽しめます。
黒いちじくの多くはカリフォルニア州で栽培されています。カリフォルニア州は、夏は気温が高く乾燥した気候で、冬は霜や雨のとなることが少ないので、いちじくの栽培に非常に適した土地です。
おやつやおつまみに!万能ないちじく
いちじくは生食やドライ、調理など、いろいろな食べ方ができる万能フルーツ!おやつとしてはもちろん、組み合わせる食材によっては、おつまみやおかずの一品としても楽しめます。産地によっても味や食感が異なるため、ぜひトルコを訪れた際は本場トルコ産のいちじくを食べ比べてみてくださいね!
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