トルコの治安とトルコ観光旅行中の注意点をご紹介
更新日:2023.04.05
投稿日:2022.06.28
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旅行先を決めるのに、観光スポットやアクティビティー、食事などの他に、現地の治安も気になる要素の1つかと思います。トルコ旅行を計画している方も、もちろんトルコの治安が気になるはずです。この記事では、トルコ共和国の治安情報を紹介します。ぜひ海外旅行の参考にしてください。
Contents
トルコの治安は良好で観光しやすい
トルコは中東地域に接しているため、治安が悪いのではないかと不安に感じる方がいるでしょう。外務省が発表している海外安全情報によると、トルコの大部分の地域は治安警戒レベルが最も低くなっており、危険情報は出ていません。そのため、外務省の基準ではトルコのほとんどの地域は安全であると言えます。
多くの旅行者が訪れるトルコの最大都市イスタンブール県の警戒レベルは、「レベル1:十分注意してください」です。これは2017年1月1日にイスタンブール市内のナイトクラブで発生したテロ事件の影響を受けており、トルコ当局によりテロ関係者の多くは逮捕されましたが、テロの警戒を続けているため、レベル1となっていると考えられます。
2017年以降、イスタンブールでは大きなテロ事件は発生しておらず、この状況が続けは警戒レベルなしになる可能性もあるでしょう。また、イランやアルメニアとの国境がある東部エリアも「レベル1:十分注意してください」となっています。
トルコで治安が悪い都市
シリアと接しているトルコ南東部エリアは、最大警戒の「レベル4:退避勧告」や「レベル3:渡航中止勧告」が出されていますので、このエリアには近づかないようにしてください。なお、旅行会社で催行されている一般的なトルコ旅行の行程では、東部エリアや南東部エリアは含まれておりませんので、安全にトルコ旅行を楽しむことができます。
トルコは海外からの旅行客数が世界6位!
トルコは近年観光業に特に力を入れており、2019年には過去最高の5,119万人が海外からトルコに旅行目的で訪れました。外国から訪れた観光客数は世界第6位となっています。この数字は、多くの観光客にとってトルコは魅力的な観光資源があることと、治安がよく安全に旅行できることを表しているでしょう。
なお、近年イスタンブールや主要な観光地ではテロに対する警備が特に厳しくなっており、制服を着た警察官以外に私服警官も街中に配備され警戒を行っています。
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イスタンブールの治安
イスタンブールはトルコ国内で一番人口密度が高く、イスタンブール県には約1,540万人が暮らしています。ただし、日本や諸外国も同様ですが、大都市は農村部より犯罪発生率が高くなる傾向にあります。イスタンブールも例外ではありませんが、観光客が巻き込まれてしまう犯罪は軽犯罪が多いため、旅行者が少し注意をするだけで、ほとんど防ぐことができます。
また、外務省の海外安全情報でイスタンブールが「レベル1:十分注意してください」となっているのは、大都市であるがゆえにテロに対する警戒レベルが高いからといえます。
イスタンブール内で治安に注意が必要な地域
イスタンブールの街で治安に注意が必要な地域は、ヨーロッパ側からボスポラス海峡を挟んでアジア側にあります。観光箇所はヨーロッパ側の旧市街に集中しているため、宿泊ホテルを選ぶ際はアジア側を避けて、ヨーロッパ側の新市街か旧市街で選ぶと、より安全に滞在できるでしょう。
トルコ人は親日家が多く、イスタンブールで日本人が困っている時は周りの知らない人たちが助けてくれる場合もあるかと思います。ただし、まれに親切を装ったスリである可能性もあるため注意が必要です。
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イスタンブール観光での注意点
多くの人が行き交うイスタンブールですが、一方で軽犯罪に巻き込まれる可能性のある地域でもあります。ここでは、イスタンブール観光中のトラブルを回避するために、注意点を紹介します。
サッカーのダービーの試合
イスタンブールは、フェネルバフチェ、ガラタサライ、ベシクタシュの3チームのホームとなっており、このチーム同士が対戦をすることをイスタンブールダービーと呼びます。近年ダービーマッチ当日の暴力事件は減少していますが、ダービー当日は警戒が必要です。
ダービー当日はサポーターが多くいる路上や電車、バス、バーやレストランの利用は避けるようにしてください。特にフェネルバフチェとガラタサライの対戦がトルコリーグ最大のダービーマッチとなっているため、十分に警戒が必要です。
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デモや抗議活動
若年層が多いトルコでは、政府の施策に対して抗議のデモが行われることがあります。多くのデモ参加者が集まるのは首都アンカラやイスタンブールです。トルコのデモは平和的に行われますが、一部参加者の行動がエスカレートする可能性があるため、抗議活動が行われているエリア周辺には近づかないようにしてください。
なお、イスタンブールでは新市街のタクシム広場周辺で、抗議活動が行われることがあります。デモが行われている日にイスタンブールに滞在している場合は、お出かけの前にホテルスタッフなどにデモが行われている場所の情報を聞くのが賢明です。
週末のナイトクラブ
トルコはイスラム教徒が大多数ですが、飲酒に寛容なこともあり、イスタンブールの週末のナイトクラブは若者を中心に混雑します。人が多く集まる場所は、テロ犯罪の標的になる可能性が高く、酔った客同士のトラブルに巻き込まれる場合も。トルコ旅行中にお酒を楽しみたい場合は、多くの人が集まる週末のナイトクラブを避け、レストランやホテルのバーなどで飲むことがおすすめです。
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バザールでのスリ
イスタンブールには、グランドバザールやエジプシャンバザールなどの市場があり、多くの観光客が訪れています。バザール内の通路はあまり広くなく、多くの人が行き交っているため、特に観光客はスリのターゲットになりやすいです。
カバンを体の前に抱えたり、財布をバッグの奥の方に入れたりといった対策を行いましょう。また、スマートフォンの画面に気を取られていると、スリに気が付かない場合があります。スマートフォンは混雑しているバザール内では見ないようにし、周りに人がいない広い場所で見るなどの意識が大切です。
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夜間のひったくり
イスタンブール旧市街は世界遺産となっており、夜には歴史ある建物がライトアップされてとても綺麗ですが、夜間のひったくりには注意してください。夜景を見に行く時は、少し遠回りでも明るい大通りを通るようにして、人が少ない暗い道は避けるようにしましょう。
また、スマートフォンに夢中で写真を撮っていると、スマートフォンをひったくられる場合があります。ライトアップされた建物に気を取られすぎず、写真を撮る前に周囲に気を付けるようにしましょう。
トルコ観光旅行中にトラブルを避けるための注意点
トルコは広大な土地を持っているため、様々な都市を移動して観光をするのが一般的です。ここでは、トルコ観光全般で少しでも危険を避けるための注意点を紹介します。
女性は肌を露出しない
トルコはイスラム教徒が多い国なので、宗教上の理由で肌を露出した女性がほとんどいません。よって、なるべく観光客も肌の露出は控えた方が無難です。ただし、トルコのイスラム教徒は比較的自由度が高い側面もあるため、必ずしも現地人と同じ格好をする必要はありません。ノースリーブやミニスカート、ショートパンツなど、過度な肌の露出に気を付けてください。
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女性の写真をむやみに撮らない
イスラム教の戒律を守ってスカーフをしている女性を見かけた場合は、興味本位でカメラを向けて写真を撮らないようにしてください。許可なく女性の写真を撮る行為は失礼に当たります。
写真撮影禁止の場所
トルコではテロ防止の観点や宗教上の理由から、モスク、空港、軍事施設、鉄道、橋などは撮影禁止になっている場合が多いです。日本であれば許容される場所でも、トルコの場合は禁止となっているケースがあるため、むやみに写真を撮らないようにしましょう。
立ち入り禁止のモスクもある
モスクはイスラム教徒の礼拝の場所であるため、イスラム教徒以外の観光客が入れない場合も多くあります。そのため、モスクを見学する前に、必ず確認しましょう。なお、もしモスクが見学可能な場合は、露出の多い服や派手なプリントがされた服などは避け、イスラム教の規則に従って見学してください。
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ホテルでの注意点
ホテル内は街中に比べて安全なので気が緩みがちですが、部屋を出た先は街中と同じだと思って行動するようにしましょう。特にホテル内のレストランで食事をし、トイレなどで席を離れる際は、必ず貴重品を席に置かないようにしてください。
また、カッパドキアにある洞窟ホテルは、部屋が独特な形状をしているため、部屋の形がそれぞれ異なり、部屋が規則正しく並んでいないことが多いです。そのため、洞窟ホテル宿泊の場合は、万が一の時に備えて緊急避難のルートを確認しておくと良いでしょう。
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ラマダン期間中の注意
トルコでもラマダン期間中は断食が行われます。ラマダンが行われる日中にすべてのレストランが閉まるわけではなく、旅行者は普通に食事を行うことが可能です。特にイスタンブールなどの都会は、地方都市に比べてレストランが通常通り営業をしています。
ただし、断食をしているイスラム教徒もいるため、ラマダン期間中は路上や多くの人から見える場所で飲食を行わないように注意してください。また、旅行者に服装の規制はありませんが、特にラマダン期間中はあまり肌を露出しすぎないことも重要です。肌の露出を控えることで、イスラム教徒に敬意を払うことができ、トラブル回避に繋がります。
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トルコ人からの声掛け
トルコ人は親日家で、日本人とわかると簡単な日本語を使い、気軽に話しかけてくることがあります。多くのトルコ人は、旅行者がもし何か困ったことがあれば助けたいという気持ちを持ってくれていますが、ごくまれに騙す目的で声をかけてくる場合もあるため、注意が必要です。
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相手があまりにしつこく誘ってくるような場合は、その場を離れて、お店の人などに助けを求めるようにしましょう。特に女性の一人旅で、トルコ人男性からしつこく声をかけられた場合は、誘いに乗らないように注意してください。
日本人観光客が遭遇した事例
ここでは、実際に日本人観光客がトルコ旅行中に遭遇した犯罪の例を紹介します。もし現地で同じことが起きた場合は、冷静に回避してください。
高額請求(ぼったくり)
被害にあった日本人は、トルコ人または海外からの旅行者と名乗る者から親しげに声をかけられ、話しているうちに意気投合し、「お酒を飲みながらもっと話そう」とおすすめであるというバーに誘われました。
相手を信頼して料金を確認せずにお酒を注文したところ、会計時に数十万円の金額を請求され、割り勘で支払うことにさせられてしまったそうです。実際に店側は高額な料金表を用意しており、旅行者が自分で注文をしたため、警察に行っても料金の返金はされませんでした。親しく話してきた人をすぐに信用しないことと、飲食店の料金は必ず確認することが重要です。
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置き引き・スリ
トルコは国土が広く各都市を移動するのに長距離移動が必要です。長距離移動中にトイレ休憩があり、少しの間だからとバス車内に荷物を置いておいたところを、忘れ物を取りに来たふりをした置き引き犯が車内に入り、貴重品を持ち去られたそうです。
また、観光地でお土産物の販売を装った人たちに囲まれ、土産物の説明を受けている際にバッグやポケットから財布が抜き取られたケースもあります。貴重品は必ずバッグの奥に入れて体の前で持つなどの工夫が必要です。
タクシー料金詐欺
タクシー乗車中に詐欺に巻き込まれるケースもあります。例えば、流しのタクシーに乗った際に、一方通行や工事などを理由に目的地まで遠回りされて、高い料金を請求されしまったというケースです。
また、その目的地ならこれぐらいの料金で連れて行けると言われて乗車したが、目的地に着いたら、メーターの故障を原因に最初に言っていた金額の10倍の金額を請求されてしまったというケースもあります。
加えて、支払いの時にドライバーに紙幣を渡したところ、素早く安い紙幣と入れ替えられ、お客さんが紙幣の数字表記を勘違いして安い紙幣を渡したと言いはり、追加のお金を払わされたというケースもありました。
上記のような詐欺を未然に防ぐには、タクシーは流しではなくホテルで呼んでもらうか、タクシー会社名がきちんと書かれたタクシーに乗車することが必要です。
クレジットカード詐欺
トルコではクレジットカードによる被害も発生しているため、支払い時には注意が必要です。被害にあったケースとしては、お店でクレジットカードを利用した際に、エラーが出て支払いができないと言われ、何度も暗証番号を押したり、機械にカードを通したりしたところ、帰国後にカード会社より、同じ金額で複数決済した請求が送られて来たという内容です。信頼できる店以外でカードの決済ができないと言われた場合は、購入キャンセルや現金購入などの対応をしてください。
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安全に観光を楽しむためには旅行会社を利用しよう!
トラブルに巻き込まれないためには、旅行者自身が注意を払う必要がありますが、初めてのトルコ旅行では犯罪を未然に防ぐのが難しいケースもあるでしょう。不安な方は、旅行会社が催行する団体旅行に参加することで、トラブルに巻き込まれる可能性を下げることができます。
旅行会社は、治安が悪いエリアを避け、より安全なエリアにあるホテルと契約しています。近くでデモなどが行われている場合は、安全面を考慮してホテル変更などの対応も取ってくれるので宿泊時も安心です。
また、ツアーに組み込まれているお土産物屋は、商品に万が一問題があった場合に、帰国後に商品の交換ができる場合が多いため、お土産屋で虚偽の請求をされたり偽物を買わされたりする心配がありません。
万が一スリにあってしまった場合は、現地の旅行会社のスタッフやガイドが日本語でサポートしてくれます。なお、最新の治安に関する情報も日本語で説明を受けられます。
ツアーなら団体行動のため、一人旅の人が詐欺のターゲットにされる可能性も低くなるでしょう。特に女性の一人旅の場合は、団体ツアーに参加することでより安全に観光することが可能です。
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トルコの住みやすさを解説
旅行で訪れた国を気に入り、そのまま海外に移住してしまったという話を耳にすることがあります。ここでは、トルコが日本人にとってどれほど住みやすいのか紹介します。
トルコ東部や南東部などの一部地域を除いてトルコの治安は良く、日常生活の中で事件や犯罪に遭遇するのは非常に稀です。犯罪防止のためにショッピングセンターや駅など人が集まる場所には金属探知機が設置されています。
トルコは物価が低い!
トルコは物価が安く家賃もヨーロッパ諸国と比べると高額ではないため、お金の関係で治安の悪いエリアにしか住めないといったことも少ないでしょう。また、トルコは食料自給率が高くヨーロッパ諸国に農作物を輸出しています。そのため、スーパーでは新鮮な野菜を安い値段で買うことが可能です。ちなみに、イスタンブールなどの大都市には、お寿司を出しているレストランや和食のお店があり、日本からの輸入食材を取り扱う店もあります。
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トルコは宗教による制約も少ない
トルコ人はほとんどがイスラム教徒ですが、政教分離を徹底しており宗教に寛容な考えを持っています。そのため、飲酒も禁止されておらず、服装も厳しい制限が課せられることはありません。イスラム教徒以外も暮らしやすい環境となっています。
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イズミールも移住におすすめ
外国人が多く住む都市はイスタンブールですが、近年トルコ西部のエーゲ海沿岸にあるイズミールも移住者の人数が増えています。理由は、イズミールがイスタンブールより物価が安く、温暖な気候で暮らしやすいからです。その住みやすさから、イスタンブールからオフィスを移転する企業もあるのだとか。逆に内陸部にあるコンヤなどの都市は宗教的に保守的な地域が多いため、外国から移住するのにはあまり向いていないかもしれません。
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トルコに住んでいる外国人の人口
2020年のトルコ統計機構のデータによると、トルコに3カ月以上滞在可能な労働ビザや滞在許可証を所持している外国人の人数は、133万3,410人です。 外国人の中で一番多い国籍はイラクで、次にアフガニスタン、そしてドイツとなっています。外国人が最も多く住んでいる都市はイスタンブールです。
トルコに住んでいる日本人の人口
外務省の在留邦人数統計によると、2020年10月の時点でトルコに住んでいる日本人は1,817人です。トルコはアジアとヨーロッパの中継地点に位置しており、ヨーロッパと比較して物価が安く、他の中東の国より治安が安定しているため、多くの日本企業が進出しています。そのため、トルコに住む日本人は、企業の駐在員とその家族が多いです。
エルトゥールル号遭難事件から始まったトルコと日本の深い関係とは?
なお、観光業で働く日本人や留学をしている学生もいます。
安全なトルコ旅行にはツアー利用がおすすめ!
トルコの治安は安定しているものの、スリや置き引き、ぼったくりなどの軽犯罪は日本に比べると多いです。一人での観光は軽犯罪のターゲットになる可能性もあるため、不安な方は旅行会社の団体ツアーを利用しましょう。安心して利用できるホテルやお土産屋を紹介してもらえるだけでなく、最新のトルコ治安情報もわかるため、トラブルに巻き込まれる危険を防げます。
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