【2022年最新】トルコの人口推移と今後の予測や都市別ランキング
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.10.13
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日本の約2倍の面積をもつトルコですが、人口では約8,558万人と約1億2,400万人の日本よりも少なくなっています。
トルコの人口は今後もしばらくは増えると予想されていますが、1億人を超える前に、やがて減少するとみられており、今後は日本のような出生率の低下や高齢化が起きると考えられています。
本記事では、トルコの人口推移や将来予測、産業、宗教別の人口、邦人人口など、さまざまな視点からトルコの人口について解説していきます。
Contents
トルコの人口データ
はじめに、トルコの総人口や面積、出生率など、人口に関する基本的なデータを紹介します。
人口 | 85,580,390人(世界第18位) |
---|---|
人口密度 | 111人/㎢ |
面積 | 769,630km² |
合計特殊出生率 | 1.9 |
国民の年齢中央値 | 33.1歳 |
平均余命 | 77歳 |
最も人口の多い都市 | イスタンブール |
首都 | アンカラ |
GDP | 810億ドル(IMF) |
一人当たりGDP | 9,626ドル |
2022年現在のトルコの人口は約8,558万390人で、世界第18位です。国際連合の地域区分でトルコが所属する西アジアでは最も多く、2位のイラク(3,965万人)、3位のサウジアラビア(3,427万人)と比べると2倍以上の人口を有しています。
トルコの人口推移
国連のデータによると、1923年のトルコ共和国成立以来、トルコの人口は右肩上がりに増加してきました。1950年に2,400万人だった人口は1986年に5,012万人と2倍以上になっています。2022年のトルコの人口約8,558万人も、2021年の8,400万人から約150万人の増加を記録しましたが、近年は増加率が鈍化する傾向にあります。
かつては2.5~2.0%だった人口増加率は、1987年に1.94と2%を下回り、2021年には0.8%と1%を切るまで低下しました。今後は、2059年に9,796万人でピークに達し、2060年以降は減少に転じると予想されています。
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都市人口と農村人口の比率
トルコでは、近年、急速な勢いで都市化が進んでおり、都市部の人口が増加するとともに農村部の人口が減少しています。1955年以降、都市人口は増加をはじめ、反対に1980年頃から農村人口は減少していきました。
トルコ統計機構による人口統計がスタートした1927年には都市と農村の人口割合は24.2%と75.8%でしたが、1985年には都市が53%、農村が47%と逆転。その後も都市人口は増え続け、2021年のデータでは都市部が93.2%、農村部が6.8%と圧倒的に都市部へと人口が集中しているがわかります。
なお、トルコでは2008年と2013年に自治体や行政区の改編が行われた関係で統計方法が変わっており、以前の基準であれば、都市と農村の割合は現在でも7対3くらいだといわれています。
しかし、都市化が進んでいることに変わりはなく、2020年には新型コロナウイルスによる移動制限の関係で、都市部への流入が減るのではないかと予想されましたが、実際には2021年の農村人口の割合は2020年からさらに減少する結果になっており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
2007年のデータでは、男女における都市と農村の人口割合に大きな差はありませんが、25~29歳と60~64歳を比べた場合、若い世代では都市と農村の割合が74%:26%なのに対し、高齢世代では65%:35%になっていて、若い世代ほど都市部に流入する傾向を示しています。
トルコの人口ピラミッド
トルコの人口を年齢別のピラミッドでみてみると、トルコ統計機構(TUIK)による2021年のデータでは、労働や消費の中心になる若年層の人口比率が高くなっているのがわかります。トルコは周辺諸国と比べても若年層比率が高い国で、経済成長率を支えてきました。
しかし、近年ではトルコでも出生率低下が進んでいます。1980年代には女性1人あたり約4人だった合計特殊出生率は現在1.9と2.1を下回っているため、今後は人口減少が予想されます。
さらに、高齢者の死亡率も低下により65歳以上の人口が増加しており、今後のトルコ社会では少子高齢化が進んでいくとみられています。
2007年と2021年の人口ピラミッドを比べると、少しずつですが、中高年の人口が増加していっているのがわかります。
男女比
男女別の人口比率は、男性50.1%(4,242万8000人)、女性49.9%(4,200万人)と大きな違いはありません。
年齢中央値
トルコの総人口における中央値は33.1歳で2020年の32.7歳から増加しました。男女別では男性32.4歳、女性33.8歳でいずれも前年と比べて増加しています。
生産年齢人口
2021年のデータでは、生産活動の中核になる15歳以上65歳未満の生産年齢人口は総人口の67.9%を占め、2020年の111万人を上回る113万人の増加を記録しています。ただ、0歳~14歳の年少人口は26.4%から22.4%に減少し、反対に65歳以上の高齢者は7.1%から9.7%に増加しており、高齢化の影響が少しずつ現れているのがわかります。
労働力人口
就業者と完全失業者をあわせた、働ける人の数である労働力人口は、2021年が3,271万6,000人で2020年と比べて198万1,000人、6.4%の増加となっています。しかし、男女別でみると、男性70.3%、女性32.8%と人口比率に対して男女不均衡で、トルコにとって女性の社会進出が大きな課題といえます。
トルコの宗教人口
トルコでは国民の90%以上をイスラム教徒が占めています。トルコは世俗主義を採用する政教分離の国で信仰の自由も認められていますが、セルジューク朝やオスマン帝国もイスラム系だったため、現在も国民の大半がイスラム教徒です。
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トルコでは、近代的でイスラム法解釈にも寛容な宗派(スンナ派のハナフィー学派)が大部分を占めており、お酒を飲む人も多く、全ての人が厳格に戒律を守る敬虔なイスラム教徒というわけではありません。
また、近年では若者やリベラル層を中心に無宗教の人も増えており、大都市などでは人口の10%程度を占めているといわれています。トルコにおける宗教別の人口は以下のようになっています。
- イスラム教:90%以上
- キリスト教:約4%(アルメニア使徒教会、カトリック、シリア正教会、ロシア正教会、プロテスタントなど)
- その他の宗教(ユダヤ教、ハバイ教など)
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トルコの人種の割合
トルコに暮らす人々は、トルコ系だけでなくさまざまな人種で構成されており、肌や髪、目の色なども多種多様です。地理的状況により、トルコでは古くから多くの民族の興亡が繰り返されてきたため、現在もさまざまな人種が混在しています。
8割以上はトルコ系(テュルク系民族)といわれますが、混血・同化も進んでいるため、明確に●●人とは区別できなくなっています。そのため、ここでは「●●人系」として、トルコにおける人種割合を紹介します。
<主要構成人種>
- トルコ人系:約80%
- クルド人系:約13%
- アラブ人系:約2%
- チェルケス人系:約2%
- アルメニア人系:約1%
- ザザ人系:約1%
- ラズ人系:約02%
- その他の少数派:ジョージア人系、ボシュニャク人系、ブルガリア人系、ギリシャ人系、アルバニア人系、スロベニア人系、ロマ、スルヤーニ、ポマク人系など
トルコの産業別の人口
トルコでは、1980年頃まで農業が主要産業になっていましたが、現在ではGDPの28%を占める製造業(自動車、鉄鋼、産業機械、家電など)と54%を占めるサービス業が経済を牽引しています。
労働人口3,271万人に対して産業別の人口をみていくと、2020年のデータでは、農業が18.02%、製造業が26.07%、サービス業が55.9%となっており、製造・サービス業が8割以上を占めています。農業の比率は2割程度で、GDPの割合も約6%ですが、トルコは世界第11位とトップクラスの生産を誇る農業国であり、依然として農業は重要な産業です。
また、観光資源が多いトルコでは、観光業も主要産業となっています。観光業のGDP比率は4.4%で、旅行会社やガイドとして働く人は約220万人とサービス業のなかでも大きな割合を占めています。
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トルコを訪れる観光客数
トルコは世界トップクラスの観光大国で、日本をはじめ、世界から多くの観光客が訪問しています。2019年の観光客数は過去最高の約5,119万人を記録し、観光客数世界第6位になっています。
ちなみに同年の日本の観光客数は約3,200万人で、トルコには日本の1.5倍以上の観光客が訪れています。
国別割合では、ビザが必要なく地理的にも近いロシアからの観光客が一番多く、2番目に多いのがドイツです。日本からの観光客も2019年までは毎年増え続けており、2019年には前年から26.1%増加し、10万人を越えました。
2020年以降は新型コロナウイルスのため観光客が減少していますが、トルコ建国100周年にあたる2023年には大規模なプロモーションで観光客を呼び戻す計画が立てられています。
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トルコ在住の邦人人口
トルコ在住の日本人の数は2020年10月のデータで1,817名です。トルコはアジアとヨーロッパの中間に位置し、物価も安いため、ビジネスで進出する日本企業も多く、日本人駐在員とその家族が多く暮らしています。
また、日本人観光客の増加に伴い、旅行業界で働く日本人も増えました。ほかにも、トルコ語やトルコで盛んな考古学を学ぶ日本からの留学生、大使館・領事館で働く外務省関係者、国際協力で派遣されたJICAスタッフなども含まれます。
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日本人が多く暮らす街は首都アンカラやイスタンブールで、旅行業界で働く人はカッパドキアなど観光地に住む場合もあります。イスタンブールのように日本人の多い街では、日本の食材を扱う店や日本食レストランもあり、日本人にとっても生活しやすくなっています。
トルコの人口の多い都市ランキング
日本で東京や大阪のような大都市に人口が集まっているように、トルコにも人口が集中している都市があります。トルコでも特に人口が多い都市について、それぞれの人口と特徴をランキングにして紹介します。
イスタンブール
人口:14,804,116人(約1,480万人)
ボスポラス海峡を挟み、ヨーロッパとアジアにまたがるトルコ最大の都市です。古くから多くの文化や交易の中継点として栄えてきた街で、ヨーロッパ側にある旧市街は歴史地区として世界遺産にも登録され、ブルーモスクやアヤソフィアなど多くの観光名所もあります。
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首都アンカラ
人口:3,517,182人(約350万人)
建国以来トルコの首都となっている内陸の都市。よく勘違いされることもありますが、トルコの首都はイスタンブールではなくアンカラです。
オスマン帝国時代の首都はコンスタンティノープル(イスタンブール)でしたが、オスマン皇帝の影響が強いイスタンブールを避けるため、アンカラが選ばれたといわれます。
紀元前からの歴史をもつ街で、現在は近代的な都市計画に基づき住宅や交通網が整備され、人口も増加しています。
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イズミル
人口:2,500,603人(約250万人)
トルコ西部にあるエーゲ海沿岸の港町。イズミル県の県都でもあり、イスタンブール、アンカラに続くトルコ第3の都市です。
古代より「エーゲ海の真珠」と謳われた美しい街で、現在はリゾート地・観光地として栄えているほか、物価が安いためイスタンブールから移転する企業も増えています。
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ブルサ
人口:1,412,701人(約140万人)
トルコ南西部ウルダー山の麓に位置する高原の街で、オスマン帝国最初の首都がおかれた古都としても知られます。
自然豊かなことから「緑のブルサ」とも呼ばれ、温泉やオスマン時代の雰囲気を残す町並みが魅力です。また、トルコ自動車産業の中心地でもあり、ルノーの工場があるほか、繊維産業も発達しています。
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ガズィアンテプ
人口:1,065,975(約106万人)
トルコ南西部にあるガズィアンテプ県の県都。ピスタチオを名産とする美食の街としても知られ、ガズィアンテプで作られたトルコの伝統的なお菓子「バクラヴァ」はイスタンブールやアンカラなど大都市でも人気です。
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コンヤ
人口:875,530人(約87万人)
トルコ内陸部アナトリア地方に位置する主要都市の1つ。かつてはルーム・セルジューク朝の首都として栄えた街で、イスラム神秘主義メヴラーナ教の拠点としても有名です。市内にはセルジューク時代のモスクや聖廟などが残り、観光地として人気で、最近では、製造業や工業なども発展しています。
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